活動報告

地域での子ども若者支援のこれから〜「Citizenship for Children in 水戸」第4回公開講座&ゼミレポート〜

PIECESが茨城県水戸市で行う、子どもと関わる市民育成プログラム「Citizenship for Children in 水戸」。

これまでPIECESは首都圏を中心に市民育成プログラム(旧名:コミュニティユースワーカー育成プログラム)を開催し、1〜4期で計約50名の子どもと関わる市民を育成してきました。

今回は全国展開に向けての第一歩目となる水戸市でのプログラムで、「セカンドリーグ茨城」さんとの協働で実施しています。

首都圏に限られていた活動範囲を全国に拡大し、各地にいるかもしれない「孤立した子どもたち」と優しい関係性を紡げる大人を増やしたい。

そんな想いから全国展開を目指し、まずは1拠点目、茨城県水戸市で12人、6ヶ月間の「Citizenship for Children プログラム(以下CforC)」を実施します。

これまでの3回では、子ども・若者の育ちの理解や困難を有する子どもたちへのまなざしなど、一市民として子どもに関わる上で土台となる価値観や知識について、延べ100名近い方々と一緒に学んできました。(第三回目のレポートはこちらから

今期の後半にあたる10月から12月にかけては、引き続きフィールドの異なる実務家・専門家の講師をお招きして、さらに一歩踏み込んで「市民性を大切にした子ども・若者支援」について考えていきたいと思います。


今回で第4回目となる今期の公開講座。雨模様も怪しい中、たくさんの方々に集まっていただくことができました。

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午前の公開講座は、東京都文京区にある地域連携ステーション フミコム(文京区社会福祉協議会)の社会福祉士、根本真紀さんが講師を担当。

今回のテーマは「中間支援の立場から見る“非専門職”の可能性」。社会福祉士として活動する一方、ホームレス支援など、半分を専門職、半分以上を一市民として活動している根本さん。彼女が考える、”非専門職”としての地域との関わり方を学びました。

そもそも「社会福祉協議会」とは?

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社会福祉協議会(社協)とは住民主体の理念に基づいて、地域の福祉課題の解決に取り組み、誰もが安心して暮らすことのできる、地域福祉の実現を目指す組織のことです。

根本さんが所属する文京区の社協では二つの特徴があります。まず一つ目は地域福祉コーディネーターの存在。課題を「待つ」のではなく、自ら出向き相談に応じて人を資源に繋げる。二つ目はフミコムの存在。フミコムは、文京区社協が区や地域住民・ボランティア・NPO・企業・大学等と連携して、新たなつながりを創出し、地域の活性化や地域課題の解決を図っていくための協働の拠点です。今までつながっていなかった人同士を繋げ、地域の課題解決や活性化を目標としています。この「課題の発見力」「課題の解決力」の両輪が地域との繋がりを強化すると根本さんは話します。

独自の事業を展開する文京区の社協。その背景には生活課題の複雑性・多様性が関わってきています。現在の社会変化のスピードに対応するには、従来通りのやり方ではもはや解決が難しくなってきているのです。だからこそ一人で課題解決しようとするのではなく、自分とは違う知識・スキル・価値観をもった他者と繋がり、地域課題を一つ一つ解決していく必要があるのだと根本さんは言います。

専門職と非専門職 それぞれの味

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複雑化した地域課題への取り組みは、専門職だけではなく、非専門職の関わりが大いに必要となってきます。ではどのような関わり方があるのでしょうか。

いわゆる弁護士・医師といった専門職の人は、関わりの目的が明確であるため、「支援する」立場として、与えられた枠の中で最適な解決を探そうとします。一方で、非専門職の人は明確な目的に沿ってではなく、一個人として関わりを持つため、早期に課題を発見するこし、また必要に応じて専門職へ繋げることができます。専門職のような強い繋がりではなく、あくまでもつなげて垂らすくらいのゆるい関係性が非専門職の強みだと根本さんは話します。

どちらが良い悪いのではなく、それぞれの関わり方で地域と繋がる。地域の人たちと一緒になって課題や悩みを共有し、一緒になってできることを探る関係を築いていきたいなと感じたひとときでした。

間を描く

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前回の講座を受けて、メンバーの皆さんには宿題として、間を描くために、地域に存在する地域資源(子どもに関わる人や機関、その役割)を記録していただきました。「0〜12才」「13〜18才」の二グループに別れて、それぞれが発見した資源を「情緒的・機能的」「利用ハードルが低い・利用ハードルが高い」の軸でマッピングしてもらいました。

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社会資源をマッピングを通じて、改めて自分の立ち位置を確認したり、「これも資源になるんだ」と新しい関わり方を発見したり、市民として自分が関われる得意なところを見つける良いきっかけになった、と大盛り上がりを見せました。

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社会資源マップ:0-12才

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社会資源マップ:13-18才

最後の時間は、メンバー全員でプロセスレコードのリフレクションを行いました。みんなで意見の共有や問いかけを行うことで、見方が広がり、新しい考え方や気づきが生まれる、とてもワクワクする時間でした。

新しい「気づき」や「発見」がどのようにしてCforCメンバーの実践に活かされるのでしょうか。次回もお楽しみに!

