Citizenship for Children2020探求コースでは、「講座」「ゼミ」「リフレクション」と授業が分かれています。今回は「ゼミ」2回目を開催しました。市民性とアセスメントについて理解することを目標に、講義やワークを通して考えていきました。
初回のゼミから約1ヵ月経ちました。「講座」「リフレクション」に参加し、コミュニケーションツールSlackを使用してそれぞれのクラスごとに交流をしていたのもあり、和やかな雰囲気で始まりました。
当日は以下のような流れで進められました。
・チェックイン
3,4人のグループに分かれて、最近のハイライト、課題となっていた講座の動画の答えを共有し、和やかな雰囲気でスタートしました。
・市民性とは
市民性と「間」について理解を深めるために、自分と子どもの両方にとって良い「間」を探求することをこの探求コースでは目指していきます。自分自身と、子どもの両者の願いが成立した自分なりの「関わり方」を見つけていきます。
・子どもの理解を深めるためのアセスメント
アセスメントとは、子どもや家庭への関わるうえでの根拠となる「〜かもしれない(仮説)」を考えることです。「〜かもしれない(仮説)」が数多く思い浮かぶことは、子どもの行動の背景理解につながります。行動の背景を深く探るには、本人や環境に目を向けてみることに加え、ストレングス視点を持つことが大切です。目に見える行動・言動の意味付けを捉え直してみることが重要で、そのためにも自分が持っている価値観や信念などに自覚的であることが大切だと伝えました。
・対話のセッション
市民としての関わりについての新しい意味や未来を探っていくため、ワールドカフェという手法を使いました。個々の価値観の違いを尊重しながら、意見を述べ合うことを重視し、その違いはみんなの気付きになっていきました。
動画や講義の感想をシェアしたり、動画に出てきたプレーパークに子どもたちはどんなコミュニケーションがあるから来ているのかを考えたり、そのコミュニケーション(心地よい関わり)を体験したことがあるかを考え、深めていきました。
<各クラスの感想>
◆一般クラス
9月13日(日)、オンラインで15名が参加しました。
第1回目からは少し日が経っていましたが、直前の10日に開催されたリフレクションに多くのメンバーが参加していたこともあり、当初から穏やかな雰囲気の中で活発なコミュニケーションが繰り広げられていました。
今回は運営の方々もチャレンジだという、オンラインでのワールドカフェ。
オフラインでのワールドカフェ同様に、対話を通してそれぞれが気づきや学びを得ていく事が出来た様に感じます。ただ、オンラインでは参加者同士が対面しているため、何となく「喋らなきゃ」という焦りが生じてしまう印象も受けました。むしろ少し斜めにカメラをセットする方が良いのかもしれません。さて、まだまだ始まったばかり・出会ったばかりのメンバーですが、少しずつ心理的安全性が担保された会になってきており、深い内容の話も出始めています。オンラインでのコミュニケーションが当たり前になってきている世の中ですが、オフラインで出会えたら、もっと仲間意識が生まれ、心地よくも熱いコミュニケーションが行えるはず。そんな日を心待ちにしつつ、オンラインだからこそ出会えた仲間との時間を楽しみたいと思います。
第二回のゼミでしたが、それまでのSlackのやりとりや、リフレクションなどの他の顔合わせで、かなり開始から、顔なじみと言う感じで安心してできたように思います。
今回のCforCのプロジェクト名でもありキーポイントでもあろう「市民」についてのインプット。専門家ではなく「市民」という立場だからこそできるそのことの関わりストレングスの扱い方を学ぶことができました。その後の受講者同士での意見交換=ワールドカフェでは、様々な方の意見聞けるなか、「『市民性』と『専門性』こんなに単純明快に区切れるわけではなく融合しているのではないか」と言う意見を聞け、さらに受講者同士での深い学びができたように感じます。早くも次回が待ち遠しいです…!
