活動報告

CforC2022・アクションサポートコースが終了しました。

毎月開催していた「間の発酵所」の様子

2022年度は「みつめるコース」、「うけとるコース」、「はたらきかけるコース」と3つのコースをオンライン開催したCforCプログラム。
はたらきかけるコース修了生の中から希望者を募り、最後のプログラムとなる「アクションサポートコース※」を2023年2月~5月に開催しました。

自分が暮らす地域で、自分なりにアクションし、優しい間が生まれていく

アクションサポートコースでは、実践者1名ごとに伴走者がつき、以下のような形で一人ひとりのオリジナルな実践をサポートしていきます。伴走者とミーティングを重ね、まずは2023年5月5日に自分なりのアクションの第一歩を踏み出すことを目指しました。

1.研修(毎月1回)
ジャーニーマップ作成、セーフガーディング研修 など

2.間の発酵所(毎月1回)
アクションの進捗会議、対話 など

3.伴走(随時)
大切にしたいことの問いかけ、スモールステップの洗い出し など

伴走者からの問いかけ

  • あなたが優しい間を一番届けたい人はどんな人ですか。

  • その人に届けたい優しい間はどんなものですか。

  • あなたが思い描く場ができたとして、あなたはそこにどんな風に居たいでしょうか。

伴走ミーティングでは、伴走者からの問いかけにより、いつもとは少し違った角度で自分をみつめ、言語化していきます。そんな営みを繰り返していくうちに、「自分の中でアクション実践イメージが明確になっていった」「自分で自分に問いかける思考回路になってきた」といった声が実践者から聞こえてきました。

初めて自分で場を開くことへの不安、周りの人と意見がすれ違った時の葛藤、告知が思ったようにできない焦り。初めてのアクションの準備中は、しんどさを伴う場面もありました。
時に伴走者にしんどさを吐露しながらも、自分で乗り越えて小さな「出来た」を積み重ねていった実践者の皆さん。
そして5月5日のアクションを終えて振り返ってみると、「やってみればいっか、とか、とりあえず行ってみようって思えるようになった」と話してくださるようになりました。

実践者が思う「優しい間」

  • 分からないのが当たり前、分からないからいい、という雰囲気があると、私にとって心地いい。

  • 『ない』ではなく『ある』の方から見てくれること。例えば、『不安があるんだね』っていうまなざしも寄り添ってくれている感覚がする。

  • 今回アクションした中で優しい間を感じた場面を思い返すと、『一緒にいる』ということが大きなキーワード。

アクションサポートコース全体振り返りでは、実践者の皆さんが今思う「優しい間」について問いかけました。
みつめるコースやはたらきかけるコースで感じていたことまで遡りながら、同期にとっての「優しい間」の語りを聞きながら、自分の感覚を言語化していく時間。
CforCプログラムを受講して11か月目となる実践者の皆さんから、その人自身の言葉で語られる「優しい間」は、この文章を書いている私自身としてもとても興味深いものでした。


実践者の想い

  • 肩書を外して、自分自身として地域に出たい。

  • 色々な背景を持った人同士がフラットにいられる場をつくりたい。

  • 日常で変なヒト、コトに出会うきっかけをデザインしたい。

実践者が5/5に開催したイベントの様子。当日のテーマ:子どもへの気持ちを綴ってみよう

2023年5月5日、十人十色の想いとともに、それぞれの手元から、アクションがスタートしていきました。
それはきっと実践者自身が、子どもにとっての「ちょっと困ったときに顔が浮かぶような、信頼できる他者」となっていく営みへとつながっていくのだと思います。
自分も、子どもも、地域も。「わたしたち」がwell-beingであれる優しい間が、これからもじんわりあたたかく広がっていきますように。

※2023年5月5日に実践者が行ったアクションについてはこちらの記事をご覧ください。

アクションサポートコースの終了を以って、CforC2022の全てのプログラムが終了しました。
アクションサポートコースまで受講した皆さんは、2022年7月~2023年5月の11か月間という長丁場での参加でした。お疲れさまでした!
まだ芽が出たばかりの皆さんの優しい間が、ゆっくりゆっくり育っていきますように。

執筆:鈴木唯加


CforCプログラムは2023年も開催する予定で、現在準備を進めています。「CforC2023」の募集要項がオープンとなりましたら、ご案内をお送りいたしますので、プログラムご参加の方または関心のある方はプレエントリーにご登録ください。

イベントレポート|PIECES公開セミナー「子どものこころの声を聴く」を開催しました!

子どもと関わるとき、私たちは自分の中にある当たり前や思い込み、先入観を通して関わっていることがあります。

たとえば「困ったことをしている」と周りが判断したその行動は、子どもにとっては対処だったり、大切な願いの表現かもしれません。

思い込みや先入観に気づいて、子どもを見つめるとはどういうことか。児童精神科医として10年以上に渡って、子どもたちの声に耳を傾けてきたPIECES代表理事の小澤いぶきとともに、事例を交えながら参加者のみなさんと深めました。

チェックイン

まずはチェックインから。今回は心理学の授業などでも使われるある外科医のエピソード(ドクター・スミス問題)を基に、自分たちの中にある「思い込み」や「価値観」に気が付く体験をしました。

物事をみつめるときに浮かぶ「かもしれない」は、自分の持つ価値観や経験、知識に依存します。目に見える行動・言動の意味付けを捉え直すためにも、まずは自分が持っている価値観や信念などに自覚的であることの大切さが伝えられました。


ストレングスの視点から子どもをみつめる

ストレングスとは、その人の限界や過去の失敗を指摘するのではなく、ポジティブな資質と未開発の潜在能力を探すことに焦点を置く概念です。
今回は学校に行かないでゲームを続ける子どもの事例を基に、以下のポイントに沿って、ストレングスの視点で捉え直すワークを参加者と共に行いました。

子どもの行為や内側から探る <4つの視点>
① 本人の行動への注目(何かへの対処)
② 一見(大人から見ると)困った言動の背景への注目
③ 興味関心への注目
④ 普段やっていることへの注目

一見大人から見ると困った行為の背景には、その子の願いがあるかもしれないという視点を持つこと、子どもの願いを一緒に見つけることの大切さについて話がありました。また、願いを一緒に見つけるためのポイントや子どもへの声掛けのヒントなどについてもレクチャーがありました。

子どもに関わる自分の願いをみつめる

後半では、先ほどと同じ事例を「自分の願いや価値観」からみつめました。
子どもの行為に対して、自分はどんな言動をしているか、どんな思考や感情を抱き、その背景にはどんな価値観や願いがあるか。
自分の願いに気づくことは、相手も自分とは別の願いを持つ人だと気づくことに繋がります。時に自分の願いを相手に押し付けてしまうこともあるかもしれず、それは誰にでも起こりうることであるということが伝えられた上で、子どもの願いに気づくためには、まずは自分の願いに気づき、受け止めることの大切さを深めました。


参加者の感想

・こどもたちからの学びを大切に、こどもたちとともに成長していける人で社会でありたいと改めて思いました。

・子どもの支援者になりたいと思う大人は、自分自身の思い込みを常に問い直していくことを忘れてはならないと思いました。

・子どもの声を聴く、ということは、その子と日々を過ごしている親の声を聴くことから始まるのかなと思いました。ストレングスを意識して、保護者さんの声に耳を傾けていきたいです。

・こどもに関わるお仕事ではないですが、逆に大人だから、家族だから、友人だから、わかるだろうという気持ちで認識がずれていることってあると思うので更に視点を広く持ちたいと思います !

・育児をしていてイライラしてしまうのは、結局子供ではなく自分にその理由があるなと感じるようになりました。自分の中にこうあって欲しいというエゴを発見する貴重な体験だったりもしました。そんな自分も責めずヨシヨシしながら笑、リラックスして受け止められるよう心がけたいと思います。

PIECESでは今後も、「価値観のメガネを外す」をキーワードに、様々なテーマでセミナーを開催します。
次回は「子どもの権利」をテーマに、8月に開催予定!

イベントレポート|CforC2022アクションサポートコース・フィードバック会を開催しました

4月15日(土)、CforC2022アクションサポートコースのフィードバック会を開催しました。

みつめる・うけとる・はたらきかけるの3つのコースで開講したCforC2022。はたらきかけるコースでは、実際に自分も子どもも生きる地域で自分らしいアクションをしていくために、まちの資源の活かし方やコミュニティづくりについて探求しました。
そして「優しい間」が生まれるために、自分なりの市民性が発揮されるアクションやプロジェクトを企画・実施していきます。

今回のフィードバック会では、はたらきかけるコースからアクションサポートコースに進んだ実践者5名が、それぞれのアクションプランを発表し、ゲストや参加者の方々からコメントをいただきました。

5月5日にアクションをするにあたって感じている課題について、ゲストのフィードバックを直接受け取った実践者の皆さん。聴講していたCforC修了生やまきば(プロボノ)メンバーからも、応援コメントや情報提供コメントが多く寄せられ、あたたかく背中を押してくれるような場となりました。

5月5日は全国さまざまな場所で実践者のみなさんのアクションが行われます!お近くの方はぜひご参加ください。

Hana-Co
日時:2023年5月5日(金)10時~13時頃
場所:神奈川県横浜市青葉区
内容:“愛着が愛着を生む優しい世界”を生み出していく3rd Place。初回の5/5は子どもへの気持ちを綴ってみよう
イベント詳細:https://www.instagram.com/p/CrcNlmMSRIq/?utm_source=ig_web_copy_link

インプロタイム チルタイム
日時:2023年5月5日(金)14時~20時
場所:東京都豊島区
内容:15歳くらいから20歳くらいの君たちへ、シアターゲームやってみない?
イベント詳細:https://www.instagram.com/p/CrK3CK9yclT/?utm_source=ig_web_copy_link