子ども期の生きづらさに心を寄せる。支援者育成プログラム 〜Citizenship for Children in 水戸 第3回公開講座&ゼミレポート〜

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PIECESの行う、子どもと関わる市民育成プログラムの全国展開第1拠点目は茨城県水戸市。「セカンドリーグ茨城」さんとの協働で実施している今回のプログラムは、7月にスタートし、9月には3回目の公開講座とゼミが行われました。

今回の公開講座のテーマは「子ども期の生きづらさに心を寄せる」

関貴教さん(児童養護施設職員/認定NPO法人いばらき子どもの虐待防止ネットワークあい理事)、小野瀬直人さん(IT企業役員)、横須賀繭子さん((み)当事者研究会主宰)の3名をゲストに、CforCメンバーと一般の方に向けた講座を開設しました。

「子どもの生きづらさとは何か」について講師のみなさんの話と対話の中で、思いを巡らせる時間となりました。

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児童養護施設職員として働く関さんは、子どもの生きづらさは「〜すべき、〜するのが普通」という価値観によって引き起こされると言います。

子どもは両親の元で育つべき、お母さんは子育てをしっかりするべき、女の子はスカートを履くべき。

そんな「べき論」の中で、心を押し殺してしまう。

べき論を極力無くした環境を関さんは施設で作ろうと尽力されています。

たくさんのルールが存在する社会の中、関さんの働く児童養護施設にあるルールはたった一つだけ。

「理由なく誰かを傷つけてはいけないよ」ということ。

愛情や安心の育まれる家庭という場所が存在しない子どもたちにとって、施設がその役割を担うこととなります。「理由なく誰かを傷つけない」このルールにさえ従えば、関さんは無理に子どもに宿題をさせることも、嫌いな食べ物を食べさせることもないのだそう。

とことん「なぜ」に寄り添って、子どもたちにとって信頼できる大人である。

日々子どもたちの生きづらさに寄り添う関さんの姿勢から沢山学ぶことがありました。

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「私の親は里親でした。私は里子です。昔私は児童養護施設というところにいたそうです。」


ご自身の幼少期の写真を投影しながら淡々とそう口にした小野瀬さん。

養子として育った小野瀬さんは、多くの子どもたちと生活を共にしてきました。

小野瀬家で養子として育てたのは小野瀬さん一人だけでしたが、常に複数人の子どもをうちで預かっていたそう。そのため、家に帰れば多くの子どもたちがいて、自分の学校の友達も、預かってきた子も、みんなごちゃまぜで遊ぶのが小野瀬さんにとっての日常でした。

「わたしは生きづらいと思ったことはありませんね」

人のためを想って、人のために泣ける。どんな子も「よその子」という認識はするな。

そんな両親の元で育った小野瀬さんは、決して自分の境遇を嘆くことなく、実の両親を恨むことなく、淡々と人生を振り返ってくださいました。

スクリーンに映し出される写真はみんな良い表情で、社会的養護の元にいる子どもたちへ向けられる勝手な「かわいそう」という視点が如何に一方的なものであるか、考えさせられました。

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自身が不登校、精神病など複数の問題の当事者だった横須賀繭子さん。

