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PIECES発信ポリシー 〜私たちが大切にしていること〜

発信ポリシー公開の背景にある願い

私たちが日々使う言葉やグラフィックといったアウトプットは、誰かに影響を及ぼしたり、現状の社会にある構造に影響を与えています。
現在社会状況の変化により、様々な発信を受け取ったり、自分自身が発信したりと、私たちはごく当たり前に多くのアウトプットに触れています。

そのアウトプットが、誰にどう届くのか、誰かの尊厳を傷つけている可能性はないか、不安を過度に煽っていないか、偏見や排除が生まれる社会構造を強化していないか、長期的にどんな影響を及ぼすのか、と立ち止まり見つめること。代わりにどのようなアウトプットがあるのか、それによってどんな可能性があるのかと、様々な声に耳を傾け、受け取っていくこと。そして、そのアウトプットの背景には、自分のどんな感情や願いがあるのかを丁寧に受け取ること。そんなことがとても大切なのではないかと感じています。

まだ出会ったこともない誰かも、隣りにいる大切な人も、自分自身も同じ社会をともにしています。
そんな誰かの傷が深まることを「仕方のないこと」としてしまうのではなく、共に生きる人たちの尊厳が大切にされる明日を願い、今回、私たちの発信ポリシーを記し、共有させていただきたいと考えました。

詳しくは、note PIECES Magazine をご覧ください。
https://note.com/pieces_magazine/n/n3b92c6798273

居場所を失った若年妊婦に「いつでもおいで」と言えるHOMEを|クラウドファンディングスタートしました!

「project HOME」というPIECESの新たな取り組み、そしてそのプロジェクトの認知拡大と資金集めのために3/30から5/29までクラウドファンディングを実施しています。

project HOMEとはどんな取組?

社会の中で孤立し、居場所を持たない若年の妊婦さん。彼女たちにとって安心で安全な「HOME」を、本人の声、そしてたくさんの人の力によってつくっていく、それが「project HOME」です。

背景に家族からの虐待やDVがあるケースが多く、本当は多くのサポートが必要としている。にもかかわらず、地域とも行政ともつながりを持ちにくい、そんな孤立した若年の妊婦さんに温かい居場所とつながりを届けよう。それを通してこれから生まれてくるかもしれない新しい命もみんなで守っていこうという想いから生まれた取組です。

project HOMEを協働で運営するNPO法人ピッコラーレとPIECESの集合写真。豊島区千川にこの4月からオープンするproject HOMEの拠点にて

project HOMEを協働で運営するNPO法人ピッコラーレとPIECESの集合写真。豊島区千川にこの4月からオープンするproject HOMEの拠点にて

project HOMEに取組む理由

なぜ、PIECESが「居場所を持たない若年妊婦」に向けた取組を行うのか。

私たちPIECESは市民性を醸成することで、誰もが孤立しない社会をつくることを目指して活動しています。そのために「コミュニティユースワーカー育成プログラム」や「Citizenship for Children」に取組み、プログラムを修了したメンバーがそれぞれの市民性を発揮することによって、多種多様なプロジェクトやアクションが生まれています。

これまでは、小学生~高校生に向けた取組が多く生まれていますが、同時に、子どもが生まれたその瞬間から、優しいつながりや温かいまなざしに溢れた環境を作ることの必要性も感じてきました。そう感じるに至った一つのきっかけとして、コミュニティユースワーカー育成プログラム1期生の塚原萌香さんが立ち上げた「もえかん家」というプロジェクトの存在があります。

10代ママに寄り添ってきた「もえかん家」

塚原萌香さんの名前からとったこの「もえかん家」は、10代で妊娠・出産を経験した人が子育ての相談をしたり高卒認定試験の合格を目指したり、彼女たちの大小様々な「困った」に寄り添ってきた取組です。