◆奈良クラス
9月20日(日)の午後、オンラインで9名が参加しました。受講者同士が対話する「ワールドカフェ」では、約1時間でたくさんの人たちと話をすることで、チームごとにさまざまな気づきが生まれました。
以下は参加者の感想です。
・今回、自分の課題として残ったことは「程よい距離」について。今までの講義などでもこのワードは何度も出てきて、そのたびに自分の中で「程よい距離」は何かと考えてきましたが、今回は具体的により深くまで考えることができました。と同時に、謎も深まりました。みなさんのお話を聞きながら考えが膨らみ、自分の中で整理しているんだろうなと、今までにない感覚で面白くも感じました。
「市民性とは?」というところでは、自分が正しいと思っていることが相手にとって必ずしもそうではなく、ひとりひとりの目線をもって考えていくことの大切さを改めて考えました。そのためにも、まずは自分を知ること、客観的にみてみることに目を向け、その上で自分の強みを生かした関係性を見つけていきたいです。
ゼミでは、時間内に答えを見つけるのではなく、生まれた疑問を次の課題にし、それをみんなで探り続けていくことができます。ひとりではできないからこそ考え続けられる、このプログラムを通して今までの自分との変化を実感しながら、頼もしい仲間と一緒に引き続き学んでいきたいです。
・ワールドカフェの中では、互いの考える市民性や良い関係性について思いを述べあったけれど、「相手の話を受け止めなければ!」というプレッシャーも、「相手に私を受け入れてもらわなければ!」という妙な緊張感もない。「伝え合う」ことはあっても、押し付けあったり決めつけたりすることはなく、互いの話に大きくうなずき、共感を表情で示し、「なるほど~」「そうだよね~」という言葉で相槌を打っている。「そうか、私の言葉届いているんだ」「今一緒に考えているんだ」という実感が、この温かい空気感を生んでいるのだなと気がついた。
ゼミ中の講義にあった「他者やその背景への想像力を持ち、”~かもしれない”をたくさん考えられるようになることが大切」という学びも含め、「多くの可能性を念頭におきながらもまっさらな気持ちで向き合っていく」という姿勢が市民性の一つのポイントなのかなと感じた。正解の枠組みを自分の中に作ってしまうのではなく、「あなたの気持ち、伝わっているよ」と示しながら、子どもの目線から見えるものを一緒に受け取っていく。そして新しく見えた何かをもとに、一緒にリフレーミングしていく。
そんな風に関わっていけたら優しい間は生まれてくるのかなと考えつつ、引き続きこの温かい空間の中で、皆さんと考えや思いをほわほわ膨らませていけたらと感じている。
◆水戸クラス
9月20日(日)、オンラインで5名が参加しました。水戸クラスのメンバーは初回のゼミ後、子どもの居場所づくりをしているメンバーのところへクラスのメンバーが見学行くなど、オフラインの交流も始まっています。
以下、参加者の感想です。
ゼミではメンバー間で感想を共有することで、違った視点での気づきもいただきながら内容を振り返り学びとして厚みが増したと感じました。オンラインでのワールドカフェというのも初めての体験で新鮮でした。
子どもたちの「居場所・拠り所」をつくるために必要な視点、そこでの他者への関わり方について改めて考える機会となりました。また、対話を通じて自分の経験や強みを確認し、それを生かしていくことにも目を向けられたのも良かったです。
動画や講義の感想で、茶髪金髪の子たちは、おちゃっこババたちに邪険にされても、あそびーばーに来るのはなぜだろうという問いがありました。もしかしたら、関心を向けてくれるから、という理由があるからかもしれないという話があり、また、家にいずらいから来てる子もいるのかも、とも思いました。
待つという姿勢でいることの大事さはわかるが、待つ姿勢でいても向こうから来ることができないような子にはどうしたらいいか(置き去りにしちゃうのではないか?)との問いが出たのも、心に残りました。
屋根から飛び降りる子たちを見ていて、自分が子どもの頃はこういう危ないこともやってたけれど、自分の子には危険だからと止めてしまっているという感想を話しました。危険をおかす権利を取り上げてしまっているのではないか。
ブランコや滑り台などの遊び方が決まっているものより、土管とか砂場とかのが楽しかった、自分たちで創造していく楽しみが遊びなのでは、との私の感想には共感が集まりました。
大人はお茶っこでいいとの部分にも、「ただ お茶飲んでたら、周りから何やってるんだ、あいつらサボってるんじゃないか、みたいに言われてしまうかも」という意見もあり、そういうこともあるかもなぁとも思いました。そこは、丁寧に「こういうやり方を敢えてしてるんですよ」と話していったらいいのでは、でもなかなか難しい、などのお話がでました。
ワールドカフェスタイルのゼミ、とても面白かったです。時間が足りないと思うくらい、話が多岐にわたり、とても勉強になりました。