イベントレポート|190423開催『誰も知らない家族の話』

誰も知らない家族の話

〜自分の「家族」について、誰かの「家族」について、一緒に考えてみませんか?〜

2019年4月23日イベントレポート

こんにちは。PIECESインターンの濵口です。今回は4月23日に開催された「誰も知らない家族の話 〜自分の「家族」について、誰かの「家族」について、一緒に考えてみませんか?〜」のイベントレポートをお届けします。

グラフィックレポート:PIECESインターン 濱口 芽生

グラフィックレポート:PIECESインターン 濱口 芽生


イベント告知当初から多くの方々からお申し込みを頂き、平日の夜の開催にも関わらず、オンラインも含めると50名を超える方々にご参加いただきました!ありがとうございます。

それぞれが想いを持って参加くださり、真剣な眼差しでメモを取りながら、それぞれの観点を共有してくださる深い会となりました。


<登壇者紹介>

・NPO法人 親子の未来を支える会 代表 林伸彦さん

・NPO法人 親子の未来を支える会 代表 林伸彦さん

まずは、親子の未来を支える会の林さんのお話です。

林さんが代表理事を務めるNPO法人親子の未来を支える会は「-1才の命」と向き合い、「生まれる前からの支援」の大切さを伝えていく活動を行っています。

「もしもお腹の赤ちゃんに障がいや、病気が見つかったらと想像してみてください」と林さんは言います。

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「生まれる前から、人生は始まっているんです」

おなかの赤ちゃんの障がいや病気が見つかるときは「普段の定期健診」ということがとても多いそうです。
突然告げられた妊婦さんの気持ちは、「家族にどのように伝えるか」「無事に産むことが出来るのか」「産んだあとのサポートはあるのか」などの様々な不安があります。

「日本には、生まれる前の赤ちゃんに異常が見つかった時に特化して相談できる機関がないため、妊婦さんは自身の不安や葛藤に向き合いながら、数日から数週間という限られた時間で、自ら情報を探し、決断をしなければなりません。」と林さん。

「周りでサポートする人への適切な情報も行き渡っていません。そのため、『大変そう』というイメージだけで産むことに反対してしまう人もいます。」

そこで親子の未来を支える会では、おなかの子に病気があった時に、同じような子どもを育てている他の家族や、患者本人と出会えることを目的とした、ピアサポートサービス「ゆりかご」を2016年に開始しました。

また、胎児診断を受けた方やサポートする方にむけたブックレット作成や、電話・LINE相談窓口の開設、医療者向け講習会の開設を目標として、「胎児ホットライン」設立を目指しています。
(クラウドファンディングで資金調達していた、胎児ホットライン設立プロジェクトは2019年5月15日(水)成立されました。おめでとうございます!)

生まれる前のからの支援は「予防・ピアサポート・胎児治療・福祉連携」など様々です。
まずは「知る」ということから始めること。

支えられる人も支える人も、安心して妊娠、子育てができる社会を目指し、活動に取り組まれてます。

1人ひとりが安心して子育てができる環境づくりを行うことは本当に大切なことだと感じることができました。


・認定NPO法人PIECES代表 小澤いぶき

・認定NPO法人PIECES代表 小澤いぶき

「皆さんの周りに、困った時に頼れる存在はいますか?」


PIECESは、子どもたちが孤立せずに安心して頼れる市民の優しい繋がりを社会に増やしていくために、日々活動に取り組んでいます。

「人に頼ることも、将来を望むことも、すごいエネルギーを必要としているんです」と小澤は話します。

実は人に頼るというのは極めて主体的な行為です。「人に頼る」という行動には3つの壁があると考えています。

それは、まず「自分で自分の課題を認識できること」次に「その課題を訴えかけられる人が近くに思い浮かべられること」、そして「実際にその人に訴えかけに行けること」です。

子どもたちが社会から排除されている状態でこの3つを超えていくことは1人だけではとても難しいことです。同時に子どもたちが周りに「頼ること」ができる環境、社会づくりや、子どもが育つ社会が優しさに溢れた社会であることは、本当に大切なことです。


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「優しい繋がりが生まれる社会をつくりたい」

私たちPIECESでは、人と人の「間」の関係性を作っていきたいと考え活動をしています。

「社会を信頼できなくなる明日より、優しい関係が人の想像力から生まれる未来を作りたい。」
「人と人の間に優しさが生まれる生態系をつくりたい」これらの思いから子どもと寄り添う優しい大人育成プログラムの全国展開を目指しています。


クロストーク

それぞれの活動についてのお話の後、和やかな雰囲気の中、林さんと小澤さんのクロストークが行われました。

和やかな雰囲気で始まるクロストーク

和やかな雰囲気で始まるクロストーク

「おなかの赤ちゃんに病気や障がいがあるかもしれないと診断されたとき、自分が想像していた未来の形が急に変わることになる」と林さん。

そこから産む、産まないの選択などをしていかなくてはならない。

どの選択をしても納得できる答えはでないかもしれない。けれど多様な選択肢が尊重される社会、迷って向き合って出した答えが尊重される社会にしていきたいとお話をされました。

また、親子の未来を支える会の水戸川さんや、PIECESの斎からの子育てのお話もありました。

親子の未来を支える会の水戸川さん

親子の未来を支える会の水戸川さん

妊娠中や子育ては、周りの環境が変わる時期で、心も不安になったりすることが多いです。

その中で自分が良かれと思って言ったことが相手を傷つけてしまったり、すれ違ってしまったりすることがありました。

しかし、考え続けること、向き合い話し合うことが大切であると感じています。

「そして、決断をした後でも、その考えは変わって良い、迷っていいんです。どれだけ話し合い、向き合えたかが大切になってくるんです。」と話されました。

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「家族」については公に話すことが少なく、また「孤立している子どもたち」についても、どこか「他人事」「自分には関係ない」と思ってしまうかもしれません。

1人ひとりが「自分ごと」として考えること、常に関心を持ち、自分に出来ることは何かあるだろうかと考え続けることが大切であると今回のイベントを通じて、改めて感じました。

それぞれの活動が重なり合い、優しさの溢れる社会をひろげていければと思います。


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