まち歩きから市民性を考える
2024年11月16日(土)に兵庫県神戸市の新長田でまち歩きを実施しました。
この企画は、PIECESが大切にしている「市民性」についてさまざまな視点からみつめるオンライン体験ワークショップ「市民性みっけ」の対面版として行いました。
今回まち歩きをした新長田は、徒歩圏内に複数の商店街が残る地域です。阪神・淡路大震災で甚大な被害を受けながらも、豆腐屋、魚屋、肉屋、八百屋などが軒を連ね、買い物の利便性が高いです。また、まちを歩くと、道端のベンチでくつろぐおじいちゃんおばあちゃんの姿を目にしたり、ベトナム、フィリピン、韓国など、様々な文化を反映したお店があることにも気がつきます。
そんな新長田のまちを4名の参加者と共に歩き、まちで見たことを軸に「市民性」について考えてみました。
まち歩きから市民性を考える
まずはPIECESの活動と参加者の自己紹介を行いました。大阪から参加したメイトの方、PIECESは知らなかったけど「市民性」や「新長田のまち歩き」に惹かれた近隣の方などが参加してくださいました。
その後、市民性について「やさしさのむしめがねBOOK」という冊子を見ながら話しました。市民性は私たちの周りにすでにあり、誰かの願いや想いから生まれてくるものです。
それを踏まえて、まち歩きでは「何か珍しいものを探す」のではなく、「市民性かも」と思ったものからそれが起きている背景まで考えることを意識してみました。
まち歩きの様子
まち歩きでは、近隣の4つの商店街を通って歩きました。
外国語を母語とする人たちをサポートする施設、ベンチに座ってお喋りするおばあちゃんたち、店先で雑談をする店主とお客さん。様々な光景が商店街では見れました。
その中でも面白かったのが、道路の凸凹を塞ぐ段ボールです。ある商店街では道がレンガで舗装されていました。
しかし、ちらほらレンガが剥がれていたり、凹んでいたりして、凸凹しているところもありました。そんな道で、レンガがたくさん剥がれた箇所を段ボールとテープでカバーしているところがありました。おそらく凸凹が気になったまちの人が自分にできることとして段ボールで凸凹を塞いだのだと思われます。
こんなふうにまち歩きでは、まちで起きていることとその背景を考えて歩いていきました。
「市民性かも」を共有する
まち歩きから戻ってきたら、まちで見たものから「市民性かも」と思ったものを付箋に書き出して共有していきました。
付箋は以下のようなものが出てきました。
道路の凸凹を塞ぐ段ボール
車椅子でタバコを吸うおばあちゃん
お客さんと雑談する店主
道の落ち葉掃除
市民発信のイベントがたくさん
どこで見たのか、どんな様子だったのかなども1つ1つ共有していきます。
共有していくうちに「私も同じ付箋書いた」という声や「今の話だとこういうこともあるかも」と新しく付箋が書かれていく場面もありました。
最後に「市民性って実は〇〇なんじゃないか」というお題に対して、〇〇の部分を埋めてみましょうというワークを行いました。それに対して、以下のような回答が出てきました。
思いやりとおせっかい
ジブンの拡張
私の範囲が広がること
想像力を持ったありのままの重なり合い
ヒーローなんじゃないか
名前のついていない一言で言い表せない現象
市民性という言葉は正解があるわけではありません。人によって想いも願いも行動も異なり、それにより言葉だけで説明するのが難しい部分があります。
だからこそ、PIECESではワークショップを通して市民性を多くの人に届けようと思っています。
執筆:くりのさやか
【オンライン講座】「暮らしの中にある市民性」参加者募集中!
PIECESでは一人ひとりの手元から紡がれていく「市民性」に着目しています。市民性はどんな風に育まれていくのか、わたしたちの暮らしにはどんな市民性があるのか、参加型ワークショップを通じて参加者とともに考えます。
【講座概要】
日時:2024年12月11日(水)12:00-13:30
2024年12月18日(水)19:30-21:00
※どちらも同じ内容となります。お申込みフォームに希望日時をご選択ください。
場所:オンライン(ZOOMを使用します)
参加費:500円(市民性について紹介するミニ冊子付き(PDF版))
【こんな方にオススメ】
・子どもたちのために自分にできることを考えてみたい方
・PIECESが伝えている「市民性」について詳しく知りたい方
・「子どもの孤立」という問題に関心のある方
・子どもを取り巻く問題について知りたい方
・PIECESの活動を詳しく知りたい方
・PIECESが主催する市民性醸成プログラムCitizenship for Children に関心がある方
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