複雑な家庭環境の中で育ってきたことなどを背景に、周囲からのサポートを得られにくい環境で妊娠・出産をきっかけに繋がってきた人たち。そんな人たちに、一人の人としてできることはどんなことかを考えながら、専門的な支援とは異なる、共にいることが安心だと思えるような関わりを積み重ねてきた「もえかん家」。そこでの関わりを通して、決して何かが大きく変わるわけではないが、少しずつ自分の力で前に進んでいくママと子どもの姿を通して、市民によるかかわりの新たな、そして大きな可能性に気づくことができました。

project HOMEの始動、そしてPIECESの関わり

冒頭でも触れましたが、この「project HOME」はNPO法人ピッコラーレとの協働プロジェクトです。先ほどの「もえかん家」で関わってきた方のほとんどが、実はピッコラーレの相談窓口を経由して繋がってきているということもあり、約2年ほど前から課題意識を共有しながら、構想を進めてきたプロジェクトでもあります。もちろん、塚原さんも2年間ずっとプロジェクトの立ち上げに一緒に関わってきてくれました。

この間、物件探しなど準備を進めてきて、ようやく豊島区に物件も決まりこの4月から事業を本格的に始められそうなところまで来ました。

資金面に関しても、この取組の重要性を理解いただき、助成金によって最低限の運転資金は無事に確保できました。

ただ、本当に不安定な状況で、インターネットカフェやネットで知り合った人の家を渡り歩いてその日その日をおなかに子ども抱えながら暮らしてる人にとっては、単に場所があるというだけではなく、安全で、安心できる人とのつながりや環境の中で生活を整えていけることが大事だと思っています。

居場所を持たない妊婦さんに、安心して「いつでもおいで」と手を広げて受け入れられる、悩みがあったらいつでも立ち寄って相談できる、そんな「HOME」をつくること。

そのために、より良い環境を整えて運営を始めていくための初期費用として、500万円という資金をクラウドファンディングで集めます。

目 標:500万円
期 間:2020年3月30日~5月29日


500万円の使途

・リフォーム代(耐震工事・内装工事のうちピッコラーレ負担分)200万円
・設備費(ベッドやリネン類、食器棚、電化製品など)50万円
・食費(1年分)30万円
・利用者に必要な衣類・衛生用品(下着・マタニティ・ベビー服・おむつなど)20万円
・医療にかかる費用(医療扶助になる前に必要となる費用や妊婦健診補助券で賄えない部分)20万円
・利用者がHOMEを訪れるための交通費 10万円
・セキュリティ委託費 50万円
・当直者などの人件費 50万円


HOMEの運営にあたっては、ピッコラーレとPIECESが中心となり、組織の枠を越えて、お互いの強みを生かしあい、協働を進めていきます。また、若年妊婦の生活全般を支えていくためには、当然二者が協働するだけでできることには限界があるため、他団体や行政、地域の方々の力が不可欠です。

そのため、PIECESは、これまでの取組の経験も活かし、HOMEに関わる専門職メンバーと市民それぞれの市民性の醸成、そして両者が市民性を真ん中に置きながら支えあい学びあう関係性づくりを担っていきます。さらに、地域の他団体や他機関、各種の協議体、行政との間で円滑な連携を取れるようにため、各ステークホルダーとの間で課題感・支援感などを重ねあわせながら、協力し合える関係性を築いていきたいと考えています。

さいごに

まずはみなさんに少しでもこの若年妊娠を取り巻く社会の課題を知っていただくことが必要だと思っています。そして、その課題を知った後、ぜひHOMEを共につくる仲間になってもらいたい。その第一歩として今回のクラウドファンディングの挑戦を是非とも応援いただければと思います。いただいた応援が「project HOME」のスタートを力強く踏み出す大きな支えになります。

どうかご協力をお願いいたします!