自殺を考えたり自傷行為をしたりするほどに心を病んだこともあった横須賀さんにとって、回復の足がかりとなったのは、複数のコミュニティでした。

精神の安定しない母親の元で、幼少期から目をかけてくれる大人の存在がなく、引っ越しもしていたから地域との繋がりもなかったそう。

生きづらさとは、「生きづらさに気づいてもらえないこと」だと横須賀さんは言います。

しかし、子どもの生きづらさはとても目に見えにくい。

「子どもにだってプライドがある。助けてもらったことがないから諦めている。そもそも自覚がない。」

そんなことが生きづらさを目に見えにくくしているものだと。

そんな生きづらさから抜け出すために、必要だったのは自身にとって大切な人、そして自分を大切にしてくれる人だったと語ってくださいました。


「良い子って、大人にとって都合の良い子、でしかないんだよ」

その言葉が大変胸に沁みた今回の公開講座でした。

公開講座の後には、CforCメンバーでゼミを行います。

今回は一つの事例を元に、自分だったらどう振る舞うか、背景にどんな願いや価値観があるかをみんなで確認しました。

自身の子どもと関わる際に立ち現れる自分自身の願いや価値観に気づき、自分の感情を置き去りにしないことを大切にしよう。

子どもと関わる際の「ありたい自分像」を確認し、それに対する感情を振り返りました。

負の感情が表出されたシーンも多く見受けられた今回。

その感情を「抱きしめたい?地下室に閉じ込めておきたい?誇りに思っている?」と、素直な感情を大切にしてもらいました。

多くの感情を振り返って、かなりのエネルギーを消費しながら懸命に向き合っている姿が印象的でした。

いよいよ次回は4回目、折り返しの回となります。

このプログラムを通じてどう変化し、どう深めていくのか。

参加者の顔が徐々に変わっているように思えます。

次回もお楽しみに。

アセスメントと「共に居る」を学ぶ〜「Citizenship for Children in 水戸」第2回公開講座&CforCゼミレポート〜

PIECESが茨城県水戸市で行う、子どもと関わる市民育成プログラム「Citizenship for Children in 水戸」。

これまでPIECESは首都圏を中心に市民育成プログラム(旧名:コミュニティユースワーカー育成プログラム)を開催し、1〜4期で計約50名の子どもと関わる市民を育成してきました。

今回は全国展開に向けての第一歩目となる水戸市でのプログラムで、「セカンドリーグ茨城」(http://secondleague.net/?page_id=269)さんとの協働で実施しています。

 

 

首都圏に限られていた活動範囲を全国に拡大し、各地にいるかもしれない「孤立した子どもたち」と優しい関係性を紡げる大人を増やしたい。

そんな想いから全国展開を目指し、まずは1拠点目、茨城県水戸市で12人、6ヶ月間の「Citizenship for Children プログラム(以下CforC)」を実施します。

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前回7月に引き続き、第2回目の公開講座とゼミを8月25日に行いました。

公開講座は、都内でのスクールソーシャルワーカー経験のある社会福祉士で、現在PIECES理事を務める斎典道が講師を担当。

日曜日の午前の開催にもかかわらず、一般の参加者も含めて約30名の方々に集まっていただくことができました。

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今回のテーマは、「子どもへの深い理解を促す『アセスメント』を学ぶ」。

「アセスメント」とは、対象者を支援する方法の根拠となる仮説(〇〇かもしれない)を考えることです。

専門的な概念ではありますが、アセスメントを理解し「ああかな、こうかな」と仮説が多く思い浮かぶようになると、実際に現場で困った子に出会った時、目に見える情報から子どもの背景を見立てることができるようになるのです。


子どもたちは大人の常識とは全く違う考え方・価値観で行動していることが多々あります。

だからこそ、目の前の子どもの行動・言動の意味付けを捉え直すことで、自分自身が持っている価値観や信念に自覚的であることが大切だと語り、公開講座は終了しました。

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午後のゼミでは、PIECESが考える市民性と市民が作る「間」の理論について理解した上で、実際に実践の現場で気になった場面の子どもの様子(行動や言動)を、観察し直してみるワークを行いました。


子どもと初めて「出会」い、「共にいる」段階で信頼関係を築く時、子どもの様子をしっかりと観察し、想像しながら接することはとても重要です。


午前の公開講座での学びを生かし、まずは一人で、子どもの目に見える情報から仮説をたくさん考えていきます。その後、3,4人のグループに分かれ、それぞれの事例について考えたことを共有してもらいました。

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活動中にはわからなかった子どもの様子を後から思い出し、自分の中の捉え方が変わったことを発表するメンバーや、他のメンバーから「その子、もしかしたらこう思ってたかもしれないね」と指摘し合い、その子との関わり方にまで話が発展していく場面もありました。

今回のゼミを通じて学んだことを踏まえたうえで、

市民として、子どもとの関係を「共にいる」から「探求する」という一段階先のステップへと進めるためには、一体どのような考え方が必要なのでしょうか。

それでは皆様、次回もお楽しみに。


育成プログラム「Citizenship for Children in 水戸」キックオフを行いました!〜公開講座&ゼミレポート〜

水戸の参加者の方々

水戸の参加者の方々

PIECESの行う、子どもと関わる市民育成プログラムの全国展開第1拠点目は茨城県水戸市。

先日7月28日に第1回目の公開講座とゼミが行われました。



これまでPIECESは首都圏を中心に市民育成プログラム(旧名:コミュニティユースワーカー育成プログラム)を開催し、1〜4期で計約50名の子どもと関わる市民を育成してきました。

今回は全国展開に向けての第一歩目となる水戸市でのプログラムで、「セカンドリーグ茨城」(http://secondleague.net/?page_id=269)さんとの協働で実施しています。



首都圏に限られていた活動範囲を全国に拡大し、各地にいるかもしれない「孤立した子どもたち」と優しい関係性を紡げる大人を増やしたい。

そんな想いから全国展開を目指し、まずは1拠点目、茨城県水戸市で12人、6ヶ月間の「Citizenship for Children プログラム(以下CforC)」を実施します。


