居場所を失った若年妊婦に「いつでもおいで」と言えるHOMEを|クラウドファンディングスタートしました!

「project HOME」というPIECESの新たな取り組み、そしてそのプロジェクトの認知拡大と資金集めのために3/30から5/29までクラウドファンディングを実施しています。

project HOMEとはどんな取組?

社会の中で孤立し、居場所を持たない若年の妊婦さん。彼女たちにとって安心で安全な「HOME」を、本人の声、そしてたくさんの人の力によってつくっていく、それが「project HOME」です。

背景に家族からの虐待やDVがあるケースが多く、本当は多くのサポートが必要としている。にもかかわらず、地域とも行政ともつながりを持ちにくい、そんな孤立した若年の妊婦さんに温かい居場所とつながりを届けよう。それを通してこれから生まれてくるかもしれない新しい命もみんなで守っていこうという想いから生まれた取組です。

project HOMEを協働で運営するNPO法人ピッコラーレとPIECESの集合写真。豊島区千川にこの4月からオープンするproject HOMEの拠点にて

project HOMEを協働で運営するNPO法人ピッコラーレとPIECESの集合写真。豊島区千川にこの4月からオープンするproject HOMEの拠点にて

project HOMEに取組む理由

なぜ、PIECESが「居場所を持たない若年妊婦」に向けた取組を行うのか。

私たちPIECESは市民性を醸成することで、誰もが孤立しない社会をつくることを目指して活動しています。そのために「コミュニティユースワーカー育成プログラム」や「Citizenship for Children」に取組み、プログラムを修了したメンバーがそれぞれの市民性を発揮することによって、多種多様なプロジェクトやアクションが生まれています。

これまでは、小学生~高校生に向けた取組が多く生まれていますが、同時に、子どもが生まれたその瞬間から、優しいつながりや温かいまなざしに溢れた環境を作ることの必要性も感じてきました。そう感じるに至った一つのきっかけとして、コミュニティユースワーカー育成プログラム1期生の塚原萌香さんが立ち上げた「もえかん家」というプロジェクトの存在があります。

10代ママに寄り添ってきた「もえかん家」

塚原萌香さんの名前からとったこの「もえかん家」は、10代で妊娠・出産を経験した人が子育ての相談をしたり高卒認定試験の合格を目指したり、彼女たちの大小様々な「困った」に寄り添ってきた取組です。

複雑な家庭環境の中で育ってきたことなどを背景に、周囲からのサポートを得られにくい環境で妊娠・出産をきっかけに繋がってきた人たち。そんな人たちに、一人の人としてできることはどんなことかを考えながら、専門的な支援とは異なる、共にいることが安心だと思えるような関わりを積み重ねてきた「もえかん家」。そこでの関わりを通して、決して何かが大きく変わるわけではないが、少しずつ自分の力で前に進んでいくママと子どもの姿を通して、市民によるかかわりの新たな、そして大きな可能性に気づくことができました。

project HOMEの始動、そしてPIECESの関わり

冒頭でも触れましたが、この「project HOME」はNPO法人ピッコラーレとの協働プロジェクトです。先ほどの「もえかん家」で関わってきた方のほとんどが、実はピッコラーレの相談窓口を経由して繋がってきているということもあり、約2年ほど前から課題意識を共有しながら、構想を進めてきたプロジェクトでもあります。もちろん、塚原さんも2年間ずっとプロジェクトの立ち上げに一緒に関わってきてくれました。

この間、物件探しなど準備を進めてきて、ようやく豊島区に物件も決まりこの4月から事業を本格的に始められそうなところまで来ました。

資金面に関しても、この取組の重要性を理解いただき、助成金によって最低限の運転資金は無事に確保できました。

ただ、本当に不安定な状況で、インターネットカフェやネットで知り合った人の家を渡り歩いてその日その日をおなかに子ども抱えながら暮らしてる人にとっては、単に場所があるというだけではなく、安全で、安心できる人とのつながりや環境の中で生活を整えていけることが大事だと思っています。

居場所を持たない妊婦さんに、安心して「いつでもおいで」と手を広げて受け入れられる、悩みがあったらいつでも立ち寄って相談できる、そんな「HOME」をつくること。

そのために、より良い環境を整えて運営を始めていくための初期費用として、500万円という資金をクラウドファンディングで集めます。

目 標:500万円
期 間:2020年3月30日~5月29日


500万円の使途

・リフォーム代(耐震工事・内装工事のうちピッコラーレ負担分)200万円
・設備費(ベッドやリネン類、食器棚、電化製品など)50万円
・食費(1年分)30万円
・利用者に必要な衣類・衛生用品(下着・マタニティ・ベビー服・おむつなど)20万円
・医療にかかる費用(医療扶助になる前に必要となる費用や妊婦健診補助券で賄えない部分)20万円
・利用者がHOMEを訪れるための交通費 10万円
・セキュリティ委託費 50万円
・当直者などの人件費 50万円


HOMEの運営にあたっては、ピッコラーレとPIECESが中心となり、組織の枠を越えて、お互いの強みを生かしあい、協働を進めていきます。また、若年妊婦の生活全般を支えていくためには、当然二者が協働するだけでできることには限界があるため、他団体や行政、地域の方々の力が不可欠です。

そのため、PIECESは、これまでの取組の経験も活かし、HOMEに関わる専門職メンバーと市民それぞれの市民性の醸成、そして両者が市民性を真ん中に置きながら支えあい学びあう関係性づくりを担っていきます。さらに、地域の他団体や他機関、各種の協議体、行政との間で円滑な連携を取れるようにため、各ステークホルダーとの間で課題感・支援感などを重ねあわせながら、協力し合える関係性を築いていきたいと考えています。

さいごに

まずはみなさんに少しでもこの若年妊娠を取り巻く社会の課題を知っていただくことが必要だと思っています。そして、その課題を知った後、ぜひHOMEを共につくる仲間になってもらいたい。その第一歩として今回のクラウドファンディングの挑戦を是非とも応援いただければと思います。いただいた応援が「project HOME」のスタートを力強く踏み出す大きな支えになります。

どうかご協力をお願いいたします!