Panasonic NPO/NGOサポートファンド for SDGs の助成対象事業に選ばれました

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PIECESが「Panasonic NPO/NGOサポートファンド for SDGs」の助成対象事業に選ばれました。

「Panasonic NPO/NGOサポートファンド for SDGs」は、世界的な社会課題である「貧困の解消」に向けて取り組むNPO/NGOが持続発展的に社会変革に取り組めるよう、その組織基盤強化に助成するパナソニック株式会社さまのファンドです。

日本国内の貧困の解消、または貧困と関連のある問題の解消に向けて取り組むNPOの組織基盤強化を応援する「国内助成」で、新規助成としてPIECESの「組織の成長フェーズの変化に伴う、事業と組織の基盤強化に向けたアクションプラン策定プロジェクト」を採択いただきました。

▼国内助成概要
https://www.panasonic.com/jp/corporate/sustainability/citizenship/pnsf/npo_summary/kokunai_josei.html#selection

▼選考総評
https://www.panasonic.com/jp/corporate/sustainability/citizenship/pnsf/npo_summary/kokunai_josei/result2019/souhyou.html

▼国内助成 2019年募集事業 助成団体概要https://www.panasonic.com/jp/corporate/sustainability/citizenship/pnsf/npo_summary/kokunai_josei/result2019/gaiyou.html


【推薦理由】
PIECESは、設立から5年足らずの団体だが、子どもたちが自分と他者への信頼感と尊厳をもって、孤立することなく生きられる社会の実現を目指し、子どもと社会との接点に働き掛けることを通じて、子どもの周りに信頼できる他者との関係性が育まれるための仕組みづくりに取り組んでいる。

「孤立した子どもたちと関わる市民育成事業」は、子ども支援に関心のある市民を対象に、半年にわたる実践や研修を行い、各人がそれぞれに子どもたちのための新しい取り組みや活動を始めることをゴールとしている。2018年度までは東京都で4期にわたり50人を養成し、2019年度からは全国展開に向けて茨城県でプログラムを開始した。今後は関西や中部地方でも実施を予定している。

一方で、本団体は創業フェーズからスケールフェーズに移行していく中で、理事の変更やメンバーの増員など組織体制が変化している。更にスピード感を持って経営を推進するためには、創業メンバーの暗黙知に基づく経営を改め、中長期計画や事業戦略の策定、意志決定基準の言語化などが求められている。

助成1年目は組織診断を行い、組織の課題と個人の課題の双方を把握する。また、組織で活動する際の行動指針(クレド)を策定し、2年目以降に予定する中長期計画の策定とその運用に関する制度設計のための準備を行う。
孤立している子どもへの支援には、アウトリーチによる支援が重要である。組織診断や組織基盤強化によって、こうした人材の育成が拡がり、本団体がさらに大きく進化することを期待したい。


いただいた機会と期待にお応えできるよう、事業をすすめて参りたいと思います。

2020年もよろしくお願いいたします。

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「子どもたちが孤独の中で生き続け、社会のことを信頼できなくなる明日よりも、人の想像力から生まれる優しいつながりが溢れる社会をつくりたい。」


PIECESはそんな願いを込めて、これからもみなさんと一緒に優しい社会をつくっていくため、市民一人一人の力により、時代を超えて子どもたちの周りにより優しい”間”が生まれ続ける事業を、多様な方々と前に進めていきたいと考えています。
ぜひ、みなさまと一緒にこのチャレンジをさらに進めていけたら嬉しいです。

2019年変化の年から、2020年飛躍の年へ。

改めまして、2020年もどうぞよろしくお願いいたします。
 

PIECES 一同

- Thanks For Piece -2019年もありがとうございました。

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いよいよ今年もあと数日となりましたね。師走のお忙しい時期かとは思いますが、みなさんいかがお過ごしですか?
 