公開講座の様子

公開講座の様子


PIECESの育成プログラムは
①座学
②ゼミ
③実践
の3本柱で構成されています。

座学は子どもの発達や孤立の心理メカニズム、アセスメントの方法論など、子どもと関わる際の知識を講義型で学びます。座学は公開講座として、一般の方々にも参加していただけるように開催しています。

ゼミはCforC参加者12名が日々の実践のリフレクションを核として対話型で学び合います。

日々の実践の現場でのモヤモヤなどを各自が持ち寄り、子どもとの関わりを多角的に見る、相手への想像力を働かせる訓練を行います。

座学やゼミで学んだことを活かしながら、自分にとっても子どもにとっても良い関わりを探求し続ける現場実践もこのプログラムでは欠かせないものです。

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CforC参加者のみでのゼミでは、キックオフを兼ねてチームビルディングのワークを行いました。

今期の参加者は学生から社会人、お子さんを持つママまで、幅広い人たちがいます。仕事として子どもと関わる人もいて、これまでのPIECESの育成プログラムの参加者とはまた違ったバックグラウンドを持ったメンバーが集まりました。


「専門家でも親でも先生でもない市民として自分ができること」をこの6ヶ月を通して考え、探求し続けていってほしいと思います。


12名でお互いに助け合い、学び合うコミュニティとしてCforCが参加者の中に位置づくことで、どんな学びが生まれるのか。子どもにとっても自分にとっても良い関わりを探求し続ける先にどんなことがあるのか、とてもわくわくする時間でした。


皆さんもぜひ、これからのCforC事業がどうなっていくのか、お楽しみに。

子ども期の“生きづらさ”に心を寄せる~第5回PIECES公開講座&CYWゼミレポート~

こんにちは!

コミュニティユースワーカー4期生の新免です。

11月18日に、月に一度の公開講座とゼミが開催されました。
今回の公開講座のテーマは、【子ども期の“生きづらさ”に心を寄せる】
講師は、病児保育など親子問題に関わる事業を展開している、認定NPO法人フローレンス所属の菊川恵さんです。

複雑な家庭環境の中で育ち、様々な葛藤を抱きながら子供時代を生き抜いてきた菊川さん。中学・高校時代を中心に、乳幼児期から大人になるまでにご自身の身に起きたことを振り返っていただきながら、その当時感じていたこと、大人に求めていた関わり、過去を振り返っていま思うこと、についてお話しいただきました。

わたしたちコミュニティユースワーカー(CYW)はもちろんのこと、“生きづらさ”を抱える子どもとの関わり方を模索するあらゆる立場の方々にとって、「支援者」としての自分の在り方を自問自答する機会になったことと思います。

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子供時代の菊川さんが、周りに求めていた関わり、救いとなったもの。
それは、その時々の状況によって、変化していきました。

例えば、大人の発言より行動を見ていた中学時代は、近所の切手屋さんと「ただ一緒に時間を過ごす」ことに、温かくほっとする気持ちを感じていました。

母親が亡くなった後、言葉の出づらさに悩んでいた時期は、帰宅後に聴くラジオが心の支えとなっていました。パーソナリティの話を聴いて笑ったり、お悩み相談をする同世代の話を聴いたり。

この時期は、「自分が人にどう見られているかを過剰に気にしてしまうから、間接的に救われるのがちょうどよかった」「居場所支援があったとしても、元気な時しか行けなかったと思う」という菊川さんの言葉が印象に残りました。

そして高校時代。一時保護施設に身を寄せるなど、一番ハードな出来事が続いた時代でしたが、今回振り返りってみると、「スッキリした気持ち」で当時を思い出すことができたそうです。理由は、「自分自身を見てくれていた」人たちがそばにいたから。

父親の暴力で怪我をして登校した時、いつもと変わらない感じで「気になっとったんよ~」と声をかけてきた担任の先生。

保護施設で、毒舌だけれど、本当に子供たちにとって何が必要なのかを考えているのが伝わってきた職員さん。

転校後の高校で、なんにでも必死に食らいつく姿を見て、「お前おもしろいな」と興味を示し、大学進学を提案してきた担任の先生。多様な価値観を認め合えた同級生たち。

こんな風に、高校時代に、信頼できる他者がいるという実感を重ねられたことで、「信じてもらえてはじめて出せる力」を発揮できるようになり、自分の心の回復を早めることができた、とお話しされていました。

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しかし、その後も、菊川さんの苦しみは続きます。


菊川さんは、20歳当時、慢性的に生きづらさを感じていたそうです。けれど、支援者に助けてもらえるのは、問題が分かりやすく起きているときだけ。大人になって、表面上は「普通の大学生、普通の社会人」として日常を過ごすようになってからは、気軽にアクセスできる支援が見つかりませんでした。


「大人になっても戻ってこられるような支援やつながりがあればよかった」という言葉を聞いて、PIECESでの活動を通じて、子供たちにとって「いつでも戻ってこられる居場所」を少しずつ増やしていきたい、と思いました。


「支援者」として子どもたちに関われる部分は、その子の人生のごく一部に過ぎません。そして、支援者の手を離れた後も、子どもたちの人生はずっと続いていきます。


その子の人生を長い目でみて、本当に必要な関わりは何なのか?

