サイの日のお便り Vol.20

 
 

こんにちは、PIECES代表の斎(さい)です。

忙しい日々の中で、このお便りを開いていただきありがとうございます。

明日から新年度、新生活が始まるという方も多いかと思いますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。我が家もこの4月から上の子が小学生となり、その生活の変化を前にソワソワ、フワフワした気持ちで年度末を過ごしています。

さて、31日(サイの日)にのみお届けするこのお便り。

今回は、PIECESの組織に起きている「変化」に焦点を当ててみたいと思います。

PIECESも3月が期末なのですが、今期を振り返ると、例年以上に様々な場面で変化や変容を感じることの多い1年でした。多くのことはまだその最中にあるので、どのような未来につながっていくのかは分かりません。そういった意味ではあくまで途中経過ではありますが、その変化の一端を綴ってみようと思います。

代表継承のその後

前代表のいぶきさんから斎へと代表のバトン継承が行われたのが、2024年7月。その後、9月に公的な手続きを完了してから、あっという間に約半年が経ちました。

100人以上の関係者・サポーターの皆さんの前で、しっかりとバトンを継承することができたのは、間違いなく今期のハイライトの1つと言えます。きっと何年か、何十年か先にPIECESの歴史を振り返ったときにも、大切な一場面として思い起こされるはずです。

ただ、代表が代わったというのは、プロセスの一部にしかすぎません。一つの節目ではあったし、そこに至るまでの様々な困難や葛藤を思えば、当時はそれなりに乗り越えた感もありました。

一方で、代表継承に伴う喪失や終わり、混沌や新たな変化を受け止めていくことはまた別物。特に、長く働くメンバーにとっていぶきさんのパワーを失うこと、あるいは、日々目の前で小さな判断や決定を迫られる中で、変化の出口がハッキリと見えていないことなどは、多くのメンバーに不安や迷い、ストレスなどをもたらしていたように思います。

そんなこともあり、昨年の秋以降、改めて自分たちは何を大切にしたいのか、自分たちが存在する理由は何か、物事をどんな風に決めていきたいのか、といった組織の根幹を形成する問いについて対話を重ねてきました。

正直なところ、このような組織作りのための対話にたくさんの時間を費やすことには葛藤もありました。代表継承までの約2年間、経営的な判断で事業活動の発展よりも、経営メンバーの内省と休息を優先させてきた背景があります。その上で、ここでまた組織の根幹づくりにエネルギーを費やしていいものなのか。中長期的に見て、合理的な判断と言えるだろうか。そんな声が脳裏をかすめながらの決断でした。

変化の兆し

昨年10月から対話のプロセスを開始し、外部のサポーターにも入ってもらっての時間が約3か月。年明けからは、内部でのコミュニケーションに切り替え今に至りますが、結果として6か月前と今とではハッキリと見える景色が変わってきたといえます。

一つには、自分たちの拠り所となる「言葉」が見つかったことが挙げられます。特に、「自分たちはなぜ存在し、何を大切にして、社会に何を届けるのか」を一文にまで落とし込む中で生まれた、「一人ひとりの“Being”の尊重」という言葉。これだけ見てもなかなか伝わり切らないと思いますが、対社会においても、組織の中においても、自分に対してもつながるこの言葉は、これからのPIECESにとっての北極星のような存在になっていくはずです。

そして、この言葉自体が持つインパクトと同じくらい大事なことは、この言葉が生まれたプロセスにあります。というより、「変化」という意味においては、このプロセスにこそ従来のPIECESからの変化の兆しを感じています。

というのも、この言葉づくりのプロセスでは、様々なワークや対話を通して、メンバー一人ひとりが自身の願いや想い、価値観を表出していきました。まさに一人ひとりの“Being”を受け取り合い、響き合い、溶け合っていく、そんなプロセスでした。最後も、代表の私ではなく、他のメンバーが出してくれた言葉が一人ひとりと繋がって、みんなの意志となって現れたような感覚でした。

このプロセスで感じたのは、一人ひとりが同じように力を持った存在であるということ。そして、その力を純粋に信じ合い、発揮される環境を作ることこそが、これからのPIECESにとっては大事だということです。

もちろん、肩書や関わり方、役割はそれぞれ異なります。よりエネルギーの源泉に近い人もいれば、そこに後から集まってきた人もいます。それでも、それぞれにPIECESに関わる理由があり、湧き起こる想いを持った存在なんだと。

ともすると、これまではいぶきさんという象徴的な存在がいて、そこから生まれる力が大きかったからこそ、一人ひとりが持っている力が見えにくくなっていた。

だけど、見えにくく、顕在化されにくい環境や仕組みになっていただけで、それを整えることができれば、今までよりも遥かに大きなエネルギーが生まれる可能性を秘めている。

半年前にはぼんやりと思い描いていたことが、今はハッキリとそう思えるようになったことが個人的には大きな景色の変化ですし、きっと他のメンバーの中にもその感覚は広がってきているように感じています。

冒頭にも書いた通り、この変化がどのような未来につながっていくのかは分かりません。ですが、今はこの変化の先に広がる未来に、根拠のない希望を感じています。

(ちなみに今回、手放す経営ラボラトリーが開発した『DXO』という仕組みとプログラムを導入しながら10月からの対話と仕組みづくりを進めてきました。これが結果として今のPIECESにはフィットし、変化のプロセスを強力に推し進めてくれたと感じています。この場を借りて、導入のサポートを頂いた啓太さん、安世さん、まりさん、和田ちゃん、ありがとうございました!!DXO導入の一部始終は、先日公開したこちらの記事でもご覧いただけます)

2025年度、そして設立10年に向けて…

ということで、今回は気力と紙幅の関係で書ききれなかったトピックも含め、事業・組織両面において変化・変容しながら、新生PIECESは動き出しています。

明日から始まる2025年度。

全社的に大きなテーマとなるのが、他団体や機関等との「協力・共創の推進」です。

上記の「変化」というテーマとも関連しますが、今期様々な協働的なプロジェクトに取組めたことで、事業の展開方法に新たな可能性を感じています。

これまではどちらかというと、PIECESが単独で行う事業がほとんどでしたが、他の団体や機関、企業等との協力や共創によって、より豊かなエネルギーや影響の広がりが生まれ始めています。

具体的なイメージなどは、また次回あたりにお伝えしたいと思っていますが、日々の発信などからビビッと来るものがあり、何かご一緒できそうなことがあれば、是非遠慮なくお声がけいただけたら嬉しいです。

そして、翌年の2026年には、設立10周年を迎えます。その意味では、今年はこの10年で成してきたことを振り返りつつ、次なる10年を見据えていく1年にもなりそうです。

個人的には、少し疎遠になってしまった皆さんと出会い直す1年にもできればと思っているので、何かお会いできる機会などがあれば、こちらもお声がけいただけたら嬉しいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

また次の31日にお会いしましょう。