1ヶ月半に渡り行ってきた「#問いを贈ろう」キャンペーンは10月1日に終わります。
私たちからの問いへお返事をくださったり、問いを誰かに共有してくださったり、たくさんの方々とこの1ヶ月半を共にすることができました。本当にありがとうございます。
誰かの排除や痛みの上に成り立つ社会ではなく、この世界を共にしている異なる存在のそれぞれが大切にされ、誰もが尊厳ある一人の人として大切にされていくような、そんな世界はどう育まれていくのか。
私たちの変わらぬ願いから、このキャンペーンは始まりました。
誰もが尊厳ある一人の人として大切にされている世界は、共に生きているさまざまな人たちがいることを優しく想像することからはじまる、キャンペーンにはそんな思いを込めました。
「問いを受け取ったよ」「こんなことを感じたよ」「何度考えても、まだ言葉にならない。難しいなぁ」
問いを共有し、そこで生まれたお返事に、また誰かが応答するという優しい間の広がりに触れて、初めて出会う人たちのこと、お返事の先にいる人のこと、さまざまな瞬間を共にする世界にいる人たちのことを想像し、私自身の心にも優しいスペースが広がっていきました。皆さんは問いを通してどんな間を体験したでしょうか?
「問い」を通じて立ち止まり、この世界を共にしている自分や他者、世界に想いを寄せることは、共に生きる人を優しく想像することでもあります。
子どもが手にするおもちゃ、目にする情報、すれ違う人からのまなざし、暮らす街の文化、かけられる声。
ニュースで知った戦禍から逃れてきた子どもが、自分の街にも暮らしているかもしれない。
自分の使っているものは、あの国のあの地域の人がつくっているかもしれない。
私たちの暮らしを見つめると、そこにはすでに多様な世界があります。
問いを通して、すでにある多様な世界に目を向け、その世界を感じ、受け取り、働きかけていくことの先に、誰もが大切にされる、子どもが子どもでいられる、自分が自分でいられる世界があると私たちは信じています。
だから、この取り組みを通して、願う社会を皆さんと一緒に広げる営みを続けていきたいと考えています。
社会に起こることを、一つの絶対的な正解でなんとかできることは多くはないかもしれません。
でも、問いを生み出した日々の暮らしを共有し、問いを通して生まれた願いをお互いに手渡し関わりながら、誰もが大切にされる社会とはどんな社会かを問い続け、変化する社会に一人一人の手元から共に働きかけていくことが、この社会を自分にとっても、子どもにとっても生き心地の良い社会に少しずつ少しずつ広げていくのだと思います。
誰かの排除や痛みの上に成り立つ社会ではなく、この世界を共にしている異なる存在のそれぞれが大切にされ、誰もが尊厳ある一人の人として大切にされていくような、そんな世界はどう育まれていくのか。
問いを贈ろうキャンペーンは終わりますが、問いを贈り合い、応答しあう営みは、市民性の大事なエッセンスとして続いていきます。これからもぜひ、その広がりを一緒に育んでいただけたら嬉しいです。
改めてこの1ヶ月半を一緒に育み、耕し、広げてくださりありがとうございました。
認定NPO法人PIECES 代表理事
▼PIECESからお贈りした、20の「問い」はこちらからご覧いただけます。
https://toi-pieces.tokyo/