その子に合った支援の形ではなく、「自分にとって理想的な支援の形」に囚われていないか?

自分の持っているフィルターを介して相手を眼差していることに、自覚的であるか?


今日の講演で、菊川さんから投げかけられた問いを心に留めながら、子供たちの人生に「伴走」していきたいと思います。


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午後からは、CYW4期生のみでゼミを行いました。

メディアの取材が入っていたので、少し緊張感もありつつ、各自が現場実践後に書いた「プロセスレコード」を用いながら、二人一組になって「リフレクション」の振り返りを行いました。(「プロセスレコード」について、詳細を知りたい方は第2回ゼミレポートへ)

午前中の講義で学んだことを反芻しながら、「自分自身が抱いている『相手にこうなってほしい』という願いや価値観に縛られたまま子供たちと接していないか?」「目の前の子どもを大事にできているか?」という視点で振り返りをしたのですが、1対1でお互いの「願い・価値観」を深堀りしていく中で、自分自身の認知の癖について、新しい気づきを得ることができました。


更に、今回は、自分が相手に与えている印象や態度を客観的に捉えるために、話し役(子ども)と聞き役(CYW)に分かれて会話をしている様子を動画で撮影する(!)というワークも行いました。

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自分自身の願い・価値観は、必ずしも、言動として表面化して、相手に伝わるとは限りません。このワークを通じて、自分のコミュニケーションの癖がどのようなものなのか、強みと弱みを知ることができました。


本当に、子どもにとって良いことは何なのかを考えるということ。

それを、相手にメッセージとして届けるということ。


とっても難しいことですが、これからも、子ども達、そして自分自身と向き合っていきたいと思います。


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子どもの「強み」捉え直す&子どもとの関わりを振り返る〜第2回CYW講座&ゼミレポート〜

こんにちは!
コミュニティユースワーカー4期の上野、和田です。

早速ですが、皆さんは普段周りの人をどれくらい観察していますか?

コミュニティユースワーカーとして活動する上で、子どもたちを注意深くみてコミュニケーションをとっていく必要があります。
そこで今回は、『子どもの「強み」を捉え直す~関係づくりの難しい子どもへの関わり方』というテーマで講義が行われました。

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前回はマクロの要因から子どもの孤立の構造を学びました。今回は個々の子どもとの接し方というミクロの要因から子どもの孤立を学びました。

講義では、ストレングス視点というレンズを通して観察することの大切さについての話から始まりました。
ストレングス視点とは、その人の長所、力、資源とも表現できるポジティブな資質と未開発の潜在能力を探すことに焦点を当てる概念です。

子どもは自身の意見を述べる「言語化」に加えて、体調などに変化をきたす「身体化」や暴れたりなどの「行動化」といった表現をします。
そういった子どもの表現(サイン)に対して、大人は自分の中にある当たり前の思い込みや、先入観でみてしまうことがあります。そして、その思い込みや先入観を取り外していくために「子どもの行動」、「願い」、「環境」をよく観察して問いを立てることが重要だということが強調されていました。

実際の事例を踏まえたワークでは、不登校の小学生と自傷行為を行う中学生のケースで、その子の様々なサインをストレングス視点というレンズを通して強みを見つけるワークを行いました。
前者では、学校へ行かないという選択ができること、後者では他者を傷つけないなどの意見が出ました。

その子がなぜできないのかというではなく、何ができるのか発想の転換をすることで子どもとのコミュニケーションの幅が広がると感じました。

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そして後半は、コミュニティユースワーカー4期生のみで行うゼミでした。

文京区広報課のテレビ取材が来るというサプライズもあり、最初は少し緊張気味だった空気は徐々にほぐれ、いよいよ本題へ。

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今回は、前半の講義のふり返りに加えて、各自が現場実践後に書いた『プロセスレコード』を見ながらリフレクションを行いました。

『プロセスレコード』とは、主に医療現場で用いられている、自己のコミュニケーションのパターンを客観視するための方法です。

具体的には、実際に現場で起きた子どもとの会話の中で、特に印象に残っている会話を思い出し、その状況や自分の心境を細かく思い出して書き留めていく作業です。

このプロセスレコードを書けるようになると、子どもとの関わり方の、自分の傾向を知ることができるのです。

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実は前回、4期生にはこの「『プロセスレコード』を現場実践後に書く!」という宿題が出ていました。