はらのまちぱれっと
日時:2023年5月5日(金)日中~夕方
場所:宮城県仙台市宮城野区 清水沼公園
内容:アートや遊びを自分なりの表現でその場にいる人たちと楽しめる場所です。絵の具遊びなど、屋外でのびのび過ごそう。
※こちらのイベント情報は学生団体ariのInstagramをご確認ください。

◆まなびsotto
日時:2023年5月5日(金)日中~夕方
場所:都内
内容:多様な大人からの手紙に返事を書こう
※場所は現在調整中です。詳細が知りたい方は、こちらからご連絡ください

この他、沖縄でも一般社団法人みんなの家の職員でCforC2022修了生が、誰でも自由にくつろげるコミュニティスペースを計画中です。


【トークセッション】
アクションプランの発表の後は、ゲスト3名でトークセッションを行い、市民性や優しい間について深めました。
ゲスト:
西川正氏  NPO法人ハンズオン埼玉
守本陽一氏 一般社団法人ケアと暮らし編集社代表理事/医師
小澤いぶき 認定NPO法人PIECES代表理事/児童精神科医/精神科専門医

市民活動や社会教育の場って増えているけれど、それらが社会包摂的な(ひらかれた)場に変わっていくことってあるんでしょうか。」そんな守本さんの問いかけからトークセッションがスタートしていきました。

西川さん:一番立場が弱い人に合わせて場をつくるという意志があるかどうか、がほぼ全てで。

小澤:いかに立場が違う人の目線が混ざりあえる余白があるか。意図的に違うviewで場を作っていく。

守本さん:だいかい文庫※でお店番をするときのルールのひとつが【いちばん遠くにいる人に気を配ってね】ということ。そのマインドがあると、お店番をしている皆さん自身がケア的に変わっていく、気づいていく姿がある。西川さんのお話とも近いな、大事なことだなと思いました。

続いて、子どもの当事者参画に関する話題へ。

小澤:「子どもたちの声から始まることに委ねるとき」と「大人の声から始まって、結果子どもたちと遊びが生まれていくとき」。これって似ているようで実は起点が違うんですよね。

西川さん:どちらにせよ無くてはならないのが、ああでもない、こうでもない、という【応答関係】と、【その場にいる人々自身の工夫や苦労が含まれていること】。

守本さん:運営者が楽しんでいるからこそ、周りの人も参画して、一緒に楽しんでいけるというのは本当にあるなと思っていて。

小澤:その風景を一緒に楽しもう、一緒に作っていこう、という人が増えるのって、巻き込んでやろうというよりは、所有を手放すような感覚なんだろうな。

西川さん:小学生が小さい子の面倒を見るのとか一緒に遊ぶのとか、大人にはできないですからね。そういう場面がたくさん生まれるのが包摂的な社会なんじゃないかなと思いますね。


※だいかい文庫とは…兵庫県豊岡市にある、本と暮らしのあるところ だいかい文庫。みんなで作る私設図書館/本屋です。お店番は、だいかい文庫のスタッフであったり、お医者さんであったり、アート関係者だったり、新聞記者だったり、学校の先生だったり、学生だったりします。

【参加者の声】

皆さんの人を想う真摯な気持ちが伝わって来ました。
日々、実現に向けての準備に割かれる時間の捻出やモチベーションの維持は容易なことではないと拝察し、プレゼンを聞きながら敬意を感じざるを得ませんでした。

同時に、場を開き継続していく難しさも感じましたが、やはり、先ずはやってみることが一番だなとも感じます。CforCのようにみんなで応援できるシステムは、場を開く大人にとって心強く、子どもにも安心で安全な空間を拡げられるのではないかと思いました。
他には、守本さんの『同感はしんどくなる、共感は相手の立場に立つ』というお言葉が、とても印象的でした。

また、講師陣から『子どもから始まる、没頭しているときがその人らしい、変わってほしいと思わない、視点の推移』など、心に留まるたくさんの言葉を聴くことができ、とても充実した時間でした。

参加させていただき感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

実践者一人ひとりの手元から優しい間が生み出されていくプロセスに立ち会う、豊かであたたかな会をともにつくることができました。ともにつくってくださった26名の皆さん、ありがとうございました。

この記事を最後までご覧くださった皆さんも、ありがとうございます。今後ともCforC 修了生のアクションを応援していただけたら嬉しいです。

執筆:鈴木唯加

2023年4月にこども基本法が施行されます|PIECESの政策提言に関する活動報告

PIECESでは2019年より、子どもや若者の孤立に関する政策提言を行っています。
2022年度は代表理事小澤いぶきがこども家庭庁準備室のアドバイザーに就任し、子どもが尊厳を持つ一人の人として、その権利が大切にされる仕組みと文化醸成へ貢献してきました。

こども家庭庁設立準備室・こども基本法公布について

日本は「子どもの権利条約」に批准していますが、これまで子どもの権利を保障する総合的な国内法の整備は行われていませんでした。「子どもの権利条約」とは、「差別の禁止」「生命、生存及び発達に対する権利」「児童の意見の尊重」「児童の最善の利益」の4原則をもとに、「生きる権利」「育つ権利」「守られる権利」「参加する権利」といった子どもの権利を保障しています。

2022年6月15日に、子どもが一人の権利主体として守られる「こども基本法」が公布されました。こども基本法の公布に向けて、PIECESは市民社会組織の一つとして、当事者と共に提言を進めてきました。

こども基本法には、子どもの権利条約の4原則が明記されており、この基本理念を基に、少子化対策、子ども・若者育成支援、子どもの貧困対策などさまざまな施策が進められていきます。

すべての子どもを対象にし、子どもの権利条約にのっとった法律ができたことは、子どもの尊厳が大切にされる社会に向けた大きな一歩です。

成育基本法について

子どもの心の孤立に関わってきた団体として、児童期の心を支える社会環境や、心が怪我した時にケアが十分になされる資源の必要性を伝えてきました。

さまざまな専門家からの提言も合間って、2022年に成育基本法※の改定がなされ、こどもの心の健康(メンタルヘルス)の観点が掲載されるといった動きがありました。

※正式名称「成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策の総合的な推進に関する法律


誰もがその尊厳を自然と大切にしあえるようなしなやかな土壌は、一人ひとりの市民性により耕されています。
市民性が誰の中にもある泉から湧き出る水のようなものだとしたら、時に制度や仕組み、既存の枠組みがその市民性の泉を枯れさせてしまうこともあります。
例えば、自分の声が誰にも届かなかったり、暮らしを支える制度の決定や活用に参加する権利がなかったりする状態がそれに当たります。
一方で市民性をエンパワーメントする工夫や仕組みも同時につくられてきました。その一つが今回のこども基本法の公布です。これらの政策は、子どもとともに地域を育んできたさまざまな人たちの声が集まって生まれたものです。

2023年4月、こども家庭庁が開設し、こども基本法が施行、秋にはこども大綱ができます。
子どもの声を聴くことが自治体で義務化され、子どもの権利を周知することの必要性も明言されています。
生活の中での実践に向けて、子どもも一人の権利主体として共に社会を育む環境を、これまで以上に前に進めていきたいと思っています。

代表理事 小澤いぶき

Citizenship for Children 2022が終了しました|CforCレポート

2022年7月から始まったCitizenship for Children(CforC)2022ですが、PIECESメイトをはじめとするたくさんの方々に支えられ、無事終了することができました。

CforCは、子どもと自分と地域にとってのwell-beingを実現するために、仲間とともに心地よく迷いながら、自分なりの市民性を探求するプログラムです。
今年は30名がみつめるコースを受講し、そのうち23名がうけとるコース、はたらきかけるコースに進みました。今回は今年のCforCプログラムで起きていたことを紹介します。

参加者に起きていた学び

CforCのコアと言っても過言ではない「リフレクション」では、実際に自分が子どもと関わった経験について、具体的なやりとりから子どもや自分の願い/価値観について深めていきます。

タダで買えるお菓子ない?という子ども 〜頭ごなしに反応されたら開示できない〜

ある参加者のAさんは関わっている駄菓子屋にやってきた子どもBちゃんとのやりとりを取り上げました。
Bちゃんはお金を持ってきておらず「タダで買えるお菓子ない?」と聞いてきたそうです。Aさんはタダで買えるお菓子はないことを伝えながら「ちなみに何が欲しい?」とも聞いてみました。
いくつかやりとりをした後、「じゃあ100円あったら買いたいものかごに入れてくれる?Bちゃんおすすめセット作って売ってみようよ!」とAさんは言いました。Bちゃんは楽しそうにおすすめセットを作ったそうです。

大人として社会のルールを伝えることと寄り添うことの葛藤

このリフレクションでは、参加者のCさんが同じグループに参加していました。CさんはAさんの話を聞きながら、こんな気づきを教えてくれました。

  • 私がこんな場面に出くわしたら(大人として子どもに社会のルールを教えなければという気持ちが先に来てしまい)、「子どもの心に寄り添う」を見失ってしまうかもという不安な気持ちが最初に湧いてきた

  • 万引き=悪いこと=悪いことをする子=要注意人物、というラベルをその子に貼りそうになっていたことにも気付かされた

  • 「お金持って来てね〜」と言い、「万引きお断り」みたいは張り紙をしたら その子は駄菓子屋から、子どもにとってワクワクする社会から「排除」してしまうことになる

ある場面を切り取っても、その場面の見方や子どもへの接し方は人それぞれです。
だからこそ、CforCで他者と共に学ぶことで、他者の眼差しの背景と自らの眼差しに気づき、見立ての幅を広げていく。それが私たちの住むまちに優しい間が広まっていくことになっていくと思っています。

CforC2022の詳しい報告は、PIECESの年次報告書で改めてお伝えします。2023年6月頃の発行になりますので、お楽しみに!

