PIECESでは2019年より、子どもや若者の孤立に関する政策提言を行っています。
2021年度は孤独・孤立対策、子どものwellbeingに関する政策提言及び、子ども庁(現子ども家庭庁)設置に向け、子どもの心のケア(トラウマインフォームドケア)、そして子どもの権利を保障する政策の必要性について、代表の小澤いぶきが提案し、ヒアリングを受けてきました。今回はそういった政策提言に関する活動について、ご報告します。
①孤独・孤立対策について
2021年5月、孤独・孤立対策に関する連絡調整会議に向けて、孤独・孤立の定義に関する提案、考え、実態調査の必要性とその際の重要な観点についてヒアリングを受け、提案を行いました。
②子ども庁(現子ども家庭庁)について
2021年11月、子ども庁(現子ども家庭庁)設置に向けてヒアリングを受けました。見落とされがちな「子どもの心」のケアや心の傷の予防・ケアのできる地域のエコシステム構築の必要性について提案しました。これは虐待予防等、子どもたちの心に影響することの予防やケアを行う体制を整えることにもつながります。
また、「子どもの権利」を保障するための「子ども基本法」の必要性についても、提案・要望を行ったほか、新公益連盟を通して、「子ども基本法の策定」「孤独・孤立対策」において、まだ対策に入っていない外国人や性的マイノリティ等の包摂に関する明記について、与党の予算・税制改正に関するNPO/NGOへのヒアリングについても要望しました。
誰もがその存在を尊重され、安全に生きていくことが当たり前になるプロセスの中で、制度によってその権利が保証されているかどうかということが、一つ大事な道のりとなることがあります。制度で自分の安全が保障されていないことが、その人の尊厳に関わっていることがあります。
まだ自分たちが出会っていない、さまざまな環境にいる方々も同じ地域で生きていること、この時代を共にしていること、その全ての人にとっての政策があるわけではないことを忘れずに、その方々の願いと私たちの市民性に根ざしたwellbeingという願いの重なりが、この先にバトンとして渡っていくような「市民性に根ざした政策」をこれからも考え、問い直し、提案していきたいと考えています。
制度をつくっていくのも、活用していくのも私たち市民一人一人です。一人一人の眼差しや関わりで、日常にその人が存在して大丈夫だと感じられるかどうかの文化は私たちが醸成しています。
市民性に根ざした制度を考えながら、市民性に根ざした日常を、これからも共に作っていきます。
認定NPO法人PIECES 小澤いぶき