その宿題をもとにメンターの中島巳歌さんによって、各自が書いたプロセスレコードについてリフレクションを行いました。

コミュニティユースワーカーが実際に体験した会話の中で、気になる点をひとつひとつ丁寧に話していくと、

「私はなんでこのような対応をしたんだろう」

「もしかして、この発言をしたとき私はこのような風に感じていたのかもしれない」

など新たな自分を発見できたり、

「この状況で、このような発言をされたら、私はこのような対応じゃなくて、違う方法を取っちゃうと思う」

と、コミュニティユースワーカーの中でも個性があり、実践の多様性を改めて感じました。

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次回も、実践後に書いたプロセスレコードを元により深いリフレクションをしていきます。
実践には正解がないからこそ、このようなふり返りの時間を大切にしていきたいです。

(上野・和田)
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9月の公開講座は、9月16日(日)10時~12時 に開催します。
9月のテーマは、「専門家ではないからこそできる子どもの支援 ~子どもとのかかわりを創造的に問い直す~」です。
講座の詳細やお申し込みは下記ページをご覧ください!
https://pieces-seminar1809.peatix.com/

 

 

「子どもの発達段階における孤立の構造理解」コミュニティユースワーカー4期_第1回公開講座・ゼミ

こんにちは!

コミュニティユースワーカー4期生の飯島・若林です。先日、「コミュニティユースワーカー育成プログラム」の第1回公開講座・ゼミが行われました。

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6月よりスタートしたコミュニティユースワーカー第4期の育成プログラム

初回となる今回の講師は、PIECESの代表で児童精神科医の小澤いぶきさん。

そして今期からコミュニティユースワーカー育成プログラムの実践・座学・リフレクションのうち、「座学」のパートは公開講座形式で開催されています。そのため、NPOや社協職員の方、地域で子どもに関わる活動をしてる方など、約20名の一般参加の方々と私たちコミュニティユースワーカーとが一緒に学ぶ場となりました。

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今回のテーマは「子どもの発達段階における孤立の構造理解」。

 

子どもが幼児期から青年期にかけて精神面・情緒面でどう発達していくのか、そしてその時期における貧困・虐待などが子どもを孤立させてしまうリスクになることを理論的に学びました。

子ども一人一人を取り巻く環境はそれぞれ異なっても、子どもの言動に表面化されない願いや欲求を想像して関わっていく上でこうした知識はとても大切だと思います。

 

講義には体験型のワークもあり、ペアになり保護者役・5歳児役を演じました。「5歳児役は保護者役に一日のできごとを話し、保護者役は疲れていて話を無視する」というもの。演技といえど子ども役をやってみると「無視されること」は心理的ダメージが大きかったです。無視されることで諦めたり、保護者に見てもらうために声を大きくしたり、わざと怒られるようなことをしたり。人によって様々な言動をしていたのが印象的でした。

 

このワークを通じて、我々大人でも感じるこの虚無感を言語化もままならない発達段階にある子どもたちは多様に変容させていくことを学びました。自分を責めて偽ったり、わざとおどけて見せたり、自分を隠して良い子に振舞ってみたり。

これは極端な例かもしれませんが、共働き世帯や核家族世帯が多くを占める現代において、養育者のみで子どもを育てていくのは精神的・肉体的にも負担が大きくなっていると思います。そんな時、子どもの話を聞いてくれたりサポートしてくれる第三者の存在があれば、子どもが孤立するのを防ぐことができるかもしれない、と改めてコミュニティユースワーカーの必要性を感じた場面でした。

 

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午後のコミュニティユースワーカー4期生のみで行われたゼミでは、講座の振り返りや自分のコミュニケーションの傾向を知るワークを行いました。ワークの内容は、今までに仲良くなって関係が持続している人たちをリストアップし、それぞれの人と仲良くなったきっかけや関係性という観点で細分化していくというもの。グループ・全体でシェアしたところ、自分の成長に応じて人との関係性で求めるものが変わった人、ケンカをきっかけに深い関係を築いたという人など実にさまざま。「自分がどのようなコミュニケーションを好む傾向があるのか」ということを自己分析することができたこのワークは、まずは自分自身をよく知ることで客観視できるようになり、子どもたちと関係性を構築する中でとても重要な気づきとなると感じました。

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また、コミュニティユースワーカーとして今後本格的に実践に移るメンバーは「コミュニケーションをつくる」存在になるために、コミュニティユースワーカー同士の関係性の重要性も改めて認識しました。

育成プログラムの初回を終えて4期生のメンバーは

「今後子どもたちと関わっていく中で立ち止まって考えるための基礎を学べた」
「自分だったらどう思う、という主観的な視点から、第三者という目線に立って子どものことを客観視するする姿勢を学ぶことができた」
「表面的事象に一喜一憂せずに子どもたちと関係性を築いていきたいと思った」

などと学ぶことが多い一日だったと振り返りました。

次回からは自らの実践をリフレクションする段階に入ります。実践・座学・リフレクションの3本柱で行なっているコミュニティユースワーカー育成プログラム。

現場実践を経験したメンバーが、それぞれの体験をどう感じ、どう落とし込んでいくかとても楽しみです。

やってみたい!と思ったとき、一緒に楽しんでくれる大人がいる。プログラミングや電子工作を行う「クリエイティブガレージ」を開催!

