子ども支援のこれからのカタチ~第4回PIECES公開講座&CYWゼミレポート~

こんにちは!
コミュニティユースワーカー4期生の江澤、上野です。

10月21日、月に一度の公開講座とゼミが開催されました。

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第4回目となる今回のテーマは、【子ども支援のこれからのカタチ】

講師は、文京区社会福祉協議会に所属されている浦田愛さんです。

みなさんは「社会福祉協議会」と聞いて、どのようなお仕事を想像しますか?

社会福祉協議会は、
住んでいる人たちだけでは解決できないような課題=地域のニーズと、専門的なノウハウがある団体とをつなぐ役割を担っています。

全国にある社会福祉協議会ですが、地域のニーズに基づいた活動をしているため、自治体によってその活動内容は大きく異なるそうです。

6年前、社会福祉協議会の「地域福祉コーディネーター」に配属された浦田さん。窓口を設け困っている人の来訪を待っていても、支援が必要な人とつながることが難しいと気づき、自ら課題を探しに地域へ出向いて解決に向けた支援をするようになりました。

未成年からご高齢の方までの幅広い年代の方、また、障害やひとり親家庭、生活困窮、外国籍の方など様々なニーズに対して尽力されている浦田さんですが、「もっと早くに気づけば…」と悔しくなる現場もあったそうです。


ふいなきっかけで困難な状況に陥ってしまう人々と接する中で、複合している課題をひも解くために「今1番解決すべきことは何だろう?」ということを考えるようになったそう。一人ひとりの相手に合わせた柔軟な支援をしていることがとても印象的でした。

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そのような、「1人のニーズ」や「1人の願い」を大切にしてできた居場所が文京区にはたくさんあります。

そのひとつである「こまじいのうち」

5年前にオープンしたこちらの居場所ですが、参加者数は1か月に300人~400人。
利用者分布を見てみると、老若男女問わず幅広い方々に利用されていることが分かりました。
住民主体の活動で、地域の人材や孤立した人たちがつながる場である「こまじいのうち」、
来訪者のニーズに合わせてさらに新しい活動が始まり、今では子ども食堂や子育てサークル等も行っているそうです。

そのようなお話に対し会場からは、こんな質問がありました。

  • どれくらい経ってから人が来るようになったの?

  • 住民の方へのフォローってどうしているの?

  • 長期的に関わるって難しいけど、どうしたらできるの?

今でこそ年間5000人ほどの方が利用しているこまじいのうちですが、活動場所が一軒家のため入りづらい雰囲気もあり、やはり最初はなかなか人が来なかったようです。

しかしオープンから半年、人がたくさん来るようになりました。
その陰にあるのは、年2回のバザーの存在。
イベントで一度訪れることで入りやすくなり、来訪者が増えていったそうです。


また、住民主体の活動ということで気になるのはそのフォロー。

住民の方も不安がたくさんありますが、安心してもらえるよう、話を聞いたり支えたりと、丁寧に関わっているそうです。住民の方々のもつパワーが発揮されるために、安心して活動できる環境を大切にされていることが分かりました。


私は今回の講座を受け、住民の方をはじめとする非専門職だからこそできる関わりがたくさんあることを学びました。 専門職・非専門職それぞれに得意なことも苦手なこともありますが、浦田さんのような地域福祉コーディネーターの方が色々な人たちのアイデアをかき集める役割を担っており、多くの資源を活用した支援につながっているそうです。

一緒に笑う関係から本音を話せる関係へ、ということで「笑い」を大切にされている浦田さんの笑顔は、参加者の私たちにも安心感を与えてくれる素敵な笑顔でした。

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講義後はCYW4期生のゼミを行いました。


今回のゼミ前のアイスブレイクは他己紹介でした!
他己紹介とは、相手の話をヒアリングしてそれを要約して他の人にその相手を紹介するものです。


4期のメンバーは相手の話を引き出したり、他人に伝わるようにどう表現したらよいか考えながら和気あいあいと取り組んでくれました。

他の人の魅力を紹介する他己紹介はCYWとして様々な子どもを他の大人につなぐときにも役立てそうでした!

ゼミでは毎回行うリフレクション(前回レポート参照)に加えて集団支援でのコミュニケーションについて悩みの共有とワークを行いました。

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集団支援とは、一対一で子どもとかかわる支援ではなく児童館や学習支援等の子どもの居場所において複数人の子どもと同時にかかわる支援をここではいいます。

多くの子どもとかかわれる反面、個々の子どもと深くかかわれなかったり、うまく子どもと接点を掴めなかったりします。

CYWは、集団支援から現場実践を開始し、その後個別支援を始めていきます。

集団支援として、主に現場実践を行う場として、ジャンプ東池袋とクリエイティブガレージの二つがあります。

二つの現場に行ったことあるメンバーから下記のような悩みがでました。

  • 子どもが友達同士で来ているので、割って入りにくい

  • ゲーム・本に夢中な子に話しかけにくい

  • 子どもの事前情報わからない

  • 他の子どもの眼があるから深い話ができない


それに対して4期メンバーやメンターより様々なアドバイスをいただきました。

  • 友達同士できている子たちには、話しかけそうな子からアプローチする

  • 話しかけにくてもその場でほほ笑んで存在をアピールする

  • 「コンビニ行こう!」などと言って場所を変える


次に子どもの話の琴線に触れるワークを行いました。

子ども役とCYW役に分かれて、子どもと雑談を行うロールプレイを行い、CYW役は子どもの反応や話すトーンを見て会話から子どもの情報収集しました。

CYW役がうまく話を引き出せていると思っていても、子ども役側が詰問されていると感じたり、子ども役側がトーンなど微妙に上げているものを見逃さない鋭いメンバーもいました。

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琴線には、いい意味と悪い意味があります。いかに相手の触れてほしい話に触れ、触れてほしくないところを避けるか、難しいと感じました。

集団であっても個別であっても目の前の子どもへ興味を持つこと、安心してほしいというメッセージを発することは大事だと感じました。

今後は、今日の学びを生かして集団支援の場で、関係をつくるきっかけづくりなど行っていきたいです。


次回、来月の公開講座は、11月18日(日)10時~12時 の開催です。
11月のテーマは、「子ども期の"生きづらさ”に心を寄せる」。
来月も多くの方々と一緒に学びを深められることを楽しみにしています!
https://pieces-seminar1811.peatix.com/