報告:CforC担当 くり

PIECES寄付者限定オンラインスペースPiece for Peace~2022年10月-12月のダイジェスト~

PIECES寄付者限定のオンラインスペースPforPの様子をお知らせします。
※PforPは、PIECESにご寄付頂いているみなさまが、社会も自分もwell-beingになることを目指して、イベントの参加や寄付者同士で交流できるオンラインコミュニティです(詳細はこちら)。

日常を豊かにし、市民性を醸成するオンラインスペースPforPのダイジェスト

Citizenship lab~小澤いぶきイラク活動報告会~を開催しました

認定NPO法人PIECESは、特定非営利活動法人 JIM-NET(日本イラク医療支援ネットワーク)のイラクでの事業に、トラウマインフォームドケアや、子どもや子どもに関わる人たちの持つレジリエンスをエンパワメントするという観点から関わっています。

2022年10月にPIECES代表理事の小澤がイラクに赴き、JIM-NETのこれまでの知恵や経験、専門性にPIECESの知恵と専門性を重ね合わせて、小児がんの子どもに関わる大人たちが自分たちをエンパワメントし、子どもへの健やかな関わりにつなげていくピアグループのサポート、そして子どもや自分たちのケアの実践に向けたワークショップと研修を開催しました。活動報告会ではイラクで実施したこと(トラウマインフォームドケア・子どもへの関わり、子どもに関わる大人自身のセルフケア、難民キャンプ・学校や家庭訪問の実施)を紹介し、小澤自身が感じた想いなどを共有しました。

▶開催概要 10月21日(金) 21:30-22:30

▶「Citizenship Lab」とは

”市民性に触れ、市民性を探求する”をテーマに、社会にもっと市民性が広がっていくことを目指し、ゲストの方をお呼びしてそれぞれの分野での市民性について学んだり、メンバー間対話よりこれからのアクションについて考えたりするイベントです。


【vol.12 もし僕がダメになったら、助けてほしい。】

▶今回対話するメイトは?

Hikariさん:
東京都から継続寄付で参加しています。瞑想と運動で日々心を鍛えています。

▶開催概要

・10/28(金)@YouTube

・話し手:Hikariさん・まいまい・ゆいつん

▶ハイライトpick up!

  • PIECESの発信にも度々登場する、「まわりに助けを求めるハードル」。Hikariさんご自身が周りを頼るのがニガテだと思うからこそアクションした、自分のための小さな一歩と、周囲への温かな願いとは。

  • 続いてのテーマは「無条件のやさしさ」。3人で対話を重ねるうちに辿り着いたのは、日常的すぎて見逃しているわたしたちの市民性でした。

【vol.13 雑談という処方箋】

▶今回対話するメイトは?

たーやさん:
普段は病院で事務をし、地域活動として「暮らしの保健室」にスタッフとして参加しています。
以前は青年海外協力隊としてバングラデシュなどにも行っていました。
世代に関わらず「孤立」によって起こる困りごとにどう関わればいいのか悶々としていたじきがあり、そろそろ行動に移したいという思いもあってPIECESへの寄付をはじめました。

▶開催概要

・11/25(金)@YouTube

・話し手:たーやさん・まいまい・ゆいつん

▶ハイライトpick up!

  • 「病院だけでは治せない病気があると思う。」病院勤務と地域活動をしながらたーやさんが感じていることとは?

  • 医師、栄養士、社会福祉士といった専門職の方々も多い環境にいらっしゃるたーやさん。そんな中で、たーやさんだからこそ築けている地域での関係性について伺っていきました。

▶ふとんで#まどラジオとは?

PIECESメイト同士が、自分の暮らしのサイズ感で市民性について対話するラジオです。
毎月第4金曜夜に20分程度配信しています。(2022年12月からお休みし、過去のアーカイブを配信しています)


PforPコミュニティづくりを検討するため、個別ヒアリングを実施しています!

Piece for Peace(PforP)がスタートして1年が経ちました。現在、約140名の方にPforPにご参加頂いています。毎月イベント等を開催していましたが、一旦PforPにご参加頂いている方の声を聞き、改めてイベント企画やコミュニティ運営を検討することになりました。2022年12月までに20名の方にヒアリングにご協力頂いております。今後も引き続きヒアリングを実施しながら、みなさんが参加したくなるイベントやコミュニティ運営をしていきたいと考えています。


Piece for Peaceへのご参加をお待ちしております。

PIECESメイトのみなさんと、市民性醸成の道を一緒に歩んでいけること、楽しみにしています(単発寄付者の方も、期間限定でPforPに参加いただけます)。

子どもの権利月間終了のご報告

改めて、子どもの権利条約を広く普及したい

すべての子どもは生まれながらにして「子どもの権利」を持っています。
しかし貧困や虐待などを背景に、子どもたちの尊厳がないがしろにされている出来事が多々起こっています。虐待相談対応件数は年々増加し、命が奪われる事例も後を絶ちません。

今、改めて子どもの権利の重要性をとらえなおし、より広く発信していく必要性があるという想いから、子どもの権利月間キャンペーンを実施しました。

特設サイトでは、子どもの権利条約の4つの原則、4つの権利の紹介のほか、専門家へのインタビューや私たちの暮らしと子どもの権利を紐解く事例紹介も掲載しました。

この期間、SNSを中心に子どもの権利に関する情報発信を強化し、延べ18万人の方に届けることができました。期間中、情報を受け取ったり拡散してくださった方、イベントに参加してくださった方など、本当にありがとうございました。

すべての子どもたちが持つ「権利」が守られ、こどもがこどもでいられる社会をつくるためには、子どもに関わるすべての人が、子どもたちに起きている現状について知り、関心を寄せ、権利が実現されるように行動することが大切です。 
私たちPIECESは、今後もより多くの人が情報に触れることを目指して、広報・啓発の活動に力を入れていきます。

代表理事 小澤いぶきからのお礼

12月15日までのPIECESの子どもの権利月間・寄付キャンペーンが終了しました。
キャンペーンを一緒に広めてくださったり、メイトになってくださったり、寄付は難しいけれど応援しているよとメッセージをくださったり、一人一人の大切な思いを共有してくださり、本当にありがとうございました。
この期間で10名の方に新しくPIECESメイトになっていただきました。 また、来年度の活動の支えとなる33件のご寄付もいただき、ともに活動を広げてくださる仲間が増えて大変嬉しく思います。

誰もの権利と尊厳が大切にされる社会。それは、設立当初からの変わらぬ思いです。
子どもの頃から誰もが一人の人として大切にされる。
一人の権利主体として尊厳を尊重される。 私たちの市民性が社会に満ちた時にその社会が生まれているのだと信じて、これからもこれを読んでくださっているみなさまと一緒に、手元から社会を共に育み、市民性を醸成していきます。
「こどもがこどもでいられる社会」は、 「私が私でいられる社会」でもあり、これを読んでくださっているみなさまが大切にされる社会でもあります。

寒い日が続きますので、どうか年末も心身を大切にお過ごしください。

PIECES代表理事 小澤いぶき

専門家インタビュー

子どもの権利と私たちのくらしを紐解く

小澤いぶきによる解説などの詳細はこちらからご覧いただけます。

「支える、関わる、ともにいる」とは?~待つことから生まれる市民性~|CforCレポート

自分なりの「市民性」を探求していく

私たちPIECESが行うCitizenship for children(略してCforC)は、「自分にできることで子どもや地域・社会に関わりたい」という想いを持った、専門職でも支援者でもない、一般市民向けに行っているプログラムです。

CforCでは、誰かのことを気にかけたり、想像したり、自分にできることを考えたり、まなざしを向けてみたり…そんな私たちの心の中にある「心の灯火」のことを「市民性」と呼んでいます。

いわゆる専門職や支援職を育成するプログラムではないからこそ、1人の人であり市民である自分を客観視すること。答えを求めるのではなく、学び続け、問い続ける姿勢を持つこと。

そういった「市民性」を仲間と学びあうことで探求していきます。



答えのない問いに向き合う

CforCみつめるコースは全3回の開催で、各回とも講座とゼミのセットで進んでいきます。

第3回目のゼミでは、「自分らしい市民性を探る」をテーマに、「子ども視点から子どもへの関わりを考える」、「自分らしい関わりを探る」というワークを行いました。

大人が子どもに教えるというスタンスではなく、「子どもたちから学ぶ」や「専門性と市民性」というキーワードも参加者の皆さんにとって、ゼミのテーマを考える大切なポイントになっていました。

ゼミの最初には、今回の講師であるプレーワーカーの神林俊一さんの動画の内容に関してグループで対話を行い、神林さんの関わりにはどんなまなざしがあるのか?、「支える、関わる、ともにいる」とはどういうことか? について考えました。

このワークでは、参加者同士で安心安全な場をつくりだし、結論や正解を求めずに、「子どもとの関わり」について考えを深めることができたようです。

最後に「みつめるコース」全体を振り返る時間が設けられ、その結果を参加者の間で共有してゼミを終了しました。みなさんからは CforC の安心できる場が新鮮だったという声や、これまで囚われていたことに気付いたという声も聞かれ、これから取り組んでみたいことについても、さまざまな希望やアイデアが出てきました。

実際の参加者からの感想を共有します。

参加者からの感想

カオスな空間を、流れのままに全員の「居場所」として機能させることの難しさを日々痛感しています。そういう意味で神林さんのお話はとても貴重なものでした。
特に参考になったのは子どもとの「距離感」。どこまで待つのか、いつ話しかけるのか。神林さんの絶妙な距離のとり方はこれからの活動に取り入れていきたいです。

子どもにとっての遊びとは社会とつながること。自分の生きている存在価値。遊びのなかの関わりは目的や終着点を必要としない。共感や願いがあればよい。
これまでの私は、無意識に子どもの支援に何らかの結論や広義的な正解のようなものを導きだそうとしていた。だが、もっと自然でよい、ひとりの人間として子どもたちと共にいるだけでよいのだ、と思えるようになった。気負いがなくなり、普通に子どもたちと居るだけで心があたたかく感じられるようになった。


