子どもと関わるときに、「子どもの権利」を意識して関わっている人は、どれくらいいるのでしょうか?
近年、こども家庭庁の設立などにより、話題に上がることも多い分野ではありますが、日々の生活の中で権利一つひとつに気を配りながら子どもと接する人は、まだまだ少ないのだと思います。また、子どもたち自身も、自分たちがどのような権利を持っているか知っている人は、まだまだ多くありません。
今回は児童精神科医として10年以上に渡って、子どもたちの声に耳を傾けてきたPIECES代表理事の小澤いぶきとともに、「子どもの権利」について考え、日々の生活の中で子どもの権利をどのように尊重していけるのか、参加者とともに考えました。
子どもの権利とはなにか
セミナーでは最初に、子どもの権利条約の概要や歴史、日本での現状や課題などについて共有されました。「差別の禁止」や「意見表明権」といった子どもの権利条約の4原則の内容や、実際の子どもたちの声(権利が守られていないと感じる時など)も共有されました。
また、子どもたちに子どもの権利について伝えることの重要性や方法、実際に子どもの権利を守るために行われている自治体などの取り組みについても交えながら子どもの権利についての理解を深めました。
子どもの権利を尊重しながら子どもと関わるには?
日々の生活の中でどのように子どもの権利を尊重しながら、子どもたちと接することができるかについての話がありました。
いくつかの場面を例に出しながら、こんな時、私たちはどのようなまなざしをもち、何を大切に考えたらいいか、子どもの権利の本質についてより深く、明確に理解することができる時間になりました。
「子どもの気持ちや意見を尊重する」ためにはどのような声掛けをしたらいいかや、大人同士の関わり方や大人自身の権利への意識を見直す必要性など、より実践的な内容となりました。
最後に、小人数に分かれて、セミナーの感想や日々の生活の中で感じていることなどを話す時間を設けました。
それぞれが子どもの権利に基づいて実践してきたことや、困りごと、疑問、あったらいいことなどを少人数のグループで話し合い、全体で共有を行いました。
参加者の感想
子どもの権利について深く学ぶことができたのと、みなさんの思いを伺えたり、子ども大人共に権利を大切にしながらどうやっているのかなど、貴重なお話しを聞けてとても良い経験になりました。
小澤さんの「子どもも権利条約について知りたがっている」というお言葉が印象的でした。
子どもの権利を確保していくためには大人も権利を意識していくことが必要だということが理解できた。
いつも生活や心に馴染む言葉での発信をありがとうございます。そうそう、そうだった!という発見が多いです。
PIECESでは今後も、「価値観のメガネを外す」をキーワードに、様々なテーマでセミナーを開催します。
次回は「トラウマインフォームドケア」をテーマに、11月に開催予定!
詳細が決まりましたら、改めてご案内します。
執筆:広報ファンドレイズ インターン 坂本朱弥音