2019年はみなさんにとってどんな一年間だったでしょうか。
PIECESは新しい団体が誕生したり、新たに市民育成のプログラムの全国展開を始めたりと激動の一年間とも言えるものでした。

ひとりひとり異なる正しさや価値観、文化を持つ私たちが共に在れるような、優しさが循環していく寛容な社会をつくりたい。今を生きる子どもたちの声を聴き、共に描き、つくっていきたい。そんな願いから、東京都で行ってきたプログラムを、全国へ展開すべくまずは水戸地域、セカンドリーグ茨城さんや地域の方々と協働しプロジェクトを進めて来ました。

新たに団体が独立したり、プロジェクトが大きく展開したりと変化の大きな一年でした。
それでもPIECESに願いを託して寄付などで応援してくださったみなさんがいたおかげで、歩み続けることのできました。

「子どもたちが孤独の中で生き続け、社会のことを信頼できなくなる明日よりも、人の想像力から生まれる優しいつながりが溢れる社会をつくりたい。」


PIECESはそんな願いを込めて、これからもみなさんと一緒に優しい社会をつくっていきたいと思っています。

一年間、本当にありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
 

PIECES CEO / Founder 小澤いぶき


「寄付納め」しませんか?

一年の締めくくりに、「寄付納め」をしませんか?

子どもやその家族の周りに優しさを広げる情報発信や、市民育成プログラムを実施していく活動は、マンスリーサポーターのみなさまからの、毎月のご寄付で支えていただいています。

全国の子どもと家族の周りに「頼りあえる関係性」がはぐくまれる社会を、一緒につくりませんか?


▶︎マンスリーサポーター(月額寄付会員)のご登録は下記リンクからお手続きいただけます。
https://www.pieces.tokyo/donation

寄付の方法をいろいろご用意しておりますので、ぜひ、ご検討ください。

【マンスリーサポーターの方々へ大切なお知らせ】再登録手続きのお願い

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マンスリーサポーターのみなさま

いつもマンスリーサポーターとして毎月のご寄付で私たちの活動を支えていただき、ありがとうございます。雨が降るたびに朝晩の冷え込みが増してきましたが、いかがお過ごしでしょうか?

今年度は、みなさまの月々のご寄付を支えに、茨城県水戸市で育成プログラムを12名の参加者のみなさんとスタートし、全国展開の第一歩を踏み出すことができました。継続的なご支援に心から感謝申し上げます。
来年度は、さらに活動を広げるため、より多くの方にマンスリーサポーターにご登録いただくことを目指しています。そこで、サポーターのみなさまの情報を安全・丁寧に管理し、事務局運営を効率化するため、誠に勝手ではありますが、寄付の決済システムを変更することといたしました。

お忙しい時期に大変恐縮ですが、システム切り替えに伴う、マンスリーサポーター再登録手続きにご協力をお願いいたします。


●マンスリーサポーター再登録手続きのお願い●

再登録手続きは3分ほどで完了いたします。
基本的には、12月中に、新しいシステムへの登録をお願いいたします。

※登録いただきましたら、登録月の決済が重複する場合、決済の取り消しの手続きを弊団体で行います。

<再登録手続きステップ>

  1. 寄付手続きページ https://www.pieces.tokyo/donation
    マンスリーサポーター(月額寄付)登録」 ボタンをクリックする。

  2. 新しい決済システム(Robotpayment)で「ご支援者情報」を入力する。

  3. 旧決済システム解約のため、申し込み者情報の備考欄に「アナザーレーンの解約希望」と忘れずに記入ください。

  4. 上記手続きをもって、再登録手続きが完了いたします。
    ※現在ご登録いただいているマンスリーサポーターの情報はPIECES事務局が削除いたします(今後は、新たにご登録いただいた日付が毎月の決裁日となります)。

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<再登録に自信がない、手続が不明な方へ(お問い合わせ先)>

移行手続きにお困りの際は、お電話でご相談を承ります。
ご希望の時間帯と連絡のつくお電話番号を メール:info[@]pieces.tokyo にてお知らせください。
PIECESのメンバーからお電話させていただきます。

■メールでのお問い合わせ
info[@]pieces.tokyoまでご連絡ください。

マンスリーサポーターの皆さまには、この度のシステム変更にともない再登録というお手間をおかけしてしまい、誠に申し訳ございません。
日ごろのご支援、そして今回のご協力にお応えできるよう、お預かりした情報をより安全・丁寧に管理していくと共に、事務局運営を効率化することでPIECESとしての活動により力を入れてまいります。

すべての子どもたちの尊厳が尊重され、安心して暮らせる子どもたちが1人、2人と増えていく。
そのような嬉しい成果を皆さまにご報告できるよう、スタッフ・メンバー一同、全力で歩んでまいります。

「FITチャリティラン」でPIECESが寄付先に選ばれました!