正解のない問いを考え続けていくこと

参加者から共有された声を聞くと多くの学びや気付きがあったと感じていただいたようです。一方で、子どもとの関わりに正解はないということも受け止め、そのうえで「一人ひとりの子どもの力や願い」を信じて向き合い、そして「待つこと」が大切だというかんぺーさんのメッセージが心に響いた人が多かったようです。

そして、ゼミを通して大切なキーワードとなっていたのはやはり「市民性」という言葉でした。

「待つこと」とは何か、「市民性」とは何か、という問いに正解はないのかも知れませんが、そのことを考え続けていくことが、子どもたちにとっても大人にとっても優しい社会を創ることに繋がるのではないでしょうか。

参加者のみなさんがその意味を探す旅を続けていくきっかけになった一日になったように思います。

執筆:シゲさん
編集:ゆか

【イベントレポート】問いのじかん  VOL.3 今西洋介さん

PIECESがお届けした「問いを贈ろうキャンペーン」。

「問い」を通じて自分や他者、世界に想いを寄せる。その想像力の先に、誰もが大切にされる社会があると信じて、このキャンペーンを行いました。

代表の小澤いぶきが「問い」をゲストとともに深め、考えるオンラインイベント「問いのじかん」最終回は、新生児科医/小児科医の今西洋介さんをゲストにお迎えしました。

今西さんは、新生児科医として赤ちゃんの命に向き合いながら、子どもに関するニュースについて毎日SNSを通じて発信をしており、社会問題を考える小児科医として活躍されています。
今回の対談では、今西さんに答えていただいた「問い」の話や、専門医同士の異なる視野から社会問題についてお話しました。

こちらのレポートでは、配信の内容を簡単に紹介します。

今西さんに答えていただいた「問い」とお返事

問いの答えに込められた想い

今西さんはSNSで発信する際、医療と子どもの社会問題の結びつけて啓発しています。

児童虐待など子どもが関わる悲惨な事件などが起きたとき、その背景に目を向けて見ると、ほとんどの場合は個人の問題ではなく社会が生んだ悲劇であることが多いです。子どもを取り巻く現状は、家族だけではなく社会の仕組みに原因があるのではないかと話してくれました。個人を責めるのではなく、社会にも問題提起をする必要があると考えていると話してくれました。

また今西さんは「母性」ではなく「育児性」という言葉を用い、性別や血縁を問わず、社会全体で子育てをしていくことが重要だと考えているそうです。これまでの女性の家事に対する社会通念や男性の長時間労働など様々な問題が、結果として現在の育児の困難に繋がっていることを教えていただきました。

家族へ贈る言葉

「三姉妹の過ごす未来がこのままでよいのか」という疑問が、今西さんの活動の原動力となっているそうです。これからの未来を生きる子どもたちが、「女性らしく」ではなく「人間らしく」生きられる社会を目指しているとお話してくださいました。今西さんの活動が家族の未来にも繋がっていることが、「お父さん何とかするから、応援してほしい」という言葉となりました。

専門職と社会をつなぐミドルマン

専門家が持つ有益な情報を社会に届けるためには、難しい専門知識を簡単に伝えることができる人材(ミドルマン)が必要不可欠です。さらに専門家以外の人々が情報を広げていくことが、より良い社会に繋がると話してくれました。性別や人種、年齢に関係なく、知ろうとする事から始めることが重要です。専門職でなくても、社会の一員である私たちにできることを教えていただきました。

また物事を知ろうとする姿勢が優しさを生むこと、例えば発達障害について知ることが当事者への配慮に繋がることをお話していただきました。

物事を知ろうとする際に重要なこととしては、単一の情報源ではなく公的機関や専門職など様々な頼り先をつくり、どの情報が正確であるかを判断する能力が必要であると話されていました。

小児科医として伝えたいこと

小児性被害など子どもを取り巻く様々な問題について、世間の認識と実態が乖離していることが多いと感じているそうです。そのギャップを埋めるための情報発信や啓発が重要であると話されていました。

また新生児医療に携わるなかで、お子さんを亡くされた家族の方へのブリーフケアが足りていないこと、家族だけで抱え込まずに周りを頼ることが必要であるとご指摘されていました。
生と死はかけ離れたものではなく隣りあわせだということ、一日一日を大切に生きてほしいと話してくれました。


今西さんからのメッセージ

子育ては周りを頼ってよいこと、また頼られた側も家族や会社、地域の人に頼っていくこと、それが社会全体で子育てをするということです。

子どもがいるいないに関わらず、子どもたちに手を差し伸べていただけたらと思います。

今西さんの活動への思いから社会を知り、子どもたちに目を向けるきっかけになりました。また社会全体で子どもたちを守り育てるという、各々が「育児性」を持つような世界になってほしい、そのような世界の一員でありたいと強く思いました。

最後になりますが、ゲストの今西洋介さん、配信を見てくださった皆さん、本当にありがとうございました。

執筆:広報ファンドレイズ インターン 大久保

以下よりアーカイブをご覧いただけます。

PIECES寄付者限定オンラインスペースPiece for Peace 【9月の活動ダイジェスト】

寄付者限定のオンラインスペースPforPの9月の様子をお知らせします。
※PforPは、メイトの皆様が寄付をしながら、社会も自分もwell-beingになることを目指して、イベントの参加やメイト同士で交流できるオンラインコミュニティです(詳細はこちら)。

日常を豊かにし、市民性を醸成するオンラインスペースPforP9月のダイジェスト

ふとんで#まどラジオVol.11 【次の時代に生きる子どもたちに、残したい世界はどんな世界ですか】

▶今回対話するメイトは?

愛知在住のご夫婦、ゆうことすすむさん。娘さんが大学進学を機にお家を出たのをきっかけに、PforPに加入してくださいました。

「PforPは、正直遠い世界の話かと最初は思っていた」

そんなすすむさんがPforPに参加し、#まどラジオで対話してくださるまでの経緯とは?

▶ハイライトpick up!

  • 長年ピアノの先生をなさっているゆうこさん。3歳の生徒さんとの時間は「ドレミ」ごとに色分けし塗り絵も取り入れてみたり、思春期の生徒さんとの時間は人との比較よりも出来るようになったことに目を向ける声かけをしてみたり。試行錯誤の連続だけど、そんな日々が好き!と子どもたちとのエピソードを語ってくださいました。

  • まどラジオ公開日は、PIECESの「問いを贈ろうキャンペーン」真っ只中。「次の時代に生きる子どもたちに、残したい世界はどんな世界ですか」など、キャンペーンの問いかけを置いて、対話していきました。

▶開催概要

・9/23(金)@YouTube

・話し手:ゆうこさん・すすむさん・まい・ゆいつん

▶ふとんで#まどラジオとは

PIECESメイト同士が、自分の暮らしのサイズ感で市民性について対話するラジオです。

毎月第3金曜夜に20分程度配信します。週末の夜、ゆるゆると聞いてみてください◎


HIPAHIPAweek~大人のサードプレイスとまちづくりーまちで自分が好きな場所を再発見するーライブ配信しました!

毎月HIPAHIPA#まどラジオイベントを開催していますが、8月1日~9月18日までHIPAHIPAweek2022夏を開催しました。9月5日にオンライン企画として地域で子どもから大人まで立ち寄れる場やワークショップを開いているゲストを招き、「大人のサードプレイスとまちづくり」をテーマにライブ配信をしました。

グラレコをボランティアメンバーのはるかちゃんが描いてくれました!

ゲストが感じている好きな場所や苦手な場所(行きにくい場所)を聞きながら、「どんなまちであれば、大人と子どもが一緒に集えるのか」について語りました。‘子どもの居場所’は良く聞くけれど、’大人の居場所’はまちの中にないのでしょうか。大人も子どもも一緒に交じって過ごせる居心地の良い場所があればもっとまちは良くなる、わたしたちは目の前の相手に優しくなれるのではないかと感じています。

ゲストが住んでいるまちの良さ、居心地が良いと感じられる場所、一方で課題に感じていることなどを語っています。住んでいるまちへの愛を感じられる、1時間になっています。アーカイブを残していますので、よろしければご覧ください。
YouTubeリンクはこちら

<ゲストスピーカー>
影近卓大さん(かげさん)

訪問看護ステーションや重症児者のデイサービスを運営する合同会社ライフイズ ・一般社団法人Lifeis代表。
東京都多摩市にて2021年4月「+laugh(アンドラフ)」という障害の重い方や医療的ケアの必要な方など、いわゆる重症児者が通う事業所を開設。その事業所の一角をフリースペースとして開放したり、駄菓子屋を開いたりと多様な取り組みをされています。

増田真紀子さん(まきさん)
NPO法人ただいま代表理事。真宗大谷派正安寺坊守。
茨城県ひたちなか市にあるお寺の敷地を活かし、子どもの居場所運営支援事業「てらこや」、フリースクール「ふらっと」、地域食堂事業「ただいましょくどう」、フードパントリー事業「TeToTe」、子育て交流の場「ママカフェ」などを運営しています。

近藤ななえさん(ななさん)
「こぱん」代表。「こぱん」は東京都世田谷区で、子どもたちが安心して過ごせるように地域を見守りされています。また、見守りの目をふやすためにワークショップなども毎月開催しています。

HIPAHIPAweekとは

PIECESでは、子どもが孤立せず「こどもでいられる社会」を目指し活動しています。「こどもがこどもでいられる社会」になるには、大人が自分でいられ、共に生きている、さまざまな人たちへのまなざしのある社会から生まれるものだと考えています。そのためには子どもに関わる大人が増えていくことが重要ですが、普段の生活でまちや子どもとの接点がない人の方もいます。
今回のHIPAHIPAweekでは、まちにある様々な「大人がふらっと立ち寄れる」場所を東京、茨城、千葉、奈良、高知、福岡の12カ所を紹介しました。

