事務局長からのお便りVol.4

こんにちは、PIECES理事/事務局長の斎です。2022年の大晦日、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
「31日(サイの日)」にのみ更新する事務局長からのお便り。
大晦日にまでお届けするような代物か?という大いなる疑問はありますが、31日にお届けすることにおいてのみなんとか存在意義を保てているので、今回もよければお付き合いくださいませ。

さて、12月は寄付月間ということで、今回はNPOの資金調達に関わる違和感についてのお話です。今日書く内容は、先日個人のSNSでアップした内容をベースにしています。反響が比較的大きかったので、こちらでも皆さんと共有させてください。
今月も長文になりそうですが、年末年始がお休みの方は、お昼寝前の睡眠導入のお供にでも眺めていただけたら嬉しいです。

資金調達の営みについてのモヤモヤ

1か月ほど前のことですが、とてもありがたいことに、PIECESの活動に大口の寄付をいただけるという機会がありました。寄付者の方の希望もあり詳細は伏せますが、とても想いのある方からの温かさを感じる寄付でした。

この寄付についてはプロセスに特徴があり、自分たちで頑張ったというより、間をつないでくれた人に話が来て、間をつないでくれた人がPIECESのことを紹介してくれ、間をつないでくれた人が提案をまとめてクロージングしてくれた、という案件でした。つまり、その間私たち団体サイドの実働は最低限のもので、ありがたいことに間をつないでくれた人たちのネットワークと尽力によって開拓された寄付と言えます。

関係者の方々にはただただ心からの感謝と頑張るぞという気持ちで溢れているのですが、同時にもう一つ湧いてきてしまったのは、「いやそもそも、(世の中が)普段NPOの側に資金調達頑張らせすぎじゃない?」という気持ちです。

いや、何を生ぬるいこと言ってんだって感じもするし、そこ頑張るのが仕事でしょって話かもしれませんし、NPOにお金バラまけと言いたいわけでもない。

ですが、本当に社会をより良いものにしていくのであれば、NPONGOなどがもっと事業活動に専念できる仕組みになっていってもよくない?という少年のような気持ちもあるわけです。PIECESでいえば、まだまだ安定財源が十分確立しているわけではないので、時期やタイミングによっては、運営メンバーの2~3割のエネルギーが、ファンドレイズに関連するところに向けられていることもあります。

平時においても、ファンドレイズチーム中心に全身で(頭も心も足も使うので)汗かきながら頑張っていますが、正直なところ頑張れば資金が集まるというものでもありません(冒頭の寄付の話も、ありがたい話ではありますが、再現性は決して高くないのです)。

私たちが取り組む領域では、本質的なことをやろうとすればするほど、取組は一見すると分かりにくく、分かりにくいものに通常資金は集まりません。なのであの手この手を試行錯誤するわけですが、基本的には事業活動に本来充てたいはずのリソースがそれにより地味に延々と奪われていってしまいます。

いろんな寄付関係のサービスやプラットフォームなども出てきていて、お世話になっているものもたくさんあります。ですが多くの場合、結局のところは団体サイドのコミットなしでは継続的な打ち手とはなりえません。また、サービスに寄付や寄付者が集まってきたとしても、そこにコミットができる一部の団体や知名度の高い大きな団体に、どうしても寄付者は流れていってしまいます。

実力不足と言われてしまえばそれまでですが、そもそも社会の全体最適を考えれば、収益を上げることに関心もなければ、事業発展と収益性が連動しない領域で活動していて、それでも社会や人々にポジティブな変容をもたらす活動というものは相当数あるはずです。であれば、それを活かそうとするエネルギーや仕組みがもっとあっても良いのではないか…というところに思い至ってしまうわけです。

