こんにちは、PIECES代表の斎(さい)です。
忙しい日々の中で、このお便りを開いていただきありがとうございます。
31日(サイの日)にのみお届けするこのお便り。
今回は、PIECESの事業や組織の話ではありません。私自身の最近の悩みと、それにまつわる不思議な体験をした話を書いてみたいと思います。
ここから先は、非営利組織の新米代表が抱えるモヤモヤが書き連ねられています。おもしろくも役に立つかもわからない話ですので、読み進める場合は心してお読みください。笑
代表になって生まれた変化
PIECESの代表に就任して約2か月。代表就任の発表から約4か月。
当初は「代表になって何か変わったり、心境の変化とかあるの?」との周囲からの問いかけに「いやいや、特に何も変わらないですよ〜」と答えていました。時間をかけて継承のプロセスを歩んだこともあり、その時はそれがとても素直な感覚でした。
ただ、月日の経過とともに、微かな変化を感じ取っています。2つ同時に。
1つは、「これをやってみたいな」「あれもできたらいいな」というような欲求や願いが、自然と溢れ出てくるようになったこと。これまでも決して蓋をしてきたわけではないのですが、MTGの場や、一人で本を読んでいるときなどにあれこれ妄想している自分がいることに気付く機会が増えています。
もう1つは、周囲からの何ともいえない期待のようなものを受け取る機会が増えたことです。これは相手あってのことなので、自分で勝手にそう感じているだけかもしれません、ただ、組織内外でのコミュニケーションにおいて、自分の想いや考えを言語化すること、あるいは自分のスタンスを問われたり、明確に示すことを求められる機会が増えています。
当然と言えば当然かもしれません。自分もこれまで関わってきたリーダーたちには、多かれ少なかれそれらを問うたり、求めたりしていたようにも思います。
これら2つの変化それ自体は、決してネガティブなことではないはずです。
一方で、いろんな欲求や願いが生まれること自体は大事なことかもしれませんが、扱い方次第では関わるメンバーを疲弊させかねません。また、これまで以上に自分のあり方やスタンスがダイレクトにいろんなものに響いていくのだとすると、それらを暫定的にでも定めておかないと、周りも自分も苦しくなっていきそうな気がします。
ネガティブな変化ではないはずだけど、どうやら受け流してもいけなさそうだ。
そんな風に思った時、これは自分の「リーダーシップ」のあり方が問われているのかもしれないと気が付きました。
「リーダーシップ」
今までも自分に問うたことがなかったわけではありません。むしろ、その時その時の立場でどんなリーダーシップを発揮できるといいかについては自分なりに考え、実践してきたつもりです。
が、しかし・・・今回はどうやら重みが違いそうです。
PIECESという組織体が歩んできた歴史や、前代表のいぶきさんから継承したバトンに込められた願いたちが、その重みを感じさせているのかもしれません。
PIECESの代表となった自分が、どんなリーダーシップのあり方を大事にしていけばいいのか。急いで自分なりの答えを見つける必要がないと分かりながらも、この間にも関連するいろんな出来事が起きており、1か月ほど悩ましい日々を過ごしていました。
森の中で見つけたヒント
そんな中、先週10月24日から3日間、岡山県の西粟倉村で時間を過ごす機会がありました。。
「Learning Journey」という企画で、同じように社会的な事業に取り組む方々と時間を共にしながら、深く自分自身や組織と向き合う合宿形式のプログラムです。
3日間、自然豊かな環境で、美味しい食事と素敵な仲間に囲まれて、全体を通じてとても充実した時間を過ごすことができました(快く送り出してくれたPIECESの皆さん、妻子たちに心からの感謝!)。いろんな気づきや豊かさを味わったのですが、その中で不思議な形で自分のリーダーシップについて向き合うことになったのです。
それは、合宿2日目に森の中で過ごした時間での出来事。
その時間は、1人ずつ、木や石や水といった自然物を1つ選んで、1時間ほど一緒に過ごしてみるというプログラムでした。私は、周囲を見渡した時にパッと目に飛び込んできた一本の大きな木に惹かれ、その木と共に過ごすことにしました。そして、その1時間の間、木に触れたりボーっと眺めたりしながら、下記のようなことをノートに書き留めていました。
・地面にガッシリと根を張る姿
・いくら押してもビクともしない
・幹の表面に広がるたくさんのシミや傷跡
・太くどこまでも伸びる幹の先に広がる繊細な枝と、きれいな緑
・光や水、土によって生かされている
・自分の力で立っているようで、周囲の力で立っている
・この木の存在によって生まれる光と影
・たくさんあるうちの一本でしかない。でもこの木にしかない確かな存在感がある
これを書いている途中から、その木の存在に自分を重ね合わせていることに気付きました。そして、森から帰ってきた後、自分自身のリーダシップについていくつかのエッセンスが浮かび上がってきました。
①ブレることなくそこに立ち続けることを大事にしたい。
➁大きな志をもって、自身の存在をもって、行く道を示し続けていく。
③周囲にいる1つ1つの存在を、心から精一杯受け止め、支えていく。
④でも自分だけでは支えられない。自分以外の誰かが他の誰かを支えていけるように。
①については、木に触れながら直感的に自分のあり方との重なりを感じました。
④についても、森においては1本の木でしかないのと同じように、自分も1人の存在でしかない。であれば、活動するフィールドにいる仲間同士が、影響し合い支え合うことに頼るほかありません。
➁と③が悩ましい。それぞれを別個に見れば、どちらも大事なことのような気がします。ただ、➁はどちらかといえば「示し導く」というエッセンス。③は「支え仕える」というエッセンス。だとすると、両者を併せ持つことはかなりの胆力を要することのように感じてしまいます。
自分なりのリーダーシップはどちらかに触れていく方がいいのか。あるいは、一見矛盾しそうなエッセンスを自分なりに融合させていくのか。
合宿からの帰宅後に、1年以上積読状態だった『サーバントリーダーシップ』という書籍を開き始める中で、現時点での暫定解は後者が近いと思っていますが、いずれにしても茨の道になりそうです。
一歩ずつ、を大事に
今日は、自身のリーダーシップにまつわる悩みについて書いてみました。
結論としては、組織の代表になるって大変だわ、という感じでしょうか。笑
でもまぁ、子どもが生まれて急に立派な親になれないように、代表という肩書がついたからといって急に立派な代表になれるわけではないとも思うので、これからの一歩ずつの積み重ねを大事にしていきたいと思います。
それでは、また次の31日にお会いしましょう。