2020年1月19日(日)に開催される「FITチャリティラン」でPIECESが寄付先に選ばれました!

FITは、「FInancial Industry in Tokyo」とあるように金融系の企業のスポンサーやサポートで成り立ってるチャリティの取組です。
http://fitforcharity.org/ja/index.html

企業単位の協賛やランナー参加、個人でのボランティアを募集されていますので、ご関心のある方はぜひご応募ください。
http://fitforcharity.org/ja/2019/how-to-get-involved.html


FITチャリティ・ラン2019

日時 (予定):2020 年1 月19 日(日)9:30 – 13:00

場所:聖徳記念絵画館および明治神宮外苑周辺周回コース(東京都新宿区)

種目(予定)
10 キロ・ラン (コース5 周)
5 キロ・ラン (コース3 周)
1 キロ・ウォーク(コース1 周)
企業対抗リレー(200mx4名) ※スポンサー企業さまのみ

対象
金融サービスおよび関連事業を展開する企業の社員とその家族・知人。
参加者は企業単位で参加登録をお願いいたします。

クラウドファンディング 269名からのご支援ありがとうございました!

4月から始まった、あらたなPIECESの挑戦。
269名のみなさまに支えられ、総支援額 2,621,143円にて終了いたしました!

今回のクラウドファンディングでは、集まった金額ももちろんのこと、
269名という多くの方々からご支援いただけたことがありがたく、PIECESメンバー一同、心から感謝しております。本当にありがとうございます。

育成プログラム全国展開の一歩目としての150万円、そしてラーニングコミュニティ創出に向けたネクストゴールの250万円を目指し、この2ヶ月進めてこれたのは、みなさまからのあたたかいご支援・応援があってこそでした。

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「子どもの孤立」に関心を寄せている方・何かアクションがしたいと思っている方がたくさんいること。
PIECESの活動が多くの方に支えられ、そしてそのひろがりに期待していただいていること。

ここまで一緒に伴走し、想いを優しく広げてくださった方々。
寄付で関わってくださる方々。言葉を届けてくださった方々。
そっと見守ってくださった方々。そしてPIECESのコミュニティユースワーカー、プロボノの方々、メンバー。

このクラウドファンディングを通してじわりじわり、しっかりと感じ、受け取ることができました。
たくさんの方々と子どもの周りに優しい間を紡ぎ広げていける可能性がとても嬉しいです。

これまで東京でつくってきた育成プログラム。
これを各地域の方々とともに、プログラムを通して優しい間が子どもの日常に生まれていく広がりを紡いでいく。
そして、各地の方々がラーニングコミュニティを通し、地域を超え、エンパワメントしあい、学びあい続けていく。

子どもと寄り添う優しい大人を育成するプログラムを全国に広げ、
地域を超えた学びとつながりを生む「ラーニングコミュニティ」の創出に向け

その立ち上げを各地域の方々と、子どもたちを主体としながら、関わってくださるみなさまの想いとともにつくっていきます。

***

各地域での展開や共創パートナーのご紹介、取材の紹介などは下記お問い合わせフォームからご連絡ください。
https://www.pieces.tokyo/forms

PIECESでは、月1000円からの寄付会員(マンスリーサポーター)も募集しています!
https://www.pieces.tokyo/donation

***

ここからまたどうぞよろしくお願いいたします。

イベントレポート|190417開催『未来をつくる』お金の使い方(前編)