現在、毎月第2第4土曜日に豊島区に本社のある養老乃瀧株式会社のオフィスを借りて、イベントを開催しています。
今回、1月20日(土)の回では、ゲーム制作だけでなくその他のものづくりの場も誕生したので、レポートにて紹介していきます。

集まった子ども達の人数は、13人ほど。中高生がメインですが、小学生も参加しています。
コミュニティーユースワーカーや、子どもたちと一緒にゲーム作りや電子工作などが得意な大人を含めると、総勢で25人が集まりました。


クリエイティブガレージは、中高生が「やってみたいこと」や「好きなこと」に取り組む場です。
ここに集まっている大人たちは、ゲーム会社で働いている人、アーティスト、デザイナーなどなど活躍されている分野はさまざま。「子ども達のために何かをしたい!」というよりかは、「自分の好きなことを好きな人たちと一緒にやりたい」といった思いのもとで参加しています。
大人も中高生も関係なく「好きなことをやっている人」同士が集まり、各々好きなことに取り組む、そんな場を作れたらと思っています。また、自分のやりたいことが明確な子ばかりではないので、好きなものが何かを話したり、少しサポートしたりすることももちろんあります。

1人1人の「やってみたい」から始まったいくつかの取り組みを紹介していきます。
今回は、大きく「ゲーム制作」「電子工作」「アート」の3つ切り口でコーナーができています。

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こちらは、「ゲーム製作」コーナー。
今回から某ゲーム会社の社員の方が数名新しく参加してくださっています!実は、クリエイティブガレージができたばかりの頃から参加しているゲーム会社の方が、社内で参加者を募り、相性が良さそうな人を探して連れてきてくれているのです。
家でいつもやっている大好きなゲームをまさか自分が作るなんて!と言っている子や、ゲーム作りにおいて、様々な役割を果たし始める子も出てきています。

最初はキャラクターのデザインを描き、途中からかなりのアイデアマンだということがわかり、ゲームのストーリーなどを考える役をになったり、そして最近では、プログラミングをやってみたい!と言ってこの場でコードを少しずつ書き始めるようになりました。

 

こちらは、「電子工作」のコーナー!
LEDライトを立体的に組み立てて、プログラミングで点滅させています。
楽しそうにやっている男の子を中心に、他の子どもたちも徐々に興味を示しています。

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こちらは今回初登場の「ハンコ作り」のコーナーです。
今回は、美術作家の山根 英治さんにきていただき、紐を使ったハンコ作りをみんなでやりました。

山根さんは、1本1本染色した紐で絵を描くなど、紐を使った作品作りをしている方で、Tokyo Midtown Award 2017のアートコンペで優秀賞を受賞し、ミッドタウンにも作品が展示されていたこともあるそうです。

http://www.tokyo-midtown.com/jp/award/result/2017/art.html

紐を使ってハンコの絵柄を作っていきます。
「私不器用だから、こういうの苦手なんだけど...」と苦戦するコミュニティユースワーカーや、
「俺、これ得意かもしれない。楽しい。」と黙々と進める高校生。
子どもも大人も作業に夢中です。

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鮮やかな朱色に彩られた、個性溢れる手作りハンコが10個ほどできました。
「違うバージョンも作りたい!」とワークショプのリクエストがきたほどです。

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こちらは「特撮動画の撮影」のコーナー!
ダンボールを積み重ねて、街を再現しています。

 

 

ウルトラマンが大好きな彼が監督となり、怪獣が街を破壊する場面を、試行錯誤しながら撮影しています。今回は、ゲーム制作、電子工作、プログラミング、手作りハンコ、特撮の動画制作など、各々が自分の好きなことに取り組んでいました。どのコーナーでも、大人と子どもが笑顔で作業を協力している姿が絶えなかったのが印象的です。

 

 

 

 

 

 

興味があるものをやりたいと思ったとき、一緒に取り組んでくれる大人がいる。
「やりたいことをやりたい!と言える」「やりたかったことが形になっている!」

クリエイティブガレージがそんな場になりつつあるのではないかなと思いました。


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writer

PIECES コミュニティユースワーカー:糸賀 貴優

法学部の3年生。心理学、社会的養護、家族の多様性に関心があり、PIECESでは、コミュニティユースワーカー2期生として活動している。足立区と豊島区を活動拠点としており、小・中学生とは一緒に遊びまわり、高校生にはいじり倒されている。また、ウェブメディアsoarの編集部としても活動している。笑い上戸。

