事務局長からのお便り Vol.11

 
 

こんにちは、PIECES理事/事務局長の斎です。

2023年の大晦日、いかがお過ごしでしょうか。

私は、年明けすぐに5年に1回の認定NPO更新のための現地調査(東京都の担当課の方が3~4人で事務所にいらして、5年分のありとあらゆる書類や運営状況のチェックを受ける機会)という超重要イベントが控えていることもあり、今年はなんだかソワソワした気持ちで年の瀬を迎えています。緊張感をもって休みを過ごしなさいよという所轄庁からのメッセージと受け止め、シャキッと年末年始を過ごしたいと思います(笑)

さて、「31日(サイの日)」にのみ更新するこの事務局長からのお便り。

大晦日にまでこのお便りを読んでくださる奇特な方(もちろんいい意味です笑)がどれだけいるか分かりませんが、せっかくなのでPIECESの2023年がどんな年だったのかを、私なりの視点でお伝えしていきます。


2023年を漢字1字で表すと・・・

いきなり安直な見出し感は否めませんが、1年を振り返るという意味で、なんとなく2023年のPIECESを漢字1字で表すところから始めてみようかと。

例年だと、本家の「今年の漢字」(日本漢字能力検定協会)が出る度に、自分にも当てはめてみては、そんな都合のいい漢字は思い浮かばないことがほとんどです。ただ今年に関しては、スッと1つの漢字が思い浮かびました。

それが、「新」という一字。

ありふれた何の捻りもない字ですが、いろんなことを振り返ってみると、今年のPIECESを表すにはしっくりくる1字のような気がしています。

2023年は、このお便りでも何度かご紹介している「CforCコンソーシアム」という“新”規事業を本格的に立ち上げるところからスタートしました。事業の詳細や進捗は折に触れてまたご紹介していきますが、これまでPIECESが主導してきたCforCプログラムや市民性醸成の取組を、各地の団体や機関、自治体等との協力・共創による取組へと変容させるべく、新たなチャレンジが次々と始まっています。

今年の夏ごろからは、実際に他団体さんとの協力モデルでCforCのエッセンスを届ける活動がスタートしたり、各地で市民性を育む活動をする団体・機関が共に学び合う機会を立ち上げたりし始めています。

実際にスタートしてみて、「協力・共創」を前提とすることで、自分たちだけではもたらしえないエネルギーが創出されていることの価値を強く感じています。一方で、協力やパートナーシップには当然協力する相手やパートナーが存在します。それ故に自力では動かせない範囲が大きくなり、事を進めるにも時間や手間がかかったり、想定外のことが起きやすくなることの難しさも感じています。

それでも、「真に大切なことは、面倒くさいプロセスに宿る」と思っているので、この新たな取組やプロセスをじっくりと地に足つけて前に進めていきたいと思います。

また、今年は有給スタッフやプロボノメンバーなどの“新”たな仲間がたくさん加わった年でもありました。

有給スタッフは今年新たに4名が加わり11名に。プロボノメンバーも6人が仲間入りし25名となりました。加えて、CforCプログラムの運営には、過去のプログラムを修了した修了生メンバーがスタッフとして参画していますが、今年は10名超のメンバーが毎週の活動に参加してくれています。

まだまだ事業としてはできていないことも多く、課題ばかりが山積しているように感じる日々ですが、こうして50名近いスタッフやメンバーが運営に参画するまでに組織が育まれてきたことについては、感慨深いものを感じています。

当然、ライフステージの変化や新たな挑戦などもあるので、みんながこのままでとはいかないはずです。それでも、今年新たに加わったメンバーをはじめ、PIECESに携わるスタッフやメンバーがこれからもこのフィールドで活躍したいと思えるような組織であれるように、これからもチャレンジを続けていきたいと思います。


その他にも、冒頭でご紹介した5年に1度の認定NPOの更“新”のための膨大な資料作成に取り組んだり、ここ1,2年で生じてきた組織の成長変化に対して、経営・運営体制の“新”たなカタチが見出されてきたり。やや強引なところはありますが、随所に“新”を感じるそんな2023年でした。


市民性を照らし、育む

2023年を振り返る上で、最後に皆さんに1つ見ていただきたいものがあります。

もう既にご覧になった方もいるかもしれませんが、12月初旬にPIECESのWEB上で1つの“新”しいページが公開されました。「やさしさのむしめがねー暮らしの中にある市民性ー」というタイトルで始まるページです。

PIECESが取り組む、「市民性の醸成」という営み。
PIECESのことを家族や友人、同僚の方々などに話したことがある方の中には、経験がある方がいるかもしれませんが、「市民性の醸成」と言ってもなかなか理解や共感は得られません。私もそのことに苦しみ続けている一人です。

「市民性ってどういうことなの?」
「どうして今の世の中に市民性が必要なの?」

これらを少しでも分かりやすく、親しみをもって知ってもらいたい。
そんな想いで作ったのが、今回のこのページです。

個人的には、ページ内にある下記の部分を特に皆さんと共有したいと思い、少し長いですが引用させてください。

「いまこの時代に生きる私たちにとって、本当に必要なことはどんなことだろう?」

その問いに向き合う中でたどり着いた一つの解。それが、一人ひとりが持つ「市民性」を信じることです。

これは、何かが「ない/足りない」ことを前提にしたあり方とは大きく異なります。
制度や仕組みがないから新しく作る、サービスが足りないから増やす。
それも大事なことだけど、「ある」のに見過ごされている、「ある」ことに気づけていない、そんな見方があってもいいんじゃないか。

人が人として、自分のことや誰かのことを大切に想う気持ちや願い、温かなまなざしや関わり、そしてそこから生まれるつながり。 そんなだれもが持つ「市民性」。
今この社会では、そこにあるはずのものが周りからも、自分でさえも見えにくく、気づかれにくくなっているのかもしれません。

だからこそ、私たちPIECESは、そんな「市民性」を照らし、育むことをしていきたいと思っています。
それこそが、孤立や分断へのやさしい処方箋になると信じて。

もちろんこのページだけで、すべてを伝えきることはできません。

それでも、改めて皆さんと一緒に「市民性」について感じ、考えるきっかけになれば良いなと思っています。

PIECESがどんな風に社会を見ているのか。そもそもなぜPIECESが存在するのか。そんなことも感じてもらえるかもしれませんので、もしよければページをご覧になっていただき、何か感じたことがあれば、身近にいる大切な人と共有いただくのはもちろん、SNSなどでもシェアしていただけたら嬉しいです。


▼やさしさのむしめがねー暮らしの中にある市民性ー

https://www.pieces.tokyo/mushimegane

お知らせ

最後に1つお知らせです。

この12月に、PIECESも入居しているシェアオフィス「social hive HONGO」が、同じ文京区本郷三丁目のエリア内で移転しました。
今までのオフィスから徒歩3分ほどの場所への移転ですが、今後イベント等でお越しになる機会もあると思いますので、その際は下記住所を目指してお越しください!

■新住所:

〒113-0033 東京都文京区本郷三丁目30-10 本郷K&Kビル5F・6F
小野田総合法律事務所内 social hive HONGO

それでは、今年も1年間ありがとうございました!
2024年もどうぞよろしくお願いします。よいお年をお迎えください!