『未来をつくる』お金の使い方

〜寄付の仕組みをつくる人・寄付を活かす人・寄付をする人、3つの立場から考えるお金の話〜

トークイベントを開催いたしました。

こんにちは。PIECESボランティアの中原です。今回は、4月17日(水)にfreee株式会社様の会議スペースをお借りして開催されたイベント「『未来をつくる』お金の使い方〜寄付の仕組みをつくる人・寄付を活かす人・寄付をする人、3つの立場から考えるお金の話」のレポートをお届けします。

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週の中日の夜でお忙しい中にも関わらず、皆様から多くの参加申込をいただき、当初想定定員50人を拡大し、有難いことに定員上限いっぱいの65名の方々からお申込をいただきました。そんなイベントのお話の中身を以下簡単にではありますが、お伝えしたいと思います。

まずは、登壇者の3名に「寄付」についてそれぞれの関わり方や想いをお話しいただきました。


◆寄付の仕組みをつくる人
渋澤 健(しぶさわ けん)さん −
コモンズ投信株式会社 取締役会長

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皆さんの中にこれからの未来を信じているよと自信を持って言える人はどれくらいるでしょうか?もちろん強くそう信じる人もいれば、少しだけどそう思っているという人もいるかもしれません。僕は、皆さんの中に未来を信じる力が少しでもあればいいと考えています。その信じる力が合わさることで未来の社会を作る原動力となっていきます。そして、寄付は自らの意思が伴いながらお金が回っていく仕組みであり、寄付が集まることで未来を信じる力は強くなってより良い社会に繋がっていくと信じています。コモンズ投信の長期投資も同じです。

コモンズ投信では、子どものためのお金の教室という事業を行なっています。そこでは、いつも4つのお金の使い方の話をします。それは、消費・貯金・寄付・投資です。消費と貯金は「me(私)」ですが、寄付となると「we(私たち)」になります。そしてその後に来るものが投資です。「we」はこれからお金の使い方としてキーワードになってくると思っています。利己と利他は決して相反するものではなく、giveの後にはgivenが続きます。お金の使い方には時間軸があり、利己は本来利他に繋がるものなのです。

僕は元々アメリカでNGOからキャリアを始め、その後金融業界に入っていきました。その時に経験した911を契機に、そこには資本主義に対するシグナルがあったのではないかと感じ始め、その後社会起業家というものに関心を持つようになりました。アメリカでは一見営利目的にしか眼中になさそうな人たちでも、911のような大勢の人々が困っている時にすぐ基金を立ち上げるようなダイナミズムがあり、日本にもこのような営利と非営利をつなげることが必要だと思いました。

これまでの時代は、社会起業家という在り方を理解してくれる人は決して多くありませんでした。高度成長時代には感じやすかった成長を今の時代では感じにくく、豊かではあるけれど未来を信じる力が弱くなっているからこそ、なんとか変えなきゃいけないと思う人たちが現れてきているんだと思うんですよね。ですから、今日の話というのはその意味で時代が求めているお金の使い方なのではないかなと思います。

コモンズ投信株式会社


◆寄付をする人
下山 俊一(しもやま しゅんいち)さん −麻布不動産鑑定事務所 代表

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こんばんは。PIECESのマンスリーサポーターの下山と申します。今回は一社会人の寄付者として、個人の体験を通して、感じている寄付の役割や広がった世界についてお話ししたいと思います。

まずはなぜ私が寄付をするようになったのかということをお話ししたいと思います。そもそもは投資から寄付というものに出会いました。コモンズ投信という会社を知り、長期的視点で社会全体の価値を大事にしていて、経済性と社会性の両立を目指しているところに惹かれました。そうしてコモンズ投信にてお世話になる中で、社会起業家フォーラムというイベントで多くの若手社会起業家と呼ばれる方々に出会い、社会課題に向き合う若者を見て、自分にもなにかできないかと思うようになり、このとき他人事が自分事へと変わりました。その時に投資以外の関わり方はないのだろうかと考えたときに行きついたのが寄付という形でした。現在は8つの団体に寄付を行なっています。