地域の中高生を〝斜め下〟から支える「中高生センター ジャンプ 東池袋」

東池袋にある「中高生センター ジャンプ」は、豊島区内在住・通学者が利用出来る児童館です。
約一年前からPIECESのコミニティユースワーカー(CYW)が関わり、中高生と共に様々な活動をしています。

中高生児童館ジャンプには、中高生の「やりたい」が実現出来るよう様々なものが揃っています。
自分のペースで過ごせる居場所空間はもちろん、
パソコンやボードゲーム、
バスケが出来る屋上、
ギターやドラムなど本格的な楽器が揃うスタジオもあり、バンドを結成した中高生がライブで演奏もしました。
映画作りに挑戦した中学生もいます。

いつもは一日50人以上利用しますが、この日はテスト前という事もあり20人ほどでした。
CYWはこの日、受験を控えている高校生に勉強を教えたり、
お喋りしながら一緒に折り紙を折ったりして和やかな時間を過ごしていました。

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こうした何気ない会話を通して、悩み事ややりたい事などを話してくる中高生もいます。
それらをキャッチしたら、ジャンプの職員と共有するだけでなく、PIECESが持っている資源に繋げ、中高生の可能性の実現を図っています。

CYW1期生の中村さんは、「この一年間で中高生と関係が築けたので、今後は個別の相談にももっと応じれるようにしたい」と、LINE相談の準備も始めています。

館長の篠田さんはジャンプを「中高生を斜め下から支える関係。家庭でも学校でもない身近な地域の居場所として、中高生にお節介をするのが役目です。」と話していました。

児童館と民間団体が連携する事で、中高生の多様なニーズに対応可能な選択肢を広げています。
ジャンプとPIECESの取り組みがモデルケースとして示していけるようにしたい、と篠田館長と中村さんが語っていました。

中高生とジャンプ、
中高生とPIECES、
ジャンプとPIECES、
それぞれの関係の良さが伝わってくるような、温かな空間でした。

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◾︎今回のイベントのように、NPO法人PIECESは、子ども達の興味・関心に寄り添い、共に楽しみを共有しあえる活動をしていきたいと思っています。みなさまのご協力があってこそこのような活動ができていますので、今後とも、どうぞ宜しくお願いいたします。


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広報ボランティア  小澤 麻紀
若者向け就労支援機関の相談員として勤務。コミニティーユースワーカーの活動に興味を持ち、昨年よりPIECES広報ボランティアとして各現場を訪問・取材をしている。趣味は、神宮球場でビールを飲みながら野球観戦をする事。

 

自分の思いを伝えて人を動かすちからワークショップ【自主ゼミ】

こんにちは、春から大学一年生になるCYW3期の森 那智です。

今回は、コミュニティユースワーカーの中で行った自主ゼミについて報告させていだきます。

PIECESに参加したのは、去年、受験期で進路などがわからない中、漠然と「人のためになりたい」と思い、軽い気持ちでボランティア探して見つけたのがきっかけでした。それから、コミュニティ・ユース・ワーカー(CYW)として携わっていて、「人のためになる」ことがどれほど奥深いものかPIECESでの活動を通して実感しています。

そんな僕ですが、先日同じくPIECES・CYWの大畑さん主催の「自分の思いを伝えて人を動かす力」というワークショップに参加しました(こうゆう自主ゼミなどは、先生・生徒関係の授業ではあまりない、お互いから学び合う機会としていつも刺激的です)。

今回の自主ゼミは、大畑さんが参加した内閣府主催の青年リーダー研修会にて受けた、COJ(コミュニティー・オーガナイジング・ジャパン)のワークショップでの体験をもとに開催したそうです。

 

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いきなり「Xをしてください」や「Yをしろ」と言うだけでは、自分の思いは伝わらない、他人。
簡単には動かせない、他人。
何かしら実現するために必要となるその他人の協力やアクションですが、それをどう促すか。

この問に対して、”Public Narrative”というアプローチをとる実践型ワークショップでした。「なぜ私はXを実現しようとしてるのか?」、「なぜあなた(達)はXを実現するべきなのか?」、「なぜ今、Xのために動くべきなのか?」という三つに焦点をあてることで、相手に協力を得たいという思いだけでなく、相手の協力を促すように話、Narrativeを組み立てる。しかし、自己理解、他者(相手に対する)理解、そして自分のプロジェクト・取り組みに対する深い理解がなければ、この三つの問への答えは相手に響かない。

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 話の組み立て方によって、いろんな人を行動に巻き込むことができる大きな可能性とともに、前述の「人のためになる」ことの深さのように、このような基本的なことこそ突き詰めるのが難しいと思いました。

  今回のワークショップのように、PIECESでの活動は毎回考えさせられ、刺激にもなり、とてもやりがいがあります。

森 那智
PIECES CYW3期