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日頃より、PIECESの取り組みへのご関心とたくさんのご支援・ご協力をいただき、本当にありがとうございます。

2016年にNPO法人PIECESが設立してから8年。さまざまな人たちと共に、市民性、そして市民性の土台となる尊厳や権利を大切に活動を展開してきました。

そんな8年を経て、組織全体に流れるエネルギーの変化を感じながら、この度、PIECESのファウンダーとして、8年間代表理事を務めてきた小澤いぶきから、同じく設立時からの理事である斎典道へと代表のバトンを継承することになりました。

今後、小澤はファウンダーとして引き続き関わりを持ちながらも、新たに立ち上げた一般社団法人Everybeingという団体で、次なるチャレンジをスタートしていきます。

 
 

今回、このような体制変更に至るまでには、約2年間にわたるプロセスがありました。

変化の始まりは静かでしたが、理事会や外部からのサポートも受け、対話と内省、そして休息の時間を重ねるうちに、徐々に深いレベルでの変容(トランジション)のプロセスにいることを自覚するようになりました。

出口がハッキリ見えない中でのその時間は、不安や葛藤を伴いましたが、それでも小澤・斎それぞれのエネルギーの源泉がPIECESと、そしてこの社会・世界とどう結びつくかに気づけたことをきっかけに、変化の方向性を見出すことができました。

代表のバトンは継承されますが、これからもPIECESは「市民性を照らし、育む」を真ん中にみなさんと共に歩み続けていきます。



 
 

PIECESの前身となる活動を2014年にスタートしてから、ちょうど10年。この節目の年に、いぶきさんから代表のバトンを受け取ることになりました。この2年間は暗中模索のプロセスでした。それでも、ソース原理との出会い、外部ファシリテーターの温かいサポート、そしてこのプロセスを辛抱強く共に歩んでくれた理事やスタッフみんなの存在によって、ここまでたどり着くことができました。

PIECESは、これまで本当に多くの人に支えられ、影響を受けながら歩んできました。いぶきさんの存在はもちろん、設立メンバーである荒井さん・青木さん、歴代の役員やスタッフ、まきばメンバー(プロボノ・インターン)、PIECESメイト(寄付者)など数えきれない人たちによって、今のPIECESの豊かな土壌が作られてきたと感じています。この豊かな土壌を大切にしながら、その上にさらなる実りを育んでいくこと。それがここから始まるチャレンジです。

PIECESの活動によって、今この瞬間にある大きな痛みや苦しさから誰かを救うことはできないかもしれない。でも、1年後、5年後、10年後と時が経つにつれ、市民性から生まれる優しいまなざしによって、痛みや苦しさが小さなうちに癒されていく。そんな世界観をこれからも形にし続けていきたいと思います。

 


 

すべての存在(being)は、時間や空間を超えて互いに響きあい、影響しあいながら存在し、それぞれのbeingの営みが出会い紡がれながら世界そのものが立ち現れています。すべての営みにおいて、尊厳が響きあい、こだまする日々を耕し育んでいく。私の想いは変わりません。

さまざまな方の大切な存在とその力が、PIECESのエッセンスとなる「市民性」の醸成というプロセスを育んできました。そして今年、新たに代表となる斎さんをソースとしながら、育まれた土壌に新たな息吹が吹き込まれ、芽吹きが生まれ、実りが広がっていくプロセスが開かれていきます。この先に広がる風景は斎さん、そして共にするメンバーのまなざしがあるからこそ生まれていくのだと思います。

一部のもの・こと・いのちの尊厳の痛みの上に成り立つ社会ではなく、全ての存在が尊厳のままに共にある。私自身は変わらぬ大切な願いと共に、Everybeingで新たな取り組みをはじめています。

私たちの存在そのものが、自分自身や共にあるさまざまな存在に、社会や世界に影響し、私たちもまたその影響を受けながら今がある。そして今この瞬間の私たちの振る舞いはまだ見ぬ未来の風景に影響している。PIECESの大切にしてきた市民性は、その風景の土台となる大切なエッセンスです。市民性があるからこそ育まれる社会のバッファや癒えと共にある一人の人として、これからもありたいと思います。

 


 
 

今年度は、ともに活動する仲間がこれまでで最も多く加わった年となりました。

有給スタッフは今年新たに4名が加わり11名に。プロボノ・インターンとして関わるまきばメンバーも6人が仲間入りし25名となりました。加えて、CforCプログラムの運営には、過去のプログラムを修了したメンバーがスタッフとして参画していますが、今年は10名超のメンバーによって支えられました。

それだけのメンバーでともにカルチャーを育みながら、創発的に活動するためには対話の機会が不可欠です。まきばメンバーも含め全社で行った秋合宿では、一人ひとりの源泉となるエネルギーやPIECESというフィールドに立っていることの意味、そしてそこから生まれるこれからの未来についてじっくりと語り合う時間になりました。

その他にも、コロナ禍の影響もあり3年ぶりに対面で開催した周年イベントや、理事メンバー全員で「市民性」について語り合ったトークイベントなど、PIECESに関わる人たちとのつながりを強く感じることのできた1年となりました。

設立7周年パーティーには、寄付者をはじめとする方々が60名以上集まりました。

プロボノ、スタッフで行ったまきば合宿。たくさんの対話を重ねました。



 

今年度からは事業部門の柱の一つに啓発活動の「Cultivate Citizenship」が加わりました。また、「CforCコンソーシアム」のプロジェクトも本格的に始動し、下図のような体制で運営しました。事業部門、管理部門ともに、「まきば」と呼んでいるプロボノメンバーが関わり、PIECESの活動を支えています。

 
 


 

2024年度、PIECESにとっては代表のバトン継承という大きな節目を迎え、新たな体制での歩みがスタートします。

社会や世界の現状に目を向けると、コロナ禍で顕在化した分断と孤立化の影響を、依然として暮らしの端々から感じ取ることができます。元々生きづらさや苦しさを感じていた人だけでなく、周囲からの支えをそこまで必要としていなかった人たちが、不安定な状況に陥り抜け出せなくなっている。さらに、自然災害などによる影響の中で、人知れず困難さを抱えている人たちの存在も容易に想像できます。

そのような状況だからこそ、改めてこの機会に、私たち市民一人ひとりがもつ「市民性」の力を信じるという原点にしっかりと立った上で、事業活動や組織運営に励んでいきます。

具体的には、昨年度から掲げてきたCforCプログラムのモデルチェンジやコンソーシアム活動等により、「市民性」のエッセンスをより広く社会に普及することにコミットします。市民性というテーマの普遍性と、個のあり様・あり方(Being)に働きかけるという独自性から、様々な団体・機関・企業等との協業可能性を感じ、実際に協業機会も増えています。

市民性という可視化しにくいものの力を信じ続けること。そして市民性を照らし、育むこと。そのためには協力者・応援者の存在が不可欠です。今年度も協力・応援の輪を丁寧に育んでいきたいと思いますので、それぞれのあり方・関わり方でご一緒いただけたら嬉しいです。



 

2024年度から新たに1名の心強いメンバーがスタッフとして加わります。

笹本 愛子

「社会が抱える課題」に行きがちであった自分自身の眼差しを、PIECESは「わたし」「あなた」そして「わたしたち」へと変革させる、気づきをもたらしてくれました。変わり続ける社会の中で、わたしたちが一市民としてあり続けられるよう、PIECEの仲間たちと共に取り組んでいければと思います!


運営スタッフ