紹介ページはこちら


Piece for Peaceへのご参加をお待ちしております。

PIECES メイトのみなさんと、市民性醸成の道を一緒に歩んでいけること、楽しみにしています(単発寄付者の方も、期間限定でPforPに参加いただけます)。


<PforPの今後の予定>

【10/21(金)21:30-22:30@オンライン】Citizenship lab~イラクの子どもたちに出会って~小澤いぶきイラク活動報告会~

10月にPIECES代表理事の小澤がイラクに赴き、特定非営利活動法人 JIM-NET(日本イラク医療支援ネットワーク)のイラク事業の一環として、JIM-NETのこれまでの知恵や経験、専門性にPIECESの知恵と専門性を重ね合わせて、小児がんの子どもに関わる大人たちが自分たちをエンパワメントし、子どもへの健やかな関わりにつなげていくピアグループのサポート、そして子どもや自分たちのケアの実践に向けたワークショップと研修を実施しています。

”小澤いぶきの最近の活動の様子について本人から直接聞いてみたい”
”海外の子どもたちのエンパワメントのために、PIECESの取り組みがどのように生かされているのか詳しく聞いてみたい”
という方はぜひPeatixよりお申し込みください。

※今回は寄付者向けへの報告会となりますが、寄付付きチケットをご購入いただいた方にもご参加いただけます。

10/28(金) 22:00- ふとんで#まどラジオ@YouTube】もし僕がダメになったら、助けてほしい。

PIECESメイトでPforPメンバーのHikariさんをゲストにお話ししました。YouTubeにてPforPメンバーへ限定配信いたします。

【10/24(月) 20:00-21:00@オンライン】 Welcome会

「PforPってどんなことをしているんだろう?」
「どんな人が参加しているのか?」などPforPに入ったばかりの方、関心がある方向けに2か月に1度開催しています!PforPメンバーのみなさまのご参加も大歓迎です◎

【11/5(土)10:30-11:30@オンライン】チェックイン会

毎月第1土曜日の朝に、雑談兼チェックイン(今感じていることなどを話す)会を開催しています。メイト同士の交流にもなりますし、なかなか外で話せないけど話したいことを共有できる時間になりますので、みなさんのご参加をお待ちしております!

HIPAHIPAweek終了のご報告

まちと接点を持つためのイベント HIPAHIPAweek

8月から9月中旬までの1ヶ月半、HIPAHIPAweekを開催しました。 HIPAHIPAweekは、自分の住むまちと接点を持つためのイベントです。近所の人と出会ったり、困ったことがあったら相談できるような関係性を紡ぐといったことが生まれたらいいなと思い、スタートしました。

2021年から始まり、今回が4回目となる開催。私たち自身も手探りで始め、今回は「大人がふらっと立ち寄れる」ということをテーマに、様々なスポットを記事で紹介したり、ラジオ配信をしました。

HIPAHIPAweekスポット紹介はこちら(12箇所掲載しています)

まちの図書館「なにかし堂」と昭和レトロな商店街のあたたかな日常

福岡の住宅街でスイーツや雑貨を楽しみながら、まちの人と繋がる場所「tori」

地域住民との関係性を育む商店街と、地域の日常を醸すオープンな場「+laugh」

子どもの心の孤立に対して活動する団体がなぜ大人をターゲットにしたイベントを行ったのか

PIECESをすでに知っている方の中には、「なぜ子どもの社会課題に取り組むPIECESが、大人をターゲットにやっているのか?」と疑問を持つ方もいるかもしれません。「直接子どもをターゲットにしたイベントをやった方が良いのでは?」と。もちろん、それも大切だと思います。

その一方で、子どもたちにたくさんの多様な大人が関わっていくことを大切にしたいという想いがあります。 多様な大人が関わることで、子どもたちにとって様々な選択肢が生まれたり、自分について様々な表現をする可能性も出てくるかもしれないからです。

だからこそ、今回は大人をターゲットにしました。 これは私個人の願いになりますが、普段子どもに関する活動をしているわけではなくとも、たまたま近所の子どもと知り合い、なんとなく顔見知りになるということが起きたらいいなと願って。

私自身、たまに「子どもとどう接していいかわからない」と言われることもあります。子どもと普段関わっていないから正解がわからないと。 でも、それでもいいと私は思います。みんながみんな同じ関わりをしなくていい、むしろその方が良いと思っています。

いろんな意見を言う大人やいろんな関わり方をする大人から、子どもたちは自分で選び取っていきます。同じ大人ばかりでは、合わない子にとってはしんどいと思うので、その目の前の子を想って、多くの大人が子どもたちに出会ってくれることを願っています。

こちらはTwitterの投稿内容の転載となります。一部語尾など修正をしています。

執筆:PIECESスタッフ くりちゃん

#問いを贈ろう キャンペーンにご参加いただき、ありがとうございました。

8月15日からの7週間、PIECESから贈る20個の「問い」を通じて自分や他者、社会や世界に想いを寄せ、より良い社会を目指すきっかけをつくる #問いを贈ろうキャンペーン。期間中、多くの方にご参加いただき、本当にありがとうございました。

「問い」を通じて自分や他者、世界に想いを寄せる、その想像力の先に、誰もが大切にされる社会があると、私たちは信じています。
異なる私たち一人ひとりが大切にされている、そんな社会は誰かがつくる確固たる正解ではなく、ふと感じる違和感や、私たちが受け取る願いや問いから、始まっていく。そんな思いから、2021年からキャンペーンを開始し、今年は2回目の開催となりました。

「問い」に対するアクション(いいねやリツイート、リプライなど)の数で、自分や社会、世界に対する関心の広がりを測り、今年は昨年生まれた2,000件のアクションがさらに広がりました。

参加者の投稿

いいねやリツイートはもちろん、たくさんの方が問いに対するお返事を発信してくれました!
みなさんの多様なお返事から、たくさんの気づきや新たな視点を得ることができました。

参加者の声

・自分の内面や頭の中にあるものを探索する楽しさに気づきました。

・意識して深呼吸する時間になって、それが定期的に訪れるというのがありがたかった。

・問いの贈り物って改めて本当に素敵。 大切な人に贈りたい言葉は何かと問われるとまず、「私にとって大切な人はだれだろう」と考える。 自分の内側を冒険するための切符。まさにギフト。 素敵な問いの数々を、心からありがとう。

・日々いろんなことに追われていると、自分の感情を大切にできなかったり、向き合えなかったり、「問い」まで辿り着けないことが多々あります。 本キャンペーンで贈られてくる問いの数々は、立ち止まって考え、自分の心が何にどう反応し、何を感じるのかを味わう機会になりました。

・育休中で他者と話す機会が極端に減りました。赤ちゃんを寝かしつけた後に考える問いで、みなさんと一つのワークをしている喜びがありました。良い機会をありがとうございました。

・たった一言の問いかけと、そこから湧き上がる短くシンプルな自分だけの、"私"だけの答え。そこに今の自分が一番大事にしたいことが詰まっている。 私が私と向き合う時間をありがとうございました。そしてそんなたくさんの「私」に出会うことができ、心があたたかくなる時間をたくさんいただきました。

・素敵な瞬間をありがとうございました。新しい問いが流れてきた時は「今日は何かな?」とワクワクしながら参加しました。ネットの中に優しさが足りない時代なので…自分や他人へ思いを馳せるタイミングが増えていくといいですね。わたしも頑張ります。

・問いの根本を考えるようになりました。人はなぜ問いを持ち、問いに何を期待するのか。

・自分で自分にはなかなか問いかけられなかったりするので、よきせぬ問いから自分のことを見つめ直せました。

・問いは社会を繋ぐし、可能性を広げると改めて感じた。 Twitterとの連動でより強く上記の気づきを感じられて面白かった。

なぜ、PIECESが「問い」を贈るのか

「子どもの孤立」という問題に挑むPIECESが、なぜ「問い」を贈っているのか。
それは、子どもが孤立せず「こどもでいられる社会」とは、大人が自分でいられ、共に生きている、さまざまな人たちへのまなざしのある社会から生まれるものだと考えているからです。

「問い」を通じて想像すること。その想像力の先に、誰もが大切にされる社会があると私たちは信じています。 一見、結びつかないように見えるこの取り組みも、私たちの目指す社会をみなさんと一緒に広げていく営みだと思っています。

PIECESが贈った 20の「問い」

問いは、PIECESが全国で展開している市民性醸成プログラム「Citizenship for Children」で長年培ってきた問いかけのエッセンスを凝縮させたものです。#自分をみつめる #まわりをみつめる #世界をみつめる の3つのテーマに紐づいて問いを贈りました。すべての「問い」はキャンペーンサイトからご覧いただけます。

著名人からの「問い」のお返事

さまざまな分野で活躍する【18名】の方々から、問いのお返事をいただきました。みなさんのお返事はPIECES公式Instagramよりご覧いただけます。

オンラインイベント「問いのじかん」

代表の小澤いぶきが「問い」をゲストとともに深めました。たくさんの方にご視聴いただき、ありがとうございました。以下よりアーカイブをご覧いただけます。

#問いのじかん

ゲスト福田萌さん(タレント)

#問いのじかん「問いからみえる私と世界のこと」

ゲスト:佐藤慧さん(フォトジャーナリスト)

#問いのじかん「問いで深める生きるということ」

ゲスト:今西洋介さん(新生児科医)

 

誰もが尊厳ある一人の人として、大切にされるために


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私たちからの問いへお返事をくださったり、問いを誰かに共有してくださったり、たくさんの方々とこの1ヶ月半を共にすることができました。本当にありがとうございます。