ちなみに、資金調達の外注化に向かいたいという話かといえば、そうではありません。うまく外注も使っていくことはあるかもしれませんが、資金調達の営み自体は手放さずに一定内製しておくことが大事だと思ってます。寄付者の顔や想いが見えにくくなったりすることの弊害はもちろん、資金提供者との適切な緊張関係を持っておくことは組織の基盤強化につながるとも思っているからです。ただ、今のままだと、あまりにも負担が大きすぎる。さらには、お金を作りやすい、あるいはお金が流れやすいイシューや取り組みだけが生き残っていくことへの危機感もあり、社会全体としてもっとバランスをとる作用が働いてほしいなと思っているところです。

具体案も何もなく、だからなんだと思われてしまう話かもしれませんが、よければ皆さんのお考えや感想の声、場合によっては叱咤激励の声などもいただけたら幸いです。


さいごに、大事なお知らせを2つ・・・

1)スタッフの採用がスタートしました!

PIECESで久しぶりのスタッフ募集(正社員/業務委託)が始まりました!
https://www.pieces.tokyo/recruitment2023

今回は、メイン事業とバックオフィスそれぞれで募集しているポジションがあるだけでなく、働き方も週2~3日での兼業や、週4~5日でのコミットも可能なので、間口広めでいろんな方にチャンスがあります!

正直、2,3年前は、組織のカオスぶりにスタッフ募集のアナウンスするにも後ろめたさがありましたが(今もないわけではありませんが笑)、今はある程度胸を張って募集できるくらいにはなってます。
そんなPIECESを一緒に作ってきてくれた素敵なメンバーたちが待ってますので、是非ご応募お待ちしてます。

ちょっとでも気になる、という方は下記日程でオンライン説明会も開催するのでぜひお越しください!説明会参加にあたって応募意志は全く問わないので、是非気軽に覗きに来てもらえると嬉しいです。

▼説明会の日程

2023年1月7日(土)10:30-12:00
2023年1月12日(金)20:00-21:30

▼説明会の申込はこちらから
https://peatix.com/event/3442043

シェアも歓迎ですので、周りにご興味ありそうな方がいたら是非お知らせください。SNSでのシェアも大歓迎です!

2)「CforCのコンソーシアム化」を語るキックオフイベントを開催します!

前回のブログ(Vol.3)で、Citizenship for Children 事業が次なるステージへ向かうための新たな取組についてお話をさせていただきました。「CforCのコンソーシアム化」と呼んでいるプロジェクトです。

このプロジェクトのキックオフイベントを1月に開催することになりましたので、ご興味ある方は是非除きに来てもらえたらなと思っています。

少し補足すると、このイベントは、子どもの孤立を防ぐためにこれまでPIECESとして取り組んできた「Citizenship for Children(CforC)」というプログラムを、各地の団体や機関、自治体等との協力・共創によるコレクティブ・インパクトモデルとしてプロジェクト化する構想を、初めてお伝えする機会です。

また、このプロジェクトに3年間の助成という形でコミットくださるトヨタ財団のプログラムオフィサーさんに来ていただき、助成金の出し手と受け手が1つのプロジェクトを真ん中に置いてクロストークするという、わりと珍しい?機会でもあります。

トヨタ財団さんの助成プログラム自体がとてもユニークで、その話だけでも面白いかと思うのですが、助成プログラムが掲げる「新たな自治」や「By all」といったコンセプトを補助線にしながら、CforCコンソーシアム化の意義や可能性についてお話しできればと思っています。

・市区町村、あるいは都道府県単位で子ども支援の中間支援に携わる方(NPO、社協、自治体など)
・地域住民を巻き込みながら、自団体の運営を発展させていこうと考えている方(子ども食堂や学習支援、居場所事業など)
・子どもの支援や環境づくりに取り組む非営利団体を助成する、財団や企業の方
・トヨタ財団の国内助成プログラムに関心のある方
・PIECESの最新の取り組みを詳しく知りたい方

などなど、ご関心のある方はどなたでもご参加いただけますので、是非お気軽にお申し込みくださいませ!

▼イベント詳細・申込はこちらから
https://peatix.com/event/3452108

それでは皆さん、良い年をお迎えくださいませ!
今年も一年間、本当にありがとうございました。2023年もどうぞよろしくお願いいたします。