PIECESは2024年度、日本財団の助成を受け「子どもの権利に根ざした情報発信ガイドラインに向けた調査」プロジェクトを実施しました。
インタビューを通じて、メディアに関する子どもの声を聴くことで、メディアのあり方を子どもの権利とウェルビーイングの観点から捉え直し、これからのメディアのあり方を見つめ直すことを目的としたプロジェクトです。PIECESのファウンダーである小澤いぶきが立ち上げた一般社団法人Everybeingとともに実施しています。
プロジェクトでは、メディアと子どもの権利およびウェルビーイングに関する海外文献を調査したほか、実際に日本に暮らす子どもたちがメディアについてどのように感じているのかを聴くインタビューを実施しました。
今回は子どものみなさんが聴かせてくれた大切な声をレポートにまとめましたので、ぜひご覧ください。
《レポート概要》
タイトル:メディアと暮らすわたしたちの声 -子どもたちに聞いたメディアのかたち-
発行年:2025年3月1日
発行元:NPO法人PIECES
協力:一般社団法人Everybeing
内容:65人(小学校2年生~高校3年生/全国)の子どもたちへのインタビューを通じて聴こえてきた声を掲載
日本財団による助成ご協力に、心より感謝いたします。
インタビュー調査の実施背景と目的
子どものメンタルヘルスとウェルビーイングには、子どもの暮らしに関わる様々な環境が影響しています。SNSや、広告、テレビや雑誌など暮らしの中に広がる多様なメディア環境も、その一つです。
近年、特にデジタル環境を中心としたメディア環境の子どもへの影響が示唆され、OECDでは2021年5月に「デジタル環境における子どもに関する理事会勧告」が採択され、各国においてもデジタル環境の見直しが行われています。
子どもたちにとって、デジタル環境は日常の一部でもあり、アクセスの多様化の保証の一端を担う可能性がある一方で、子どものウェルビーイングを阻害する可能性もあります。
こういった背景から、子どもたちにとってどのようなメディアのあり方がウェルビーイングに寄与するのか、子どもの権利に根差しているのかを考え、社会へ実装していくことが急務であると考えています。
今後の取り組み
今回できるだけ様々な地域、環境に暮らす子どもたちを対象にインタビューを実施しましたが、乳幼児などを含め、まだまだ聴けていない声もたくさんあります。特に低年齢の子どもは、現実とメディアの情報が混沌と入り混ざることもあり、気づかぬ影響を受けやすくもあります。
今回の調査をもとに、2025年度は一般社団法人Everybeingを中心に、より多くの子どもたちの声を聴く大規模調査、子どもの権利に根差したメディアの事例づくりや勉強会などを実施していく予定です。最終的には、子どもの権利に根ざした情報発信ガイドラインの作成を行い、子どもの権利の普及及び子どもの権利に資する報道や情報発信を促すことを目指しています。