「問い」を通じて立ち止まり、この世界を共にしている自分や他者、世界に想いを寄せることは、共に生きる人を優しく想像することでもあります。  

私たちの暮らしを見つめると、そこにはすでに多様な世界があります。
問いを通して、すでにある多様な世界に目を向け、その世界を感じ、受け取り、働きかけていくことの先に、誰もが大切にされる、子どもが子どもでいられる、自分が自分でいられる世界があると私たちは信じています。
だから、この取り組みを通して、願う社会を皆さんと一緒に広げる営みを続けていきたいと考えています。

問いを贈ろうキャンペーンは終わりますが、問いを贈り合い、応答しあう営みは、市民性の大事なエッセンスとして続いていきます。これからもぜひ、その広がりを一緒に育んでいただけたら嬉しいです。

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代表理事 / Founder
東京大学医学系研究科 客員研究員/ 児童精神科医


イラクでワークショップおよび研修を実施します。

PIECESは、特定非営利活動法人 JIM-NET(日本イラク医療支援ネットワーク)※のイラクでの事業に、トラウマインフォームドケアや、子どもや子どもに関わる人たちの持つレジリエンスをエンパワメントするという観点から関わっています。

この度、10月にPIECESの代表理事小澤がイラクに赴き、JIM-NETのこれまでの知恵や経験、専門性にPIECESの知恵と専門性を重ね合わせて、小児がんの子どもに関わる大人たちが自分たちをエンパワメントし、子どもへの健やかな関わりにつなげていくピアグループのサポート、そして子どもや自分たちのケアの実践に向けたワークショップと研修を行うことになりました。

JIM-NETがイラクにおいて、民族や文化といった様々な異なる背景を持つ方々との協働を丁寧に育んできた土台の上に、PIECESが日本で行ってきたトラウマインフォームドケ、心のケア、市民の力のエンパワメント、子どもへの関わりの知恵を重ね、すでに現地にある知恵や経験、レジリエンスを大切にしながら連携していきたいと考えています。

これまで日本における市民性の経験と知恵を共に耕してきた寄付者の皆さまに向けて、帰国後、報告会を予定しています。参加をご希望の方はぜひお申込みください。

※JIM-NET…イラク小児がん医療支援、シリア難民支援、福島基金(福島の子どもたちを放射能から守る活動への助成)を行うNGO


※今回は寄付者向けへの報告会となりますが、寄付付きチケットをご購入いただいた方にもご参加いただけます。

【イベントレポート】問いのじかん  VOL.2 佐藤慧さん

PIECESがお届けする「問いを贈ろうキャンペーン」。

「問い」を通じて自分や他者、世界に想いを寄せる。その想像力の先に、誰もが大切にされる社会があると信じて、このキャンペーンを行っています。

オンラインイベント「問いのじかん」スペシャルバージョンでは、代表の小澤いぶきが「問い」をゲストとともに深め、考えます。二回目はフォトジャーナリストの佐藤慧さんをゲストにお迎えしました。

佐藤慧さんは、ウクライナをはじめ、これまでに様々な紛争地域を訪れ、平和について考え、発信されています。今回の対談では、慧さんが様々な地域で取材をされてきた経験から考えたことや大切にしていることを伺いました。

佐藤慧さんに答えていただいた「問い」とお返事

問いの答えに込められた想い

問いを受け取ったとき、思い出した二つの出来事について話してくれました。
一つは、パレスチナのガザにいる友人が「空を見るとビクビクしてしまう」と話していたこと。もう一つは、ウクライナで取材をしたとき、お孫さんとともに避難している方が「孫たちにはどんな未来を望みますか」という問いに対して、「平和な空さえあればいい」と答えたこと。

空が平和であることが、非日常になっている人がいるということ、そして平和でない空について子どもたちに問われたとき、私たちは答えを持っていなくていいのかという葛藤を感じられたそうです。
空は世界とつながっている感覚を知れるものだと思っていたが、その空を見上げること自体が、人の持つ暴力性を知るものとなったとき、私たちができることは何かを考えたいと小澤からコメントがありました。

「痛み」と「想像力」の欠如

ガザでは毎年3月に、東日本大震災の犠牲者を悼むために凧あげを行い、「この空はつながっている」というメッセージを送るイベントがあるそうです。佐藤さんはそれを知ったとき、嬉しさと同時に知らなかったことへの後ろめたさを感じたと話してくれました。空を見て「怖い」と思う人が少しでも減って、ポジティブな意味を持つことを願っているとお話してくれました。

佐藤さんは紛争地域などでの取材を通して、人がこんなに簡単に人を殺してしまうのは「痛み」と「想像力」の欠如があるからではないかと話してくれました。一人ひとりの痛みや苦しみを知りたいと思う心の姿勢やその想像力があればブレーキがかかる、それが世界に広がって欲しいという願いを話してくれました。


発信するときに気を付けていること:人の背景にある「縦の軸」と「横の軸」

誰か人と会うとき、私たちはその人に対して、受ける印象や自分なりの思い込みを持ちます。けれど、一歩俯瞰して、その人のこれまでのこと<縦の軸>、その人の横にいる友人や様々な人とのつながり<横の軸>、苦しみや喜びなどを想像することで、その人に対する壁を緩やかにすることができると話してくれました。一方で、戦場や貧困地域などで取材をする際は、勝手に想像して決めつけない、逆に想像できないこともあるという感覚も持つようにしていると話してくれました。

怒りや憎しみなどの負の感情の連鎖はどんどん続いていきます。人々の傍らにある世界を少し想像することで、自分の負の感情を止めて他の人に伝染させないということも、実は世界に対する小さな小さな貢献に繋がっているというお話がありました。

小澤はDialogue for Peopleが発信する記事について、その人が捉えている世界を大切に、分からない世界があることを前提にして書いている印象を受けると話しました。佐藤さんは記事を書くとき、「何のために伝えるのか」ということを常に意識し、声をあげようとしている人に重きを置いていると話してくれました。それを伝えてどんな世界になって欲しいのか、その声を届けてくれた人にとって少しでも生きやすい世界にするためにはどんな記事にすればよいのか、ということを考えているそうです。声をあげようとしてくれる人たちと一緒に、言葉を育んでいくという言葉が印象的でした。


「人権」が当たり前の社会へ

今の時代は特に、人権を社会へインストールすることが大切だというお話がありました。
足りなさを克服することを発展と呼び、便利さが進むことが幸福の尺度になっているが、佐藤さんにとっての幸福の尺度は、一日のうちにどれだけ感謝を感じられたかであるとお話くださいました。何事もあたりまえでないことに気づき、一人ひとりが自分の存在や何かにありがたいという気持ちを感じることができれば、人権が尊重される社会になると話してくれました。

小澤からは、本来当たり前ではないが、日常で当たり前になっていることに気づくメガネをかけることが大切だという話がありました。それと同様に、日常にある「権利」や「差別」に気づくメガネをかけられると、普段気づかなかった身近な権利に気が付けるのではないかという話がありました。
差別とは無自覚さから生まれるもので、自分が差別している側であることも多くあり、それに気づくことは一人では難しい。それに気が付くために、だれかと「問い」を投げかけあうことが必要だと佐藤さんから話がありました。

佐藤慧さんに答えていただいた「問い」とお返事

自分にとって大切な人を大切にする

平和をつくるのは、自分の大切な人を大切にすることの積み重ねであると佐藤さんはおっしゃっていました。
すべての人と仲良くすることはできずとも、その人を社会から排除しないことが重要である。排除しないということが人権や命の価値を考える最低限のベースだと話してくれました。そのためにも、まずは自分の周りの大切な人に笑っていてほしいという身近なところに立ち戻ることが大切だと話されました。
社会全体で排除を生まないようにしていくにはどうしていくべきか、多くの人と考えていきたいと小澤からコメントがありました。

佐藤慧さんからのメッセージ

様々な地域や文化に触れて、「世界はこんなにも多様で、こんなにも自分が知らないものがあるんだ」ということに気づき、「もっともっと色んなものに触れたい」という気持ちを育んでいってほしい。そうすれば戦争ほどくだらないものはないと思えるはず。

佐藤さんの問いのお返事をきっかけに、世界に目を向ける時間になったと同時に、自分の身近なことや人との関わりの大切さに気づく時間にもなりました。当たり前になっていることへのありがたさに気づき、大切な人と手を取り合って生きる自分でありたいなと感じました。

最後になりますが、ゲストの佐藤慧さん、配信を見てくださった皆さん、本当にありがとうございました。

執筆:広報ファンドレイズ インターン 小森佳歩

以下よりアーカイブをご覧いただけます。

PIECES寄付者限定オンラインスペースPiece for Peace 【8月の活動ダイジェスト】

寄付者限定のオンラインスペースPforPの8月の様子をお知らせします。
※PforPは、メイトの皆様が寄付をしながら、社会も自分もwell-beingになることを目指して、イベントの参加やメイト同士で交流できるオンラインコミュニティです(詳細はこちら)。

日常を豊かにし、市民性を醸成するオンラインスペースPforP8月のダイジェスト

Citizenship lab~オンライン読書会を開催しました!

今回は、PforPのメンバーとオンライン読書会を実施しました。「最近読んだ本・おすすめ本の感想シェア会」というテーマで、メイトの皆さんと一緒にそれぞれの紹介する本の内容となぜその本を紹介したいと思ったのかの背景について話していきました。

イベントの中で紹介された本はこちら。

・『ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力』帚木蓬生著

・『タゴール・ソングス』佐々木美佳著

・『急成長を導くマネージャーの型 ~地位・権力が通用しない時代の“イーブン"なマネジメント』長村禎庸著

・『汝、星のごとく』凪良ゆう著

▶開催概要 8月27日(土) 13:00-14:00

▶「Citizenship Lab」は、”市民性に触れ、市民性を探求する”をテーマに、社会にもっと市民性が広がっていくことを目指し、ゲストの方をお呼びしてそれぞれの分野での市民性について学んだり、メンバー間対話よりこれからのアクションについて考えたりするイベントです。


ふとんで#まどラジオVol.10 【見えないものを見ようとして】

▶今回対話するメイトは?