寄付の役割というものについて、実際に寄付を始めるまでは、正直お金を投じたらそれっきりで、正直ただ可哀想な人を助けるというだけのイメージでした。しかし、寄付を始めてからそのイメージは変わりました。素直にそこで出会う人たちを応援したい、課題解決に貢献したい、と思う気持ちが現れました。寄付とは、お金を通した社会参加であり、主体的にお金を通じて社会に参画する手段だと思います。そこでの出会いは長期的な繋がりとなり、寄付を通じて私自身も精神性・関係性のリターンをいただけていることに気づきました。

いろいろとお話ししましたが、まずはもし皆さんの中にまだ寄付をしたことがないという方がいらっしゃれば、是非一歩踏み出してみることをお勧めします。いきなり長期の寄付サポートが難しいと感じる場合には、活動説明会に参加してみたり、クラウドファンディングでの寄付から始めたりしてみるのもよいかもしれません。また、身の回りの友人に伝えることも貢献になると思います。私は「1%の利他」という考えを信じていて、誰かのために1%を使うが社会を変えると思いますし、人間は社会的な生き物なので、自らの幸せにも繋がるというのを実感しています。多くの1%が集まることで、その雫は川となって流れて大地を潤すように、きっとじわじわ良い方向に変えてていきます。その「1%の利他」という言葉を胸に今後も寄付を続けていきたいと思っています。

下山さんのブログ:セルフ・リライアンスという生き方


◆寄付を活かす人
小澤 いぶき(おざわ いぶき) −認定NPO法人PIECES 代表

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皆さん今日はお忙しいところお越しいただきありがとうございます。お会いできて嬉しいです。私からはPIECESの大切にしている想いをお話しさせていただこうと思います。

その前にまず私の話をさせていただくと、子どもの頃からメディアを通じて戦争などの社会排除の構造に興味があり、いつか医者になろうと思っていました。そして実際に精神児童科医として働き始めてからは、多くのしんどさを抱えた子どもたちに出会ってきました。みんな社会のあらゆる制度とともに様々な人との関わりの中で支えられて生きています。しかし、安心して頼れるつながりが周りにない中、自ら命を絶つ子どもたちがいました。亡くなってからしか出会えない子どもたちもいました。子どもたちが生きている社会をつくっているのは、市民一人一人の意思決定や関わりだからこそ、さまざまな人たちとともに子どもの尊厳も自分の尊厳とおなじように尊重していく文化をつくりたくて、PIECESを立ち上げることにしました。

人に頼ることも、将来を望むことも、実はすごいエネルギーを必要とします。人に頼るというのは極めて主体的な行為で、人に頼るには3つの壁があると考えています。それは、まず自分で自分の課題を認識できること、次にその課題を訴えかけられる人が近くに思い浮かべられること、そして実際にその人に訴えかけに行けることです。子どもたちが社会から排除されている状態でこの3つを超えていくことは1人だけではとても難しいです。そこで私たちPIECESは、人と人の間の関係性のインフラを作っていきたいと思っています。社会を信頼できなくなる明日より、優しい関係が人の想像力から生まれる未来を作りたい。そう思い、子どもたちが孤立せずに安心して頼れる市民の優しい繋がりを社会に増やしていくために、日々活動に取り組んでいます。

最後にPIECESへいただいている寄付のお話をすると、企業と個人からの寄付が収入の7割に及びます。私たちがアプローチしている分野は未だ課題として社会から広く認知されている訳ではありません。まずは自主財源で活動を行い成果を出すことで仕組みにして、全国に寛容の輪を広げていきたいと考えておりますので、これからも引き続き応援をよろしくお願いします。

認定NPO法人PIECES


グラフィックレポート:PIECESインターン 濱口 芽生

グラフィックレポート:PIECESインターン 濱口 芽生

後編はこちらから▶︎ https://www.pieces.tokyo/news/2019/5/1/190417-02