ミキティ:

フリーランス。NPOピッコラーレ事務局、大学生のカウンセラー、企業の研修講師などをしています。

できることはカウンセリング、ヒーリング、占い。

格闘技が好きでTwitterやyoutubeで常に情報を追っています👀

もうすぐ2児の母!

▶ハイライトpick up!

  • ご自身の「にんしん」をきっかけに、孤立や葛藤は誰にでも起きうる身近なことだと体感したミキティさん。そんなときに「ピッコラーレ」と出会ったとか。ピッコラーレに関わるスタッフさん・利用者さん・寄付者さん、それぞれのエピソードを伺いました。

  • 妊婦さんはマタニティマーク。多様な理由でヘルプマーク。では、一見健康な人が電車の優先席に座っているとき(そして例えば目の前に高齢の方が立っているようなとき)。わたしたちはその場面をどんなメガネで見るのでしょうか。

  • 「見えない何かを持っている方々の集合体が社会だと思う。」その中で、いかに見ようとするか。ミキティさんのそんな姿勢が伝わってくる対話の時間でした。

▶開催概要

・8/26(金)@YouTube

・話し手:ミキティ・まい・ゆいつん

▶ふとんで#まどラジオとは

PIECESメイト同士が、自分の暮らしのサイズ感で市民性について対話するラジオです。

毎月第3金曜夜に20分程度配信します。週末の夜、ゆるゆると聞いてみてください◎


Piece for Peaceへのご参加をお待ちしております。

PIECES メイトのみなさんと、市民性醸成の道を一緒に歩んでいけること、楽しみにしています(単発寄付者の方も、期間限定でPforPに参加いただけます)。


<PforPの今後の予定>

【10/1(土)10:30-11:30@オンライン(zoom)】チェックイン会

毎月第1土曜日の朝に、雑談兼チェックイン(今感じていることなどを話す)会を開催しています。メイト同士の交流にもなりますし、なかなか外で話せないけど話したいことを共有できる時間になりますので、みなさんのご参加をお待ちしております!

「みつめるコース」が終了しました|CforCレポート

プログラムはオンラインにて実施されていますが、一部自主ゼミのみ、対面にて開催されました。

PIECESが行う市民性醸成プログラム “Citizeniship for Chiledren”(略してCforC)。
「地域の子どもたちに自分ができることをしたい」「すでに出会っている子どもたちに寄り添いたい」といった一般市民に向けて、3ヶ月~6ヶ月のプログラムを通じて「私らしい関わり」を探求していくプログラムです。

学びのプロセスに応じた3段階のコースで構成されているこのプログラム。CforCのエッセンスが詰まった基礎編「みつめるコース」は7月から開始し、9月に終了しました。

2022年度は北は山形から南は沖縄まで、30名の方が参加しました。こども食堂や団体を運営している方など自らが中心となって活動している方、ボランティアとして居場所運営に関わる方、これから子どもに関わることをしていきたいという方など、様々な背景を持った方がいます。

講座・ゼミ・自主ゼミから深める市民性

「みつめるコース」は、講座・ゼミ・自主ゼミの3つのプログラムで市民性を探求していきます。
講座では、PIECES代表理事の小澤いぶきをはじめ、アウトリーチ活動を行うNPO法人ビーンズ福島の山下さん、プレーワーカーとして活動する一般社団法人プレーワーカーズ/一般社団法人ジェイス理事の神林さんを講師に迎え、子どもの心のケアや心に寄り添うことについて、事例を交えて学びました。

ゼミでは、安心・安全な場について考えるワーク、自分の価値観や考え方の癖について考えるワーク、子どもへの関わりを探求するワークなど、講座で学んだことをもとに学びを深めました。

自主ゼミでは、自分らしい関わりを探るために自分の強みについて探求するワーク、心で応えるために必要な要素を出すワークなどを通して、講座やゼミでの学びをさらに多角的に探求しました。


「みつめるコース」参加者の感想

安心安全な場を作り出すことの大切さ、実際にどういう場が安全もしくは安全でないと感じるのか、その点の解釈の幅を広げることができました。実際のワークでは、自分とは異なる観点が沢山でてきて、一つの事例をさまざまなレンズで見ることができたな〜と思います。

皆さんから出てくるモノ(オンラインだけど「気」みたいなもの)を浴びることができたみたいです。質疑応答やグループワークで皆さんの話を聞いて、心臓の鷲掴み感を感じました。

「うけとるコース」「はたらきかけるコース」がはじまります

10月からは、子どもと自分の願いや価値観に気づき寄り添う「うけとるコース」、地域で自分らしいアクションを目指す「はたらきかけるコース」がスタートします。
CforCのTwitterアカウントウェブサイトでは、プログラムでどんなことが行われているのかなどの情報を発信しているので、ぜひご覧ください!

イギリス・スウェーデンへ視察に行ってきました。|子どもの権利に関する活動報告

PIECES代表理事の小澤いぶきが、子どもアドボカシー学会が主体となって実施された子どもの権利や意見表明に関する海外視察として、イギリス・スウェーデンに行ってきました。

イギリスでは、子どもの声を様々な方法で聴き、それが子どもを取り巻く環境(家族、学校等、地域や自治体、国の政策)に反映されることを大切にしています。子どもの権利が守られているか、声が聴かれているかなどを独立して調査、把握、提言する機関が機能しています。

子どもの声を聴くことは、常にプロセスであり、聴けていない声もあること、だからこそ、フィードバックをもらいながら改善していく必要があることを政府やコミッショナー、現場の方々が共有しており、子どもの声を絶えず聴き続けようとする姿勢がとても印象的でした。

スェーデンでは体罰禁止法が策定されるまでは、子どもに対する視線が現在とは違ったといいます。体罰禁止法が策定され、それが市民の多くが手に取る牛乳パックなどの媒体を通して日常に認知される中で、子どもが尊厳ある権利主体の一人の人であり、体罰をしなくても育つことが理解され、実践されました。

また、民主主義の価値を育むことが1歳からの指導要領に明記されており、そのためのコアエッセンスである子どもの参画と影響(子どもが周囲や社会に影響ある存在であることを体験する)を、日常の中で体験や遊び、授業を通して学んでいきます。

自分たちの声が聴かれ、応答されること、他者の声を聴き、応答することが、例えば公園や校庭の設計、遊具の設置、保育園での活動にも反映されている光景がとても印象的でした。

PIECESも、誰もが一人の尊厳ある権利主体であるという考えのもと、活動を行っています。特にその権利が見過ごされがちな「子どもの権利」へのまなざしを日々問い直し、海外視察から学んだことを活動に活かしていきます。

※海外視察についての詳しい報告は、子どもアドボカシー学会にて、10月2日18時〜実施されます。
学会登録により参加できますので、この機会にぜひご検討ください。

※PIECESとしての報告会も検討しています。決まり次第、ウェブサイトにてお知らせします。


PIECESは、子どもの周りに信頼できる他者を増やすことで、子どもが孤立しない地域をつくることを目指しています。子どもの孤立が深まる前に、地域の中で子どもを見守り、子どもに寄り添う市民を増やすための市民性醸成に取り組んでいます。

単発でのご寄付や月額寄付者を募集していますので、ぜひご支援よろしくお願いいたします。

【イベントレポート】問いのじかん  VOL.1福田萌さん

PIECESがお届けする「問いを贈ろうキャンペーン」。

「問い」を通じて自分や他者、世界に想いを寄せる。その想像力の先に、誰もが大切にされる社会があると信じて、このキャンペーンを行っています。

オンラインイベント「問いのじかん」スペシャルバージョンでは、代表の小澤いぶきが「問い」をゲストとともに深め、考えます。初回は、タレントの福田萌さんをゲストにお迎えしました。

福田萌さんは現在、シンガポールで生活しながら、児童虐待チーム「こどものいのちはこどものもの」やママのためのオンラインサロンを実施されています。
今回はシンガポールでの生活、子育てから感じる市民性などについて対談しました。

福田萌さんに答えていただいた「問い」とお返事

「いただいた幸せを返したい」という想い

対談では萌さんが現在お住まいのシンガポールで感じる市民性について、伺いました。
シンガポールではお子さんと手をつないで扉を開けようとすると、周りにいる人々が挨拶と共に笑顔でその扉を押さえてくれる、温かい気持ちを沢山受け取っているというエピソードをご紹介いただきました。今回、その方々を思い出し、問いのお返事をくださっています。
シンガポールの人々が温かく接してくれる理由を「その方々自身がそこに居ることを楽しんでいる」「同様の温かい気遣いを受けてきた経験からなのではないか」とおっしゃっていました。温かい気持ちを受け取ることで、萌さん自身も「いただいた幸せを私も返したい」という気持ちが芽生えているとお話くださいました。


違いを認め合う文化

シンガポールで子育てをする中で「多様な人が同じ国で生活していることから『違って当たり前』という文化を感じる」とお話くださいました。会話が円滑に進まなかった際も、理解しようと耳を傾けてくれる優しさがある国だと萌さんは感じているそうです。
相手と接した際に、ラベリングから入るのではなく、純粋な関心から入る特徴があるのかもしれないと小澤は重ねています。子どもを取り巻く環境において、寛容な視点があるということは、SOSを出しやすいことに繋がるという話がされました。

様々な人の視点を入れたまちづくりデザイン

ベビーカーを押していると、ちょっとした段差があるだけで前に進めないなどの経験を通して、母親になって自分が弱者になったような感覚があったとご自身のリアルな想いを伝えてくださいました。
萌さんは、様々な立場の人の視点を持つことが、まちづくりやお店づくりへの新たな気づきに繋がると考えています。小澤も、『もし私がこの人だったら』『この人の経験を社会に繋げるとしたら』という視点を大事にしたいと言及しています。

萌さんからのメッセージ

問いを通じて、自分の状況や自分がされて嬉しかったこと、悲しかったこと、想いを改めて見つめ直すことができています。
是非、問いを通じて、自分の願い、新しい自分を見つけるきっかけにして欲しいです。

シンガポールでの子育てエピソードと共に、新たな視点から「問い」を考えることができた時間になりました。置かれている状況が違えば、感じること、思うことが違うことは当たり前です。
だからこそ、自分の立場を違う人の想いを想像することが、色んな人への安心感や心地よさ、大切にされているという感覚に繋がります。
この時間を通じて、改めて「問い」をきっかけに、自分、地域、世界に対する想像を膨らませていきたいと思いました。

最後になりますが、ゲストの福田萌さん、配信を見てくださった皆さん、本当にありがとうございました。

執筆:広報ファンドレイズ インターン 挽地真央

以下よりアーカイブでご覧いただけます。


次回は、9月16日(金)21:00より、フォトジャーナリストの佐藤慧さんをお迎えし、開催予定です。
PIECES公式SNS(Facebook、Twitter)より、ご自由ご覧いただけます!
YouTubeからご覧いただく場合はこちら https://youtu.be/iBycL-Wakps

また、毎週月・水・金曜日にTwitte、Instagram、LINEにて問いを配信しています。是非、問いを通じて、ホッと一息ついてくださいね。twitterではさまざまな方のお返事もご覧いただけます。

夏休み明け、子どもとのコミュニケーションで大切にしたいこと

夏休みなどの長い休みが終わるとき、普段生活している場所以外の選択があることにほっとしたり、新学期にワクワクしたり、ちょっぴり憂鬱な気持ちになったり、しんどいなぁと感じたり、さまざまな感情が出てくるかもしれません。しんどい、憂鬱だよ、と言えないこともあるかもしれません。

「しんどいな」が埋もれずに、大切にされるためには―

 

子どもとのコミュニケーションで大切なこと

環境が変化する時、わたしたちはいつもとは違うからだやこころのサインを受け取ることがあります。それはとても自然なことであり、わたしたちのもつ力でもあります。

どんな気持ちか、子ども自身も言葉にしづらいことがあります。何かいつもと違うサインが出ているなと感じたときは、以下のことに気を付けて子どもたちとコミュニケーションを取ってみてください。


<言葉かけ>

  • 子どもの感情を否定せずに受け取ってください。子どもは言葉だけではなく、さまざまな形で自分の気持ちのサインを出しています。さまざまな表現を丁寧に受け取り、子どもがどんな体験をしているのかを共有できる安全をつくってみてください。

  • 自身の経験や判断、思い込みをちょっとだけ傍に置いて、子ども自身が何を感じ、どのような体験をしているか、声にしていない心の声に耳を傾けてください。そして、教えてくれた体験や感情に対して、それを共有してくれた勇気への敬意を持ちながら、ジャッジすることなく、「受け取ったこと」を肯定的に伝えてみてください。

  • 子ども自身が「どうしていいか分からない」と感じている場合、立ち止まっている様子がある場合は、そのように感じることもとても自然なこと、そう感じることを共有してくれてありがとうということを伝えてください。そして他の気持ちや感じていることも話したいタイミングで話して大丈夫だということ、どうしていいか分からないことを一緒に考える方法もあるということ、一緒に考えたいと思っていることを共有してみてください。その子が「一緒に考えたい」と感じたタイミングで話してほしいことを伝えてください。

  • 「私以外にも、こんな人に聞いてみたり、こんな場所に行ってみる、こんな選択肢もあるみたいだよ」とうことを、押し付けるのではなく、子どもがどうしたいかを大切にする姿勢で共有するなど、選択肢の情報共有もとても大切なことの一つです。


<行動>

  • 毎日行っていたルーティンや日課を大切にしてみてください。また、規則正しい生活(いつもと同じ時間に寝る、ご飯を食べるなど)は安心感に繋がることがあります。
    すでにやっていること、できていることに目を向けてみてください。歯を磨いた、ご飯を食べた、好きなことをした、漫画を読んだ、疲れたから横になった、深呼吸したなど、私たちは負荷がかかっている時でもたくさんのことをしています。書き出したりリストにしてみることで、目を向けやすくなるかもしれません。

  • 大人が伝えるだけではなく、何より子ども自身の考えや感じていることを聴くことを大切にしてください。今日と明日で意見が変わるのも自然なことです。それを子どもと共有し、安全に声を出していいと思える環境をつくってみてください。

  • 子どもにかかわることは、子どもの考えをまず聴き、話し合って一緒に決めるようにしましょう。

  • 子どもの「やりたい」を尊重する時間を、作ってみてください。

 

子どもの力を信じてかかわる

どんなに小さくても、子どもは尊厳ある一人の人間です。大人がそうであるように、それぞれの考えや視点、感情に耳を傾け、尊重することから心地よいコミュニケーションが始まります。

一人の権利主体であり、尊厳ある「人」として子どもと関わることで、保護者自身の中に葛藤が生まれることもあるかもしれません。ご自身の葛藤も大切にしながら、保護者の方もまた、自分が一人の人として大切にされたり、ケアされる時間をつくってください。

 

書き手:

小澤いぶき

PIECES代表理事・児童精神科医


参考:子どものこころのケアに役立つ資料(兵庫こころのケアセンターより)

https://www.j-hits.org/document/child/


PIECESは、子どもの周りに信頼できる他者を増やすことで、子どもが孤立しない地域をつくることを目指しています。子どもの孤立が深まる前に、地域の中で子どもを見守り、子どもに寄り添う市民を増やすための市民性醸成プログラムを展開しています。

単発でのご寄付や月額寄付者を募集していますので、ぜひご支援よろしくお願いいたします。

みつめるコースがスタートしました|CforCレポート

専門性や経験がなくても、自分にできることで子どもに関わるには?~想いを受け止め合う自己紹介を経て~

子どもに関わるのは専門性を持った専門職、ボランティア活動をしている支援者、そういった限られた人たちだけでよいのでしょうか。

自分にできることで子どもや地域・社会に関わりたい

私たちPIECESが行うCitizenship for Children(略してCforC)は、「自分にできることで子どもや地域・社会に関わりたい」という想いを持った、専門職でも支援者でもない、一般市民向けに行っているプログラムです。

専門職から関わりの視点や知識を学び、仲間とのワークを通して子どもと自分の両者にとってよい関りを探求していきます。

「自分にできることで子どもや地域・社会に関わりたい」、共通した1つの想いを持ち参加者は集まりましたが、その背景には、多様な経験や視点、価値観があります。

異なる経験や視点・価値観を持つ人たちが対話を重ね共に学びあう。その営みによって新たな視点が生まれ、子どもの想いや願いに対する仮説も広がっていきます。

しかし、自分とは異なる意見を受け止めることは簡単ではありません。意見の背景にある想いや願いを想像して受け止めることが必要になるため、CforCでは互いに受け止め合うことを大切にしています。

互いの想いを受け止め合う自己紹介

プログラムの始めに、約100分の時間をつかった自己紹介を行います。一般的な自己紹介では、名前や出身地、普段していることなどの情報だけが語られることが多いですが、この場ではCforCに至るまでのあなたの物語について語ってもらいます。

辛かった自分の過去がある、新たに一歩踏み出したい、現場での葛藤がある。参加者それぞれの想いを受け止め合う時間は、これからのプログラムに欠かせない基盤になっていきます。

ゼミの後半では事例を用いて、子どもにとって安全と感じられるのか、安全と感じられないのであればそれはどうして?ということについて意見を出し合いました。

当日の内容について、2名の参加者の感想を共有します。参加者目線からどんなふうに感じたのか、ぜひご覧ください。

参加者の感想①(いっちゃん)

今回、初めての方々との自己紹介。リアル、オフでも自己紹介をする場は結構ありますが、一人5~7分の長い自己紹介はするのも、聞くのもないので新鮮でした。また、みなさん、大きくはCforCという同じテーマや目的意識で集まっているのに、ポピークラスの中だけでも、動機やバックボーンや性格(考え方)がバラバラで面白いなと改めて。

例えば、「子どもに対して何かすること」に、すごく責任感、恐怖心まで持っている慎重な姿勢の人もいれば、良い意味で肩のチカラが抜けていて「自分が楽しいことを」「自分がやってもらって嬉しかったことを」「自分が自由に生きたいことの延長線上にある」という人もいる多様さで、小澤さんがおっしゃっていた「一人の子どもに複数のいろいろな大人が関わることの大切さ」というのはこういうことなんだろうなと思いました。

参加者の感想➁(Mさん)

安心安全な場を作り出すことの大切さ、実際にどういう場が安全もしくは安全でないと感じるのか、その点の解釈の幅を広げることができました。

実際のワークでは、自分とは異なる観点が沢山でてきて、一つの事例をさまざまなレンズで見ることができたな〜と思います。
同時に、実践の場で他者を巻き込みながら安心安全の場を展開していくことの難しさとも葛藤しています。

葛藤すること自体は悪いことではないと思うので、まずは3ヶ月マインドセットという形と通して、その葛藤とうまく付き合っていきたいです

1人の子どもに多様な大人が関わる

仲間の想いを聞くことで、自分にしかない視点や価値観があるということに気づきます。
専門職や支援者だけでなく、多様な市民1人ひとりが想いを形にして、子どもや地域・社会と関わる。そうすることで、子どもだけでなくみんなが暮らしやすい地域